ねた
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
擬獣化注意。
今日のヒーロー基礎学はオールマイトお手製くじ引きによるペアの実戦訓練であった。僕は既に尾白くんと組み終えたので今は最終ペアである麗日さんとななしさんペアの準備の様子をモニター越しに皆と見ていた。
麗日さんとななしさん、この二人はよく行動を共にしていて、中学からの付き合いなんだとか。麗日さんと僕は話す方だけど、逆にななしさんとはあまり話さない。話さないといっても目があったり、今日みたいな実戦訓練でペアやチームになったときには話しかけてくれる。
だけど僕的には、級友とはいえななしさんのことは少しだけ、怖いと思う。
そんなことに思考を飛ばしていたらいつの間にか準備が整ったらしく二人は別々のモニターに映し出されていた。麗日さんはヒーローコスチュームを着た体の前でぎゅっと握りこぶしを作って深呼吸をしているのに対して、ななしさんはいつも通りのポーカーフェイスで戦闘開始の合図を待っている。
オールマイトが二人に無線で二人に合図を掛けたその瞬間、モニターの画面は同時に動いた。麗日さんは合図と共に実際の都市を彷彿とさせる演習場を走り出すと作戦を練っているのか、ななしさんから少し距離を取りつつビルの間を走っている。
ななしさんのモニターに視線を移すと彼女は確実に麗日さんの方へ走りながら自身の腕と足に触れた途端、音はないがモニター越しでも分かるほどに触れた腕と太ももを軸にメキメキと人間の体格では無くなっていく。
ななしさんの個性、変化。触れたものを自由に変化させることが出来、名の通り人間の基礎から変えてしまう個性。
ただ、異形型の本人には相澤先生の個性抹消は効かない。これはななしさん本人が言っていたことなんだけど基が人外であるためだそうだ。つまり彼女は人間に近い身体をした人外であり、人間の姿は彼女の個性でそれっぽく変化しているだけで本質は人外なのだとか。
麗日さんとは触れることが条件という共通点であり、よく二人で訓練しているところを見るが、実戦訓練では初めて組むのではないだろうか。ブツブツと呟きながらモニターをちらりと見やると麗日さんはいつの間にかななしさんの方へ向かっていた。作戦が粗方出来上がったのだろう、次いでななしさんの方も見ると彼女は二足歩行の姿から四足歩行の姿へ変貌を遂げていた。
改めてみるとゲームから飛び出してきたようなファンタジーな姿だと思う、ドラゴンのような、獣のような。口から覗く白く鋭い歯に、意外にもがっしりとした身体から伸びるしなやかに筋肉のついた四肢からは曲湾状に伸びた鉤爪が並び、前肢の鉤爪がカチチと地面を叩いていた。
「どっからでも掛かってきな」
ぴくりと耳が僅かに動いたななしさんは麗日さんの近付いてくる音を拾い上げたのか姿勢を低くして舌舐めずりをした。
結果としてはななしさんの勝利だった。あのあと、ななしさんは麗日さんが出てきた瞬間、死角から飛び出し手で抑えようとしたのを間一髪麗日さんは個性で上へ浮遊して回避した。ななしさんもすぐさま体制を立て直して直後麗日さんと睨み合いになり、先に仕掛けたのはななしさんだった。麗日さんの方へ駆け出しその顎まで避けた口をがぱりと開けて噛みつきにかかった。麗日さんはギリギリのところでかわしたが、無重力状態で一瞬バランスを崩したその隙を見逃さず、ななしさんは麗日さんを地面に引きずり下ろして個性を発動させた瞬間、オールマイトの掛け声で動きを止めた。
「デクくんすっごい詳しいんやねえ…」
「そこまで分析されるのも恥ずかしいもんだな」
四足歩行の姿をそのまま二足歩行にした姿のななしさんは個性を受けて変化した麗日さんを抱っこして戻ってきた。
ちっちゃくふわふわとした麗日さんを抱いているななしさんはなんか、こう、ヒロコスも相まって、こう、えっち(小声)なお姉さんのような雰囲気がある。
「お茶子、今日家行っていいか?」
「ええよ~!」
そうだ、僕がななしさんを怖いと思ってしまうのは彼女の目だ。彼女は麗日さんに対してはとても甘ったるいのは皆承知だが時折、周りに対しての目が轟くんのように冷たくなる。その冷たさの中にある狂気が、怖いのだ。麗日お茶子という人物に対して向ける甘さを煮詰めてどろどろとした情が垣間見える瞬間が、とても恐ろしい。
