それが良い選択でありますように(スペルラ)

神様、神様と造り手生命体にそう呼ばれたのは何時からだろう、この星が滅びに向かって歩み始めてからだろうか?それとも……生まれた時からだろうか。
私は未熟だ、造られて尚知らない事が多いのだ。それでも、そんな私を神様と崇め縋る人々がいるならば、それは応えるべきであると考えるプログラムされている。
私は管理者として生まれたモノである。故に私自身のいる場所にたどり着くモノは滅多に居らず、居たとしても即座に追い出されてしまう。私自身は何も思うところは無いのだが、どうやら造り手生命体からするととても寂しく映るようだ。不可思議である、煩わせてはいけないと言いはしたがどうにも響いて居ないように見える、どうなるのだろうか。


少し前だと思っていたこの記録も補助が生まれる前の記録になっている辺り、時の流れというものは私にとって酷く小さな問題なのだろう。感覚がズレている、というらしいが時間と呼べるものを確認する手段は此処は多くない事を補助に伝えた所、どうやら外のモノたちに伝えるようだ。

「私は貴方を…造り手生命体と呼んでいる者たちとのコミュニケーションを円滑にする為に産まれました」
と初対面で言ってきた通りではある、それはそうと業務的でいいのかと聞いたら

「良くはありません、ですがお互いに会話モデルケースが余り存在するとは言えません……コレも伝えておきましょう。」
と返された、真面目になるよう造られているのか返答はずっとこの調子である。

「管理者様、おはようございます……と言っても、我々には睡眠など必要無いので起きっぱなしでしたが」

「多分だがね?君だけだよ……私は追加データを入れるために休眠状態スリープになっていたし……あとオーバーヒートを起こす可能性があるから休みなさい」
ほんの少しだけ時間が経った、時計が導入されたのでできる表現だろう……と思う。

「ほんの少し、彼らに近ずく事が出来れば...私は造られた意味を理解できるのだろうか」
ふと、生真面目を体現したかのような君に話してみる。

「...おそらく...残念ですがそのような事は無いかと、例えですが...私達は何万年も何億年も孤独で居ることに疑問を持つことはありません、彼等はそれに耐えうることができません。それはどうしようもないことなのです、目的も使用用途も異なる我々が...彼らに合わせることは出来ないかと」

「辛辣だ君は......でもそうかもしれないな、私たちと彼等は...寿命稼働年数」も異なれば廃棄のされ方も違う、分かり合えたとて私たちができることは少ない可能性の方が高い」

「...そうですね」

君は少しだけ申し訳なさそうな顔をした、そんな顔がさせたい訳じゃなかったんだ。ただ...君がふとした時にすごく悲しい顔をしているから話してみただけなんだ。
この話はやめにしよう、君だけが悲しくなってしまうのならば、私はこの星の管理者神様として救わなくてはならないから。悲しい顔をさせてはならないから。

...............
...........
「ふと、思い出したことがあるんだ」

「何でしょうか、我が主神太陽

「君を造ってくれた生命達にお礼を言えてなかったなって」

「...あんな自己中で、愚かで、気色の悪い者共にかける言葉はないと思っていましたが、その点であれば私も礼を言うべきでしょうね」

「やっぱり君は、辛辣だ」

「本心を言ったまでですよ」
半身はそう言って皮肉のような楽しそうな笑みを浮かべた。
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