千古不易の求愛を
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無事に帰還した途端のギルドの騒がしさといったらそれはそれはうるさかった。
何故なら、調査の一環で訪れた"新米"がかの"蛇王龍"に求愛をされたとなればギルドに通信がいくのも無理はない。むしろいっていなかったらギルドマスターにこってりと絞られているはずだから。
求愛!?嫁ぐのか?蛇王龍に。馬鹿言え、きっとジョークだよ。ところで痺れるようなキスはしたのか?
次から次へと我が身に降りかかる質問の嵐をなんとか躱しながらカウンターバーへたどり着く。
「ふふ、調査お疲れ様。搾りたてのオレンジジュースでもどう?」
「いただきます…」
くるくる回る椅子に腰掛けて好き勝手言ってくれるなあとぼんやり肘をつきながら差し出されたオレンジジュースを啜る。酸味と甘みが程よく調和されていておいしい、ぽつりと呟けば受付嬢はありがとうと笑みをこぼした。
それから未だ騒がしいギルド内を半目で見やりつつ、ちゅうちゅうと手元のオレンジジュースを啜ってのんびりしているところで横からところで…と声がかかる。
首をカウンターに向き直すと少し身を乗り出して私と同じように肘をつきながらにまにまと口元を緩ませた彼女に思わずもしや、と頬が引き攣った。
「御伽話の伝説に求愛されたってね?で、実際のところ本当なの?」
今になって考えると頭痛がしそうなほど恥ずかしい内容だ。
しかし、嘘だろうと言われれば違う。だって私の目は、両眼だけではとても納まりきれないあの龍の巨体をしっかりと見たのだ。私の耳はあの龍の独特で強者の雰囲気を漂わせた芯の太い声を聞いたのだ。
そこまで考えてはっと気付けば受付嬢の求愛という言葉に体温が上がっていくのを感じる。
いつまで経っても返ってこない返事と、恐らく赤くなっている顔に何かを察した受付嬢は浮かべていた笑みを更に濃く笑った。
「その反応は真実で、求愛に対しては満更でもなさそうなのかしら?」
まるでじっくり聞かせてもらうわようふふなんて語尾にハートがついているみたいな雰囲気を漂わせてにんまり笑って上機嫌に問われる。この人、意外と蛇だと内心毒づきながらも抗う術なく一方的なガールズトークに引き込まれた。
それからしばらく、こってりと絞られ心身ともに(主に精神面が大きい)憔悴しきった私とは裏腹に、心なしかもちもちと肌を輝かせた彼女は満足そうにしていた。
「ご馳走さま、じゃあ私はこれで」
「こちらこそご馳走さま!楽しんでね、ななしちゃん」
よろよろと恥ずかしさで力が抜けた足腰を奮い立たせ調査の報告を纏めるため椅子から降りて調査隊の部屋へ向かうためギルドのドアへと向かう。
後ろからすっかりご機嫌極まれリな彼女の声が聞こえてひらひらと手を降ればまた今度のお土産楽しみにしてると先手に杭を打たれてしまった。
パタンと静かな廊下にドアを閉める音が響いて、ふうと息を吐く。
彼女の言うとおり、どこか満更でもなく適応している自分がいるかもしれない、なんて。
何故なら、調査の一環で訪れた"新米"がかの"蛇王龍"に求愛をされたとなればギルドに通信がいくのも無理はない。むしろいっていなかったらギルドマスターにこってりと絞られているはずだから。
求愛!?嫁ぐのか?蛇王龍に。馬鹿言え、きっとジョークだよ。ところで痺れるようなキスはしたのか?
次から次へと我が身に降りかかる質問の嵐をなんとか躱しながらカウンターバーへたどり着く。
「ふふ、調査お疲れ様。搾りたてのオレンジジュースでもどう?」
「いただきます…」
くるくる回る椅子に腰掛けて好き勝手言ってくれるなあとぼんやり肘をつきながら差し出されたオレンジジュースを啜る。酸味と甘みが程よく調和されていておいしい、ぽつりと呟けば受付嬢はありがとうと笑みをこぼした。
それから未だ騒がしいギルド内を半目で見やりつつ、ちゅうちゅうと手元のオレンジジュースを啜ってのんびりしているところで横からところで…と声がかかる。
首をカウンターに向き直すと少し身を乗り出して私と同じように肘をつきながらにまにまと口元を緩ませた彼女に思わずもしや、と頬が引き攣った。
「御伽話の伝説に求愛されたってね?で、実際のところ本当なの?」
今になって考えると頭痛がしそうなほど恥ずかしい内容だ。
しかし、嘘だろうと言われれば違う。だって私の目は、両眼だけではとても納まりきれないあの龍の巨体をしっかりと見たのだ。私の耳はあの龍の独特で強者の雰囲気を漂わせた芯の太い声を聞いたのだ。
そこまで考えてはっと気付けば受付嬢の求愛という言葉に体温が上がっていくのを感じる。
いつまで経っても返ってこない返事と、恐らく赤くなっている顔に何かを察した受付嬢は浮かべていた笑みを更に濃く笑った。
「その反応は真実で、求愛に対しては満更でもなさそうなのかしら?」
まるでじっくり聞かせてもらうわようふふなんて語尾にハートがついているみたいな雰囲気を漂わせてにんまり笑って上機嫌に問われる。この人、意外と蛇だと内心毒づきながらも抗う術なく一方的なガールズトークに引き込まれた。
それからしばらく、こってりと絞られ心身ともに(主に精神面が大きい)憔悴しきった私とは裏腹に、心なしかもちもちと肌を輝かせた彼女は満足そうにしていた。
「ご馳走さま、じゃあ私はこれで」
「こちらこそご馳走さま!楽しんでね、ななしちゃん」
よろよろと恥ずかしさで力が抜けた足腰を奮い立たせ調査の報告を纏めるため椅子から降りて調査隊の部屋へ向かうためギルドのドアへと向かう。
後ろからすっかりご機嫌極まれリな彼女の声が聞こえてひらひらと手を降ればまた今度のお土産楽しみにしてると先手に杭を打たれてしまった。
パタンと静かな廊下にドアを閉める音が響いて、ふうと息を吐く。
彼女の言うとおり、どこか満更でもなく適応している自分がいるかもしれない、なんて。
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