君の瞳に映るもの
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最近、診療所に子供たちが頻繁に出入りしている。
ゲンの真似をしてスイレンに休憩しようと提案する子、ドングリや綺麗な石を持ってくる子、一緒に作業をしにくる子など様々で毎日賑やかだ。
スイカとすずが診療所の奥のスペースでスイレンと一緒に金の極細線を作っていると本日の製鉄作業を終えたゲンがやってきた。
「なんだか最近、診療所がにぎやかだね~」
「そうだね、みんないい子で毎日楽しいよ」
「スイカももっとスイレンと仲良くなりたいんだよ。ゲンばっかり仲良くて狡いんだよ」
「私も、スイレンと仲良くなりたい」
2人の発言にゲンとスイレンは瞬きを数回してお互いの顔を見合わせた。
食料調達の際にジャスパーにも最近ゲンと仲が良いように見えると言われたばかりなのだが、子供たちにまでそう見えているとは思わなかったのだ。
「仲良しに見えてるってさ」
「どうして他人事なのかなスイレンちゃん。当事者だよね」
「…おかしいな、私と一番仲良かったのってクロムの筈なんだけど」
「…真っ向から否定されると俺悲しい」
ゲンは泣き真似をしているが実にわざとらしい。
よく考えてみるとここ数日クロムはカセキと一緒に何か大きなものを作っていることが多いのでひたすら地道な作業をしているスイレンとはあまり顔を合わせていないのだ。
それに気づいたので久々にクロムの顔を見たくなったスイレンは休憩がてら川の方へやってきた。
「なんかでっかいのが出来てる」
「バイヤー過ぎるんだけど!?」
クロムとカセキが丸3日徹夜で作り上げたそれは見事な水車だった。
ゲンもこれは予想していなかったようでかなり驚いている。
スイレンが凄いの作ったねと声を掛けるとクロムはヤベーだろ!!とへとへとになりながらも満面の笑みを返してくれた。
「なんか、2人って仲の良い姉と弟みたいだね」
よく頑張りましたと頭を撫で繰り回すスイレンと褒められて嬉しそうなクロムを見てゲンがぽつりと呟いた。
「弟、か…そうだね、友達っていうよりは弟の方が近いかも。小さい頃から知ってるし」
「スイレンが姉ちゃんか…」
「なんか不満?私、クロムにはだいぶ手を焼かされたんだけど」
「なんとなく想像はつくんだけど、どんな感じだったか聞いてもいい?」
森や山に入っていくスイレンについてきてはクロムは好奇心のままに行動して突然いなくなる。
高い木に登って落ちそうになったり、川の流れの速いところで流されかけたり、あまり高さはないが崖下に落ちて足を捻って泣いているクロムをおぶって帰ったこともあるのだ。
話を聞きながら、ゲンはああやっぱりと思っていた。
「デパートとか遊園地で迷子になる小さい子あるあるだね。スイレンちゃん、完全にお姉ちゃんだわ」
「…何度ヒヤッとさせられたことか」
しみじみと昔を思い出し遠い目をしているスイレンにクロムは悪かったって、姉ちゃんと謝った。
言われてみれば困った時に頼るのも新しい発見をしたときに報告するのも真っ先に思い浮かぶ相手はスイレンだ。
無意識ではあるがクロムの中でスイレンは無条件に甘えられる相手という認識なのだろう。
「こんな男前に育ってくれてお姉ちゃんは嬉しいよ。可愛いお嫁さん貰って幸せにおなりなさい」
「いや、それはお姉ちゃん通り越してお母さんなのよ」
「つーかよ、俺が嫁をもらうよりスイレンが嫁に行く方が先だろ。ちゃんと相手探せよな」
「ちなみにスイレンちゃんにそういう相手は?」
「「いるわけないでしょ(だろ)」」
面白いぐらいにタイミングも言うことも同じ2人にゲンは思わず笑ってしまった。
スイレンは屈託のないゲンの笑顔を見てこんな笑い方もできるのかとまた新たな一面を知って嬉しくなりつられて笑みをこぼす。
今日も科学王国は平和である。
