8*小学生ホストの弟子入り
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「なんのつもりだ馬鹿キング!」
麗さんと別れてから、教室で見つけた嗣郎の写真をもとに向かったのはクラシック音楽部
実際に向かってみると、嗣郎は写真のようにピアノを弾いているわけではなく、ピアノを窓際で聴いているだけだった
俺たちに見せていた瞳とはまた違った
優しい瞳を、ピアノを弾いている少女に向けながら…
「バカはお前だ…!」
そして潜入した僕らを見つけ、怒る嗣郎を無理やりな形で連れ帰ったわけだ
「女を喜ばせる方法を教えろだ…?笑わせんな!いくら俺たちに聞いたって答えられるか…お前が喜ばせたいのは不特定多数の女の子じゃなくて…あの神城 雛…たった1人なんだろうが!」
嗣郎にかけるその言葉一つひとつは
普段の殿からは考えられないほどかっこいいもので
その言葉を聞いてもなお、もういい…と諦めかけている嗣郎に、殿は歩き出