「あれが１２宮なんですか？」

女官「左様でございます。あの１２宮を守護されるのが、聖闘士最高峰の黄金聖闘士様たちなのです。」

「随分と年代物の建物ですね。」

女官「神話の頃からの物ですから、気の遠くなるほど昔の物ですよ？　さぁ、ここがアテナ様のお部屋です。」


ドアには見事なレリーフが刻まれていて、どの部屋とも別格の扱いだという事がよくわかる。

ノックをすると、どうぞと言われたので女官さんが開けてくれた。


女官「アテナ様、葵様をお連れいたしました。」

沙織「ご苦労様です。葵さん、どうぞお入りになって。」

「はい。」


中に入ると、私の部屋よりも格調高い家具や造り。

その中で私を招く沙織ちゃんも優雅で優美だった。

やっぱり、これで１３歳っていうのは詐欺だよ……；


沙織「これから、黄金聖闘士たちと引き合わせるのですが、どうぞ安心なさってね。彼らは屈強の闘士といえども、優しい方々です。」

「う、うん。」


まだ見ない黄金聖闘士さんたちへの想像は怖いものばかりなんだけどね；

それを沙織ちゃんに言うと、どんな想像ですかと逆に聞かれた。


「やっぱりね、ゴツイ人たちを想像しちゃうんだよね。神様を守護する闘士って言われたらナヨナヨしている人を想像する方が難しいよ；」

沙織「クスクス、そうですわね。でも心配なさらないで？　確かに屈強の闘士ですが、そんなに頑強な方ばかりでもありませんから。」


沙織ちゃんの笑顔を見ると、私も何だか安心できた。


女官「アテナ様。教皇以下、黄金聖闘士様、教皇の間にお揃いになりました。」

沙織「わかりました。今、参ります。」


沙織ちゃんの後に付いて、私は教皇の間に向かった。

胸の鼓動は、高鳴りつつある。