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ゲンの真似をしてスイレンに休憩しようと提案する子、ドングリや綺麗な石を持ってくる子、一緒に作業をしにくる子など様々で毎日賑やかだ。
スイカとすずが診療所の奥のスペースでスイレンと一緒に金の極細線を作っていると本日の製鉄作業を終えたゲンがやってきた。
「なんだか最近、診療所がにぎやかだね~」
「そうだね、みんないい子で毎日楽しいよ」
「スイカももっとスイレンと仲良くなりたいんだよ。ゲンばっかり仲良くて狡いんだよ」
「私も、スイレンと仲良くなりたい」
2人の発言にゲンとスイレンは瞬きを数回してお互いの顔を見合わせた。
食料調達の際にジャスパーにも最近ゲンと仲が良いように見えると言われたばかりなのだが、子供たちにまでそう見えているとは思わなかったのだ。
「仲良しに見えてるってさ」
「どうして他人事なのかなスイレンちゃん。当事者だよね」
「…おかしいな、私と一番仲良かったのってクロムの筈なんだけど」
「…真っ向から否定されると俺悲しい」
ゲンは泣き真似をしているが実にわざとらしい。
よく考えてみるとここ数日クロムはカセキと一緒に何か大きなものを作っていることが多いのでひたすら地道な作業をしているスイレンとはあまり顔を合わせていないのだ。
それに気づいたので久々にクロムの顔を見たくなったスイレンは休憩がてら川の方へやってきた。
「なんかでっかいのが出来てる」
「バイヤー過ぎるんだけど!?」
クロムとカセキが丸3日徹夜で作り上げたそれは見事な水車だった。
ゲンもこれは予想していなかったようでかなり驚いている。
スイレンが凄いの作ったねと声を掛けるとクロムはヤベーだろ!!とへとへとになりながらも満面の笑みを返してくれた。
「なんか、2人って仲の良い姉と弟みたいだね」
よく頑張りましたと頭を撫で繰り回すスイレンと褒められて嬉しそうなクロムを見てゲンがぽつりと呟いた。
「弟、か…そうだね、友達っていうよりは弟の方が近いかも。小さい頃から知ってるし」
「スイレンが姉ちゃんか…」
「なんか不満?私、クロムにはだいぶ手を焼かされたんだけど」
「なんとなく想像はつくんだけど、どんな感じだったか聞いてもいい?」
森や山に入っていくスイレンについてきてはクロムは好奇心のままに行動して突然いなくなる。
高い木に登って落ちそうになったり、川の流れの速いところで流されかけたり、あまり高さはないが崖下に落ちて足を捻って泣いているクロムをおぶって帰ったこともあるのだ。
話を聞きながら、ゲンはああやっぱりと思っていた。
「デパートとか遊園地で迷子になる小さい子あるあるだね。スイレンちゃん、完全にお姉ちゃんだわ」
「…何度ヒヤッとさせられたことか」
しみじみと昔を思い出し遠い目をしているスイレンにクロムは悪かったって、姉ちゃんと謝った。
言われてみれば困った時に頼るのも新しい発見をしたときに報告するのも真っ先に思い浮かぶ相手はスイレンだ。
無意識ではあるがクロムの中でスイレンは無条件に甘えられる相手という認識なのだろう。
「こんな男前に育ってくれてお姉ちゃんは嬉しいよ。可愛いお嫁さん貰って幸せにおなりなさい」
「いや、それはお姉ちゃん通り越してお母さんなのよ」
「つーかよ、俺が嫁をもらうよりスイレンが嫁に行く方が先だろ。ちゃんと相手探せよな」
「ちなみにスイレンちゃんにそういう相手は?」
「「いるわけないでしょ(だろ)」」
面白いぐらいにタイミングも言うことも同じ2人にゲンは思わず笑ってしまった。
スイレンは屈託のないゲンの笑顔を見てこんな笑い方もできるのかとまた新たな一面を知って嬉しくなりつられて笑みをこぼす。
今日も科学王国は平和である。
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