9*鳳プールSOS
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「見てみてみんなーー!」
2人分のジュースを受け取り、鏡夜の元に戻ると
「ほらほら!ね?こんなに泳いでるのにおんなじ場所から全然進まないの〜!」
鏡夜と環、ハルヒに双子は流れるプールの近くに佇み、楽しそうに泳ぐ(?)ハニー先輩とモリ先輩を眺めていた
「だからなんなのだ…?」
「ディープなのか…?あの人…」
環とハルヒが何やらぶつくさと言っているが、その真意は掴めない
…ま、別にいいか
もう誰も席についていないテーブルにジュースを置き、部員の集まる方に足を進めた
「鏡夜、ジュース…あっちに置いといたぞ」
「あぁ」
ありがとう、と帰ってきたがそれは言葉だけで
視線がこちらに向かうことはない
メガネを中指であげた時に反射した光が目をかする
その眩しさからか、それとも胸の中の言葉では言い表せないその感情のせいか
こちらも鏡夜から目を逸らした
…きっと前者だ。と自分を納得させながら
「レーちゃん〜!!レーちゃんも一緒に遊ぼ〜!」
モリ先輩にまたがりはしゃぐハニー先輩に声をかけられる
「ふふ…是非…!」
このままここに居れば、鏡夜と2人っきりか
もしくは環と双子の水鉄砲合戦に巻き込まれかねない…絶対に嫌だ
自分の気持ちに正直に生きることを忘れず
ハニー先輩方に近寄る
すると、モリ先輩はプールから上がるようだった
チラとモリ先輩の後ろを覗くと
ハニー先輩は「1人でできるもん仕様」となっていて、楽しげにプールの流れに逆らっていた
「ふふ…バトンタッチどすね」
そう声をかけると
モリ先輩は、ふ…と軽く優しい笑みを浮かべ掌をこちらに向けて差し出してきた
その手にこちらもまた掌を向こうに向け、タッチをする
「ハニー先輩」
「レーちゃんも早くおいで〜!楽しいよ〜」
はいな、と返事をし
プールサイドに手をついてそろりと水に足を入れる
「ぉ…っと、結構流れが強おすなぁ…気ぃ抜いたら流されそう…」
「慣れるまで僕に捕まってていいよ〜?」
プールに入ると自分の胸の下あたりの深さで
ヨタヨタしてるとハニー先輩が近くによってきてくれた
ハニー先輩のお言葉に甘えて浮き輪に捕まらせて貰う
身体が慣れてきたところでこちらもまたバタ足で流れに対抗してみる
「…流れに逆らうっちゅうのも、楽しおすね」
「ね〜!楽しくて気持ちいいねぇ〜」
周りの騒音に似つかわしくない、ふんわりと和やかな雰囲気…
やはりこっちにきて正解だった
そう思った時
自分とハニー先輩を覆う影
「……………え?」
その影の正体を探そうと見上げれば
一面の青
…いや、この青さは空の青さではない
これは…
「麗先輩…!」
「光邦…!!!」
深い海のような青
気づいた時には水の壁は目前に迫っていた
咄嗟にハニー先輩を腕の中に抱えるがこの場から離れることは難しく…
そのまま青にのまれていった
***
「これがこの熱帯アクアガーデンのエリアマップだ、ここが我々のいる現在地、そしておそらくハニー先輩と麗が流されたと予測されるこのポイントに行くには…南ブロックの密林エリアを抜ける必要がある。......距離にして約800m」
その場のみんなでマップを取り囲み話すのは
ハニー先輩と麗先輩の救出作戦
「なんかこの密林エリアって、途中あやふやなところがたくさんありますけど」
「そこはまだ開発中のゾーンだ」
開発中って……と頬がひくつく
「…なんかワニより危険なものとか」
「いそうだよねぇ」
「よし、これはサバイバル作戦だ我々はこの密林エリアを無事突破し、ハニー先輩と麗を救出しなければならない!!」
環先輩がそう叫ぶ中、チラリと伺うのは森先輩の顔
無表情で大丈夫そうに見えても…やはり心配なんだろうな…と一人でに思った