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いわゆるおとぎばなし

言葉より先に 伸ばした手は
冷たい眼差しに 打ち払われた
行き場を失くしたその腕を
延々と噛み続けた

その日はどんよりと曇った空
仰げば吐き気を催す圧迫感
青に塗りつぶそうと
心から取り出したクレヨンは
いつの間にか色を失くしていた

例えば太陽がそこにあるのなら
わたしはそれに背を向けて
自らの影を見つめては嗚咽を漏らす
擦れ違う人は皆それを蔑視した

影から生まれる悪夢は
毎夜わたしを苛むのに
動けないんだ もう
上手く瞼を開けることすら

いつか迎えにいくからと
昨日の自分の背を撫ぜる
明日の自分はどんな風に
わたしの背を撫ぜるのだろうか
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