沙織「これは、一体！？」


その場に駆けつけたアテナ以下全員の目が見開かれた。

アテナ神像の胸の辺りから地面に背を向けてフワフワと浮遊落下してくるのは、紛れもなく人だった。

下から見える限り、女性のようだ。

しかも、白い上着に赤く長いキュロットような物を履いている。

黒い長髪が風に舞い、ゆらゆらと揺れて。


シオン「油断はならぬ。皆、アテナから離れるな！」


シオンも浮遊落下してくる女性を見上げ、戦闘体勢を取る。

周りの黄金聖闘士たちもそれに倣う。


沙織「お待ちなさい。あの方からは、なんら悪しき小宇宙を感じません。むしろ、何か安心する様な温かな波動を感じませんか？」


アテナが構える黄金聖闘士たちを制して前に出る。


沙織「それに、この方はどうやらこの世界の方ではなさそうですね。」


アテナの言葉に、その場に居合わせた者全てが衝撃を受けた。