君の瞳に映るもの
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金狼と銀狼は今日もわたあめを作っていた。
どうしてもムラが出来てしまい肝心の金の糸でも同じようになってしまうと困ると試行錯誤を続けているが一向に上手くいかない。
ただ、冬備えもしなくてはいけないのでマンパワーをケータイ作りだけに集中はできないのでスイレンは食料調達を行っているジャスパーたちを手伝っていた。
「なあ、スイレン。最近どうだ」
「どう、とは?」
ジャスパーが話しかけてきたのだが、唐突に最近どうだと聞かれても何について聞かれているのか見当のつかないスイレンは首を傾げていた。
話しかけた本人は何やら話しにくそうな微妙な表情をしている。
その様子を見て心当たりを見つけたスイレンはため息を吐いてキノコや山菜を背負っている籠に放り込んだ。
「金狼となら何もないよ」
「…そうか」
ジャスパーは昔から何故かスイレンを金狼の嫁にしたがっている。
昔スイレンに門番を頼んだのも金狼と仲良くなってあわよくばという考えがあったのだろう。
しかし、その思惑は外れてしまい2人はたいして仲良くなることもなくその後すぐに銀狼が門番に任命されたので接点もあまりなくなってしまったのだ。
最近、鍛え直す目的でスイレンがバトルチームの稽古に参加しているのを見て、ジャスパーは密かに金狼と仲良くなってくれないだろうかと思っている。
「嫁くらい好きに選ばせてあげなよ。金狼がどうしても私じゃなきゃ嫌だっていうなら考えるけど、ジャスパーが勝手に嫁にしたがってるだけでしょ」
そういうの良くないよと言われたジャスパーは正論過ぎて何も言い返すことができなかった。
「この話題、随分と久々だね。諦めたのかと思ってた」
「…ルリ様や親善試合のことがあったからな。それに」
「それに?」
「最近ゲンと仲が良さそうに見えたのでな」
「なんでそこでゲンの名前が出てくるのさ」
「自覚がないのか?」
問いかけの意味が分からず首を傾げているスイレンに今度はジャスパーがため息を吐いた。
ゲンと一緒にいるスイレンは何だか楽しそうで心なしか表情や声色が柔らかくなっているようにジャスパーには見えているのだが、当の本人はそれに気が付いていない様子。
長年娘のように可愛がっている相手の前に突然現れた男と毎日仲良さげにしている姿を見て焦りを感じ話題を出したのだが、やはり金狼に脈は無いようだと逆に思い知らされてしまったのだ。
「純粋な疑問なんだけど、ジャスパーはなんで私を金狼の嫁にしたがるの?」
「…スイレンには幸せになってもらいたいんだ。金狼ならきっとお前を大事にしてくれる」
「お父さんは心配性だね」
自分の親の顔も知らないスイレンは村の大人たちに育てられたのだが、特にジャスパーやターコイズには昔から何かと可愛がってもらったので親がいたらこんな感じだろうかと思っている。
試しにお父さんと呼んでみたらジャスパーが泣き出してしまったのでこの呼び方は使いどころを考えねばと頭を悩ませる結果となってしまった。
「…なんでジャスパーが泣いてんの?」
ターコイズが2人の様子を呆れたような顔で見ていたのでスイレンがお父さんって呼んだら泣いちゃったと説明。
昔からジャスパーがスイレンを娘にしたいという願望を抱いていたことを知っているターコイズはすべてを察した。
「スイレンが…お父さんって…」
「夢が叶ってよかったじゃない」
「私にとって2人って親みたいなもんだし」
「…スイレンがそんな風に思っていたなんて、私も涙出そう」
ターコイズも感極まって目元を押さえている。
久々に3人で他愛のない会話をして村に戻ることにはだいぶ日が傾いていた。
「おかえり、スイレンちゃん」
「ただいま」
駆け寄ってきたゲンとほほ笑むスイレンを交互に見たジャスパーの心境がとても複雑だったのは言うまでもない。
