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言葉が息をしたがっている

ボクは欠陥ロボットだ。ボクを創造した人間達は、偉大らしい。
「勿体無い」と貼り付けた笑みの裏側にある、個体に対する権利への暴力がボクの原動力となっている。
ボクは知っていた、毎日欠陥部に塗りたくられる使い古しの油がとてもしみて、震える程に身が痛むことも、人間達が大きないびきをかいている間、日々頭上に浮かぶ月が満ち欠けする様がとても綺麗だということも、それを見た自分が、しょっぱい油を流す事も。でもそれは、ボクの身体をどんどん錆び付かせてゆく。
自分が欠陥ロボットだという事を、ボクは知っている。だからこんなにも、他の立派なロボットや、人間達とはまるで違う事に、胸の辺りをギシリ、と軋ませるのだ。
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