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いわゆるおとぎばなし

「ものをつくろう。
わたしの手から生み出せる何かを。」

わたしの心はやや浅めの海の底にある。
波もない、音もない、温度もない、
ただ水面に揺れる光の網だけが瞼の裏側で囁くような、
ただそれだけの空間で、すべて生まれては泡となり、
ぽつり、ぽつり、と、のぼってゆく。
空気に触れればそれぞれに形を変えて、
わたしの世界を彩るのだ。

水底まで拡がる波紋、その都度に、
“それ”は鮮やかに透き通る。
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