君の瞳に映るもの
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サルファ剤を作るためにはまともな器具をそろえたラボが必要なのだが、ガラスの成型は思いのほか難しく作業は難航していた。
「なあ、スイレン」
「ん?」
クロムがスイレンに何やらひそひそと話しかけた後、2人は村へと戻りとある人物を連れてきた。
「む…こら、やめんかクロム、スイレン」
「ごめんねカセキ爺ちゃん」
「頼むぜカセキの爺さん。あんたの職人技借りてえんだ」
突然荒縄で縛り上げられ半ば強制的に引き摺られてきた老人カセキはたいそうご立腹な様子で怪しい妖術の類は手伝わんぞと喚いているが、千空とクロムのガラスの成型があまりにも酷く見ていられなくなったのか縄を引きちぎった。
「ワシに造(や)らせろ……!!!」
筋骨隆々という言葉がぴったりなカセキの上半身に思わずスイレンがピューっと口笛を吹いた。
カセキは初めて触ったはずだが流石熟練の職人といった手つきでガラスを成型していく。
順調に作業が進みとうとうラボが完成した。
そしてラボから少し離れたところにもう一つ建物が建った。
「今日からここの管理はスイレン、テメーに任せる」
「ヤベー!!診療所も完成だな!!」
診療所に入ってすぐのところには机と椅子がおいてあり簡単な手当てはここで行えるようになっている。
まだ薬は数種類しか置かれておらず隙間が目立つが薬品棚もそのうちいっぱいになるだろう。
奥には大人が2、3人寝られるようなスペースがあり、隠せるようにカーテンも取り付けられていた。
「私、頑張るね」
「頼りにしてるぜスイレン先生」
千空の言葉にスイレンはなんだかくすぐったい気持ちになった。
頼られるのは素直にうれしい。
「戻ってきたら怪我の状態を確認しないとね」
「あ?ゲンのことか?」
「スイレンは心配性だな」
「いやいや、あの怪我でいなくなったんだから気になるのは当然でしょうよ」
スイレンはずっとゲンの怪我を気にしている。
千空とクロムには心配のし過ぎだと言われたので別のことで気を紛らわせることにした。
とりあえず今ある薬や包帯の在庫を確認する。
最近、御前試合に向けて金狼と銀狼がコハクにしごかれていて生傷が絶えないので傷薬の在庫が心もとないことを千空に告げ薬草採集に出かけることにした。
スイカが手伝いを申し出てくれたのでありがたくその申し出を受ければ満面の笑みでお役に立つんだよと元気いっぱいに返されて和やかな気持ちになった。
「探している薬草とちょっと違う気がするんだよ」
「うん、それはよく似た毒草だね」
「危ないんだよ!!」
「大丈夫、毒草って言ってもちょっとおなかを壊すくらいで人を殺せるような強力なやつじゃないから」
「…なんでそんなに詳しいんだよ」
「昔食べたことがあるんだよ」
昔ルリの病気に効く薬はないかと色々試した際にクロムと2人で仲良くおなかを壊したのは今となってはいい思い出だ。
ちなみにクロムよりも色々なものを試した結果、スイレンの体はすっかりと毒物に慣れてしまいこれくらいの毒は効かなくなっている。
何かに使えるかもと思い出の毒草もついでに採集した。
「…スイレンは毒を食べても平気なんだよ?」
「ある程度は、ね」
よい子は真似しちゃだめだよと釘を刺せばスイカからは真似しようとは思わないんだよと冷静に返されてしまった。
スイカの手伝いのおかげで予定よりも色々と採集でき満足したスイレンはおそらく今日も擦り傷だらけの金狼と銀狼が待っているので足早に診療所へ戻るのであった。
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「なあ、スイレン」
「ん?」
クロムがスイレンに何やらひそひそと話しかけた後、2人は村へと戻りとある人物を連れてきた。
「む…こら、やめんかクロム、スイレン」
「ごめんねカセキ爺ちゃん」
「頼むぜカセキの爺さん。あんたの職人技借りてえんだ」
突然荒縄で縛り上げられ半ば強制的に引き摺られてきた老人カセキはたいそうご立腹な様子で怪しい妖術の類は手伝わんぞと喚いているが、千空とクロムのガラスの成型があまりにも酷く見ていられなくなったのか縄を引きちぎった。
「ワシに造(や)らせろ……!!!」
筋骨隆々という言葉がぴったりなカセキの上半身に思わずスイレンがピューっと口笛を吹いた。
カセキは初めて触ったはずだが流石熟練の職人といった手つきでガラスを成型していく。
順調に作業が進みとうとうラボが完成した。
そしてラボから少し離れたところにもう一つ建物が建った。
「今日からここの管理はスイレン、テメーに任せる」
「ヤベー!!診療所も完成だな!!」
診療所に入ってすぐのところには机と椅子がおいてあり簡単な手当てはここで行えるようになっている。
まだ薬は数種類しか置かれておらず隙間が目立つが薬品棚もそのうちいっぱいになるだろう。
奥には大人が2、3人寝られるようなスペースがあり、隠せるようにカーテンも取り付けられていた。
「私、頑張るね」
「頼りにしてるぜスイレン先生」
千空の言葉にスイレンはなんだかくすぐったい気持ちになった。
頼られるのは素直にうれしい。
「戻ってきたら怪我の状態を確認しないとね」
「あ?ゲンのことか?」
「スイレンは心配性だな」
「いやいや、あの怪我でいなくなったんだから気になるのは当然でしょうよ」
スイレンはずっとゲンの怪我を気にしている。
千空とクロムには心配のし過ぎだと言われたので別のことで気を紛らわせることにした。
とりあえず今ある薬や包帯の在庫を確認する。
最近、御前試合に向けて金狼と銀狼がコハクにしごかれていて生傷が絶えないので傷薬の在庫が心もとないことを千空に告げ薬草採集に出かけることにした。
スイカが手伝いを申し出てくれたのでありがたくその申し出を受ければ満面の笑みでお役に立つんだよと元気いっぱいに返されて和やかな気持ちになった。
「探している薬草とちょっと違う気がするんだよ」
「うん、それはよく似た毒草だね」
「危ないんだよ!!」
「大丈夫、毒草って言ってもちょっとおなかを壊すくらいで人を殺せるような強力なやつじゃないから」
「…なんでそんなに詳しいんだよ」
「昔食べたことがあるんだよ」
昔ルリの病気に効く薬はないかと色々試した際にクロムと2人で仲良くおなかを壊したのは今となってはいい思い出だ。
ちなみにクロムよりも色々なものを試した結果、スイレンの体はすっかりと毒物に慣れてしまいこれくらいの毒は効かなくなっている。
何かに使えるかもと思い出の毒草もついでに採集した。
「…スイレンは毒を食べても平気なんだよ?」
「ある程度は、ね」
よい子は真似しちゃだめだよと釘を刺せばスイカからは真似しようとは思わないんだよと冷静に返されてしまった。
スイカの手伝いのおかげで予定よりも色々と採集でき満足したスイレンはおそらく今日も擦り傷だらけの金狼と銀狼が待っているので足早に診療所へ戻るのであった。
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