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どうしてもムラが出来てしまい肝心の金の糸でも同じようになってしまうと困ると試行錯誤を続けているが一向に上手くいかない。
ただ、冬備えもしなくてはいけないのでマンパワーをケータイ作りだけに集中はできないのでスイレンは食料調達を行っているジャスパーたちを手伝っていた。
「なあ、スイレン。最近どうだ」
「どう、とは?」
ジャスパーが話しかけてきたのだが、唐突に最近どうだと聞かれても何について聞かれているのか見当のつかないスイレンは首を傾げていた。
話しかけた本人は何やら話しにくそうな微妙な表情をしている。
その様子を見て心当たりを見つけたスイレンはため息を吐いてキノコや山菜を背負っている籠に放り込んだ。
「金狼となら何もないよ」
「…そうか」
ジャスパーは昔から何故かスイレンを金狼の嫁にしたがっている。
昔スイレンに門番を頼んだのも金狼と仲良くなってあわよくばという考えがあったのだろう。
しかし、その思惑は外れてしまい2人はたいして仲良くなることもなくその後すぐに銀狼が門番に任命されたので接点もあまりなくなってしまったのだ。
最近、鍛え直す目的でスイレンがバトルチームの稽古に参加しているのを見て、ジャスパーは密かに金狼と仲良くなってくれないだろうかと思っている。
「嫁くらい好きに選ばせてあげなよ。金狼がどうしても私じゃなきゃ嫌だっていうなら考えるけど、ジャスパーが勝手に嫁にしたがってるだけでしょ」
そういうの良くないよと言われたジャスパーは正論過ぎて何も言い返すことができなかった。
「この話題、随分と久々だね。諦めたのかと思ってた」
「…ルリ様や親善試合のことがあったからな。それに」
「それに?」
「最近ゲンと仲が良さそうに見えたのでな」
「なんでそこでゲンの名前が出てくるのさ」
「自覚がないのか?」
問いかけの意味が分からず首を傾げているスイレンに今度はジャスパーがため息を吐いた。
ゲンと一緒にいるスイレンは何だか楽しそうで心なしか表情や声色が柔らかくなっているようにジャスパーには見えているのだが、当の本人はそれに気が付いていない様子。
長年娘のように可愛がっている相手の前に突然現れた男と毎日仲良さげにしている姿を見て焦りを感じ話題を出したのだが、やはり金狼に脈は無いようだと逆に思い知らされてしまったのだ。
「純粋な疑問なんだけど、ジャスパーはなんで私を金狼の嫁にしたがるの?」
「…スイレンには幸せになってもらいたいんだ。金狼ならきっとお前を大事にしてくれる」
「お父さんは心配性だね」
自分の親の顔も知らないスイレンは村の大人たちに育てられたのだが、特にジャスパーやターコイズには昔から何かと可愛がってもらったので親がいたらこんな感じだろうかと思っている。
試しにお父さんと呼んでみたらジャスパーが泣き出してしまったのでこの呼び方は使いどころを考えねばと頭を悩ませる結果となってしまった。
「…なんでジャスパーが泣いてんの?」
ターコイズが2人の様子を呆れたような顔で見ていたのでスイレンがお父さんって呼んだら泣いちゃったと説明。
昔からジャスパーがスイレンを娘にしたいという願望を抱いていたことを知っているターコイズはすべてを察した。
「スイレンが…お父さんって…」
「夢が叶ってよかったじゃない」
「私にとって2人って親みたいなもんだし」
「…スイレンがそんな風に思っていたなんて、私も涙出そう」
ターコイズも感極まって目元を押さえている。
久々に3人で他愛のない会話をして村に戻ることにはだいぶ日が傾いていた。
「おかえり、スイレンちゃん」
「ただいま」
駆け寄ってきたゲンとほほ笑むスイレンを交互に見たジャスパーの心境がとても複雑だったのは言うまでもない。
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