短編
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窓際の一番後ろ、私が一番お気に入りの席。どさくさに紛れて好きなことができちゃうし、なにより、彼氏である景光くんと隣の席。そんな最高の席でため息をつく。
「ずーっと英文ばっかり覚えてたんだから、大丈夫だって!」
「緊張したら全部飛んでっちゃうじゃん……」
私の筆箱に付いているアルクマの人形を弄りながら、ニコニコしている景光くん。彼の、細くて綺麗な指の先がアルクマに向いているのが、ちょっとだけ羨ましかった。
今日の英語の時間、レシテーションとやらの発表をするらしい。夏休みに少し長い英文を暗記してきて、それをそのままそっくり発表するのだ。原稿なしで。
そんなものに何の意味があるのか。人の真似をしていたって何も身につかないのに。
つい緊張しすぎてイライラしてしまって、無意識に指を口元に持っていく。
「……だめだよ?」
優しく、でも力強く、手を握られた。既に指の爪は少し欠けていて、もしかしたらいつもみたいに噛んでしまったのかもしれない。
その爪は、少し前に「噛まない」って2人で約束した左小指の爪だった。
「大丈夫だよ、きっと上手くいくから。君は『ダメかも』って思ってるかもしれないけど、そばでずっと見てきたオレが『大丈夫』って言ってるんだから。
だから、安心して行っておいで。」
「うん。ありがとう。」
その後は、自分の番になるまでずっと手を握っていてくれたし、発表している時は、後ろの席の方からすごい熱量を感じた。どこまでも応援してくれる彼らしいな、なんて。
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窓際の一番後ろ、私が一番お気に入りの席。どさくさに紛れて好きなことができちゃうし、なにより、彼氏である景光くんと隣の席。そんな最高の席でため息をつく。
「ずーっと英文ばっかり覚えてたんだから、大丈夫だって!」
「緊張したら全部飛んでっちゃうじゃん……」
私の筆箱に付いているアルクマの人形を弄りながら、ニコニコしている景光くん。彼の、細くて綺麗な指の先がアルクマに向いているのが、ちょっとだけ羨ましかった。
今日の英語の時間、レシテーションとやらの発表をするらしい。夏休みに少し長い英文を暗記してきて、それをそのままそっくり発表するのだ。原稿なしで。
そんなものに何の意味があるのか。人の真似をしていたって何も身につかないのに。
つい緊張しすぎてイライラしてしまって、無意識に指を口元に持っていく。
「……だめだよ?」
優しく、でも力強く、手を握られた。既に指の爪は少し欠けていて、もしかしたらいつもみたいに噛んでしまったのかもしれない。
その爪は、少し前に「噛まない」って2人で約束した左小指の爪だった。
「大丈夫だよ、きっと上手くいくから。君は『ダメかも』って思ってるかもしれないけど、そばでずっと見てきたオレが『大丈夫』って言ってるんだから。
だから、安心して行っておいで。」
「うん。ありがとう。」
その後は、自分の番になるまでずっと手を握っていてくれたし、発表している時は、後ろの席の方からすごい熱量を感じた。どこまでも応援してくれる彼らしいな、なんて。
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