君の瞳に映るもの
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とある日の夜、石上村にある住居で白い髪の小柄な女がウトウトしていた。
前日に薬作りで徹夜をし、朝から材料集めに森に入り薬草採集をしていたので長めの前髪で隠れているが目の下には隈ができている。
静かな夜だが、静寂は一人の少年の声で突然喧騒へと変わってしまった。
「ヤベー!!スイレン、今すぐ来てくれ!!」
「…何なの?クロム、私眠いんだけど」
「それどころじゃねぇんだ!!ゲンが大変なんだ!!」
スイレンと呼ばれた白い髪の小柄な女は騒がしい少年クロムに手を引かれ、訳も分からずクロムが採集したものを保管している科学倉庫へと連れてこられた。
道中でゲンというのはたしか最近村へと続く橋の近くに現れたという2人のうちの1人ではなかっただろうかと考えていたスイレンは科学倉庫の中を見て驚愕した。
ぐったりとしている細身の青年は酷い怪我をしていて虫の息といってもいいほどだ。
何者かの襲撃を受けたが体中に血糊袋を仕込んでいたので死なずに済んだらしい。
スイレンは念のため持ってきていた薬を使い手際よく手当てをしていく。
足りない分はクロムやコハク、スイカに指示し用意させた。
もう一人、見慣れぬ少年が手当てに使えそうなものをいろいろと用意してくれたのでありがたく使わせてもらう。
幸いにも骨や内臓には問題はないようだ。
手当てが一通り終わった後、ゲンの胸に耳を当てて目を閉じ鼓動を確かめる。
正常な鼓動に安堵した途端、急な睡魔に襲われたスイレンはそのまま意識を手放してしまった。
「…ちゃん、…をい…」
「ああ…る…なら」
すぐ近くで聞き覚えのない声が聞こえるがスイレンにの耳には音が途切れ途切れに入ってくるので会話の内容までは聞き取れなかった。
また静寂が訪れてしばらく経ったころ、不意に優しい手つきで髪を梳かれスイレンの意識が浮上する。
「ありがとう」
はっきりと聞き取れた言葉に目を覚ますと横たわっていたはずの場所にゲンの姿はなかった。
寝起きでぼんやりとする頭でゲンがいた場所を触るとまだほんのりと温かいのでまだ遠くには行っていないだろう。
科学倉庫の窓から外を見れば森の方へと向かっていく紫色の羽織の後ろ姿が見えた。
昨夜は虫の息だったが足取りは思いのほかしっかりとしているので案外タフなのかもしれないなと思いながらスイレンは静かにその後ろ姿を見送った。
ゲンがいなくなったことに気づいたクロムが騒ぎ始めるころにはすっかり日が昇りあたりは明るくなっていたのだが…。
「…クロムうるさい」
「だってよー!!ゲンの奴が消えやがったんだ!!」
「…わかってるよ、お願いだから寝かせて」
クロムに両肩をつかまれ揺さぶられながらも眠りに落ちたスイレンが次に目を覚ましたころには夕方になっていたのだった。
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前日に薬作りで徹夜をし、朝から材料集めに森に入り薬草採集をしていたので長めの前髪で隠れているが目の下には隈ができている。
静かな夜だが、静寂は一人の少年の声で突然喧騒へと変わってしまった。
「ヤベー!!スイレン、今すぐ来てくれ!!」
「…何なの?クロム、私眠いんだけど」
「それどころじゃねぇんだ!!ゲンが大変なんだ!!」
スイレンと呼ばれた白い髪の小柄な女は騒がしい少年クロムに手を引かれ、訳も分からずクロムが採集したものを保管している科学倉庫へと連れてこられた。
道中でゲンというのはたしか最近村へと続く橋の近くに現れたという2人のうちの1人ではなかっただろうかと考えていたスイレンは科学倉庫の中を見て驚愕した。
ぐったりとしている細身の青年は酷い怪我をしていて虫の息といってもいいほどだ。
何者かの襲撃を受けたが体中に血糊袋を仕込んでいたので死なずに済んだらしい。
スイレンは念のため持ってきていた薬を使い手際よく手当てをしていく。
足りない分はクロムやコハク、スイカに指示し用意させた。
もう一人、見慣れぬ少年が手当てに使えそうなものをいろいろと用意してくれたのでありがたく使わせてもらう。
幸いにも骨や内臓には問題はないようだ。
手当てが一通り終わった後、ゲンの胸に耳を当てて目を閉じ鼓動を確かめる。
正常な鼓動に安堵した途端、急な睡魔に襲われたスイレンはそのまま意識を手放してしまった。
「…ちゃん、…をい…」
「ああ…る…なら」
すぐ近くで聞き覚えのない声が聞こえるがスイレンにの耳には音が途切れ途切れに入ってくるので会話の内容までは聞き取れなかった。
また静寂が訪れてしばらく経ったころ、不意に優しい手つきで髪を梳かれスイレンの意識が浮上する。
「ありがとう」
はっきりと聞き取れた言葉に目を覚ますと横たわっていたはずの場所にゲンの姿はなかった。
寝起きでぼんやりとする頭でゲンがいた場所を触るとまだほんのりと温かいのでまだ遠くには行っていないだろう。
科学倉庫の窓から外を見れば森の方へと向かっていく紫色の羽織の後ろ姿が見えた。
昨夜は虫の息だったが足取りは思いのほかしっかりとしているので案外タフなのかもしれないなと思いながらスイレンは静かにその後ろ姿を見送った。
ゲンがいなくなったことに気づいたクロムが騒ぎ始めるころにはすっかり日が昇りあたりは明るくなっていたのだが…。
「…クロムうるさい」
「だってよー!!ゲンの奴が消えやがったんだ!!」
「…わかってるよ、お願いだから寝かせて」
クロムに両肩をつかまれ揺さぶられながらも眠りに落ちたスイレンが次に目を覚ましたころには夕方になっていたのだった。
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