今日のヒーロー基礎学はオールマイトお手製くじ引きによるペアの実戦訓練であった。僕は既に尾白くんと組み終えたので今は最終ペアである麗日さんとななしさんペアの準備の様子をモニター越しに皆と見ていた。
麗日さんとななしさん、この二人はよく行動を共にしていて、中学からの付き合いなんだとか。麗日さんと僕は話す方だけど、逆にななしさんとはあまり話さない。話さないといっても目があったり、今日みたいな実戦訓練でペアやチームになったときには話しかけてくれる。
だけど僕的には、級友とはいえななしさんのことは少しだけ、怖いと思う。
そんなことに思考を飛ばしていたらいつの間にか準備が整ったらしく二人は別々のモニターに映し出されていた。麗日さんはヒーローコスチュームを着た体の前でぎゅっと握りこぶしを作って深呼吸をしているのに対して、ななしさんはいつも通りのポーカーフェイスで戦闘開始の合図を待っている。
オールマイトが二人に無線で二人に合図を掛けたその瞬間、モニターの画面は同時に動いた。麗日さんは合図と共に実際の都市を彷彿とさせる演習場を走り出すと作戦を練っているのか、ななしさんから少し距離を取りつつビルの間を走っている。
ななしさんのモニターに視線を移すと彼女は確実に麗日さんの方へ走りながら自身の腕と足に触れた途端、音はないがモニター越しでも分かるほどに触れた腕と太ももを軸にメキメキと人間の体格では無くなっていく。
ななしさんの個性、変化。触れたものを自由に変化させることが出来、名の通り人間の基礎から変えてしまう個性。
ただ、異形型の本人には相澤先生の個性抹消は効かない。これはななしさん本人が言っていたことなんだけど基が人外であるためだそうだ。つまり彼女は人間に近い身体をした人外であり、人間の姿は彼女の個性でそれっぽく変化しているだけで本質は人外なのだとか。
麗日さんとは触れることが条件という共通点であり、よく二人で訓練しているところを見るが、実戦訓練では初めて組むのではないだろうか。ブツブツと呟きながらモニターをちらりと見やると麗日さんはいつの間にかななしさんの方へ向かっていた。作戦が粗方出来上がったのだろう、次いでななしさんの方も見ると彼女は二足歩行の姿から四足歩行の姿へ変貌を遂げていた。
改めてみるとゲームから飛び出してきたようなファンタジーな姿だと思う、ドラゴンのような、獣のような。口から覗く白く鋭い歯に、意外にもがっしりとした身体から伸びるしなやかに筋肉のついた四肢からは曲湾状に伸びた鉤爪が並び、前肢の鉤爪がカチチと地面を叩いていた。
「どっからでも掛かってきな」
ぴくりと耳が僅かに動いたななしさんは麗日さんの近付いてくる音を拾い上げたのか姿勢を低くして舌舐めずりをした。
結果としてはななしさんの勝利だった。あのあと、ななしさんは麗日さんが出てきた瞬間、死角から飛び出し手で抑えようとしたのを間一髪麗日さんは個性で上へ浮遊して回避した。ななしさんもすぐさま体制を立て直して直後麗日さんと睨み合いになり、先に仕掛けたのはななしさんだった。麗日さんの方へ駆け出しその顎まで避けた口をがぱりと開けて噛みつきにかかった。麗日さんはギリギリのところでかわしたが、無重力状態で一瞬バランスを崩したその隙を見逃さず、ななしさんは麗日さんを地面に引きずり下ろして個性を発動させた瞬間、オールマイトの掛け声で動きを止めた。
「デクくんすっごい詳しいんやねえ…」
「そこまで分析されるのも恥ずかしいもんだな」
四足歩行の姿をそのまま二足歩行にした姿のななしさんは個性を受けて変化した麗日さんを抱っこして戻ってきた。
ちっちゃくふわふわとした麗日さんを抱いているななしさんはなんか、こう、ヒロコスも相まって、こう、えっち(小声)なお姉さんのような雰囲気がある。
「お茶子、今日家行っていいか?」
「ええよ~!」
そうだ、僕がななしさんを怖いと思ってしまうのは彼女の目だ。彼女は麗日さんに対してはとても甘ったるいのは皆承知だが時折、周りに対しての目が轟くんのように冷たくなる。その冷たさの中にある狂気が、怖いのだ。麗日お茶子という人物に対して向ける甘さを煮詰めてどろどろとした情が垣間見える瞬間が、とても恐ろしい。