君の瞳に映るもの
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とうとうムラのないわたあめが作れるようになったので金の極細線を作っているのだが、とんでもない長さが必要らしく子供や隠居の老人たちが中心となって作業を行っていた。
ゲンも子供たちに交じって作業を行っている。
スイレンも同じ作業を行っているのだが、作業人数が増え怪我人がいつ来るかわからないので診療所の奥のスペースで作業をしていた。
「おっ疲~」
「お疲れ様、休憩中?」
「そ、スイレンちゃんもそろそろ休憩した方がいいんじゃないかと思って」
ゲンはこうして根を詰めすぎるスイレンの様子を見に来ては休憩を促したり話し相手になったりしている。
スイレンの傍らには出来上がった金の極細線が大量にあるので進捗はかなりいいのだが、放っておくと作業に集中しすぎて休憩を取らないのが困りものだ。
集中力があるのはいいことだが、スイレンの場合は欠点にもなり得る。
「気分転換にちょっと散歩でもしない?」
「それもいいね」
ゲンの提案に乗って散歩に行こうと立ち上がったスイレンは長時間座っていたせいかバランスを崩してしまった。
「大丈夫?」
「…だ、いじょうぶ」
前のめりに傾く体をゲンが支えてくれたので転ばずに済んだ。
ゲンからはいつも花の香りがする。
スイレンは最近この香りがとても落ち着くと感じるようになっていた。
「スイレンちゃん?」
「ごめん、何でもない」
ありがとうと告げてゲンから離れ診療所から出ると日差しが眩しくて一瞬目がくらんだ。
ずっと診療所に引き籠っていたのでスイレンはこんなにも綺麗な青空が広がっていたことに気づいていなかった。
ゲンが声を掛けてくれなかったら天気のことなど気にも留めなかったかもしれない。
「散歩日和でしょ」
「そうだね」
気を使わせてしまったのだろうかと様子を窺ったがゲンはとても楽しそうだったのでスイレンは安堵した。
氷月との一件以来、ふとした瞬間にゲンの様子が気になってしまう。
今までこんなにも他人を気にしたことなどないスイレンはいったい自分はどうしてしまったのだろうかと疑問に思ったが、隣を歩くゲンの足取りは軽く上機嫌なのでまあいいかと考えることをやめた。
「まだこの時期なら咲いてるね~」
「綺麗」
2人は少し歩いたところにある花畑にやってきた。
夏も終わりを迎え少しずつ気温も下がってきたが花はまだ咲いている。
もう少し寒くなると萎れてしまいそうだが、今日は天気も良く暖かいので色とりどりの花が綺麗に咲き乱れていた。
あまりにも綺麗で見惚れているとゲンが花冠を作りスイレンの頭にのせて満足そうに笑う。
「君はいつも楽しそうだね」
「スイレンちゃんと一緒ならいつでも楽しいよ」
ゲンが笑顔だとスイレンも嬉しい。
他の人が笑顔でも嬉しい筈なのだが何かが違う。
その正体はわからぬままだが幸せな気持ちになるので悪いものではないのだろう思いと教わりながら作ったやや不格好な花冠をゲンの頭にのせてみた。
「花似合うね」
「スイレンちゃんの方が似合ってるよ、妖精みたいでゴイスーに可愛い」
「ようせいって何?」
「妖精っていうのはね…」
時折わからない単語が出てくるので教えてもらうのも恒例となってきた。
作業の合間のつかの間のひと時はとても穏やかであっという間に過ぎていくのだった。
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ゲンも子供たちに交じって作業を行っている。
スイレンも同じ作業を行っているのだが、作業人数が増え怪我人がいつ来るかわからないので診療所の奥のスペースで作業をしていた。
「おっ疲~」
「お疲れ様、休憩中?」
「そ、スイレンちゃんもそろそろ休憩した方がいいんじゃないかと思って」
ゲンはこうして根を詰めすぎるスイレンの様子を見に来ては休憩を促したり話し相手になったりしている。
スイレンの傍らには出来上がった金の極細線が大量にあるので進捗はかなりいいのだが、放っておくと作業に集中しすぎて休憩を取らないのが困りものだ。
集中力があるのはいいことだが、スイレンの場合は欠点にもなり得る。
「気分転換にちょっと散歩でもしない?」
「それもいいね」
ゲンの提案に乗って散歩に行こうと立ち上がったスイレンは長時間座っていたせいかバランスを崩してしまった。
「大丈夫?」
「…だ、いじょうぶ」
前のめりに傾く体をゲンが支えてくれたので転ばずに済んだ。
ゲンからはいつも花の香りがする。
スイレンは最近この香りがとても落ち着くと感じるようになっていた。
「スイレンちゃん?」
「ごめん、何でもない」
ありがとうと告げてゲンから離れ診療所から出ると日差しが眩しくて一瞬目がくらんだ。
ずっと診療所に引き籠っていたのでスイレンはこんなにも綺麗な青空が広がっていたことに気づいていなかった。
ゲンが声を掛けてくれなかったら天気のことなど気にも留めなかったかもしれない。
「散歩日和でしょ」
「そうだね」
気を使わせてしまったのだろうかと様子を窺ったがゲンはとても楽しそうだったのでスイレンは安堵した。
氷月との一件以来、ふとした瞬間にゲンの様子が気になってしまう。
今までこんなにも他人を気にしたことなどないスイレンはいったい自分はどうしてしまったのだろうかと疑問に思ったが、隣を歩くゲンの足取りは軽く上機嫌なのでまあいいかと考えることをやめた。
「まだこの時期なら咲いてるね~」
「綺麗」
2人は少し歩いたところにある花畑にやってきた。
夏も終わりを迎え少しずつ気温も下がってきたが花はまだ咲いている。
もう少し寒くなると萎れてしまいそうだが、今日は天気も良く暖かいので色とりどりの花が綺麗に咲き乱れていた。
あまりにも綺麗で見惚れているとゲンが花冠を作りスイレンの頭にのせて満足そうに笑う。
「君はいつも楽しそうだね」
「スイレンちゃんと一緒ならいつでも楽しいよ」
ゲンが笑顔だとスイレンも嬉しい。
他の人が笑顔でも嬉しい筈なのだが何かが違う。
その正体はわからぬままだが幸せな気持ちになるので悪いものではないのだろう思いと教わりながら作ったやや不格好な花冠をゲンの頭にのせてみた。
「花似合うね」
「スイレンちゃんの方が似合ってるよ、妖精みたいでゴイスーに可愛い」
「ようせいって何?」
「妖精っていうのはね…」
時折わからない単語が出てくるので教えてもらうのも恒例となってきた。
作業の合間のつかの間のひと時はとても穏やかであっという間に過ぎていくのだった。
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