大きな振動、苦痛を訴える声、誰かが誰かを蔑む声。

最悪とも言える目覚ましが私の意識を呼び起こした。

うっすらと目を開けると、目の前には信じられない光景が広がっていた。


（みんな！！）


声にはできなかった。

目の前にいる黒いローブの男は、確かアレスという神様。

そのアレスが大きな剣を軽々と振るい、その度に吹き飛ばされているのは黄金聖闘士たち。

しかも、その中に…シュラがいた。

そうだ、私はアレスに捕まった。

それを助けに来てくれたの？

あぁ、シュラだけじゃないよ。

デス、アフロ、童虎、ロス、リアまで…！


リア「なんの、これしき！！」

ロス「葵を助けるまでは、この命はくれてやらん！！」

アレス『鬱陶しい兄弟だ。』


アレスの大剣からの波動でアイオリアとアイオロスが吹き飛ばされ、固い岩盤に叩きつけられる。


童虎「アイオロス、アイオリア！！」

アレス『他人の心配をしている場合か？』

童虎「しまっ…！！」


童虎も大剣の波動に吹き飛ばされ、アイオリアたちと同じ所に叩きつけられた。


デス「老師！！　ちっ、これでどうだ！！　積尸気冥界波―――！！」

アフロ「その大剣、砕かせてもらう！！　ピラニアンローズ！！」


白いオーラと黒い薔薇がアレスを包み込む。


アレス『小賢しい。』


大剣からまた波動が飛び、オーラと黒薔薇を吹き飛ばした。

アレスは大剣を携えたまま２人の懐へ瞬間移動して、思い切り拳を突き出した。


デス「ぬわぁああ！！！」

アフロ「うわぁ―――！！！」


柱に激突し、床に叩きつけられる２人。


（駄目、このままじゃ皆アレスに…！！）


１人立っているシュラも満身創痍というところだ。