9*鳳プールSOS
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「というか…なんなんだろう、この大袈裟な設備は…」
騒がしい双子から身を守るため、麗先輩の盾になりながらも、周りの鳥の声や、日差しに目を向ける。
「水遊びなんてビニールプールで十分でしょ」
「「ビニールプールって何」」
「えっと…このくらいの大きさで、ほら…空気入れて膨らませるやつだよ」
小さい頃によく使った自分の記憶にあるものを、身振り手振りで説明をするも
「バーカ」
「そりゃエアボートっていうの」
「そんな小さいのがプールな訳ないだろ」
「なー?」
「プールだよ…よく小さい子が水遊びしてるでしょ?」
双子にはうまく伝わらなかったみたいでエアボートと勘違いされてしまった。
エアボートはエアボートでしょうに…なんてこちらも呆れてしまう。
「馬鹿!ハルヒがプールだと思い込んでいるんだからプールでいいんだ…!ハルヒに恥をかかせるな!庶民のいじらしい知恵なんだよ…!」
「「えーだってボートはボートなのに〜」」
「なんというか…ものすごく不愉快なんですが…」
やっぱり金持ちにはわからないか…と肩を竦める。
「まぁ、プールって言うても、ビニールプールなんかハルヒにとったらほんまに“水遊び”程度のものやろうに」
「!…麗先輩はやっぱりわかってくれます?」
後ろから聞こえた言葉に思わず振り返ってしまう。話が合う…流石麗先輩…
「あぁ…俺も小さい頃はようビニールプールで遊んだしな…」
「意外と楽しいですよね」
「水遊び以外にも意外と使えんでな、スイカ冷やしたり…夏祭りでヨーヨー釣りの屋台手伝うた時も使うたわ」
「あぁ…確かに…そういう使い方もできますね」
麗先輩が夏祭りの屋台手伝い…想像はできるがすごい行列になりそうだ。
「あとはうちのわんこ拾うた時やら、身体洗うのにも使うたわ」
はは…と色々思い出して笑う麗先輩
ようやく機嫌が戻ってきたことに少し安堵する
「結構使ってるんですね」
「そやなぁ…もう一個買うとくかって感じるくらいにはな!」
そんな話をしていると麗先輩から視線を感じた
「…?」
どうしました?という意味を込めて首を傾げると
「…いや、なんか暑そうやなって思て」
あぁ、このパーカーのことか。納得し「環先輩に着ろって言われて」と事のあらましを説明した。
「へぇ…環が、ね」
「ば、馬鹿者ォ!俺は父として!保護者として当然のことをだなぁ!!大体!水着でも女の子は無防備に男の前で肌を晒してはいかんのだ…!!」
麗先輩の声を掻き消したのは話題だった環先輩で、双子がまた何か余計なことを言ったのだろう。双子相手に必死に弁解しているようだ。
環先輩が話していることは少し聞けば全体が想像できるような内容だった。
…まぁ、いつものことなのだが
とりあえず、双子がこちらを指差したことにより環先輩がこちらを振り返ったので、冷たい視線でも向けておこう…
「はぁ…なんや…絶対ハルヒの水着姿は可愛い思たのに」
「…?麗先輩?」
「ん、見れんで残念や思てね」
そう言って頭を撫でられる
…麗さんに言われたその言葉は、嫌な気は全然しなく、まるで兄にでも声をかけられているような、そんな気持ちがした
***
「ハールちゃんっ!あ!レーちゃんも〜!ココナッツジュースあげる〜!」
そう言って渡されたジュース、折角なので一口…
色々騒ぎすぎたせいか喉が水分を求めていたらしい。喉が潤される感じが心地よかった
「美味しいですね」
「えへへ♡レーちゃん!後でマンゴーケーキも一緒に食べようね〜!」
「ええ、喜んで」
そう言うと、ハニー先輩はハルヒの手を掴み、流れるプールに誘っているようで
「レーちゃんも一緒に行こう〜!」
と言われたのだが、後で行きますねとだけ残しその場を後にする
向かう先には、ここに部活メンバーを招待したであろう人物…鳳鏡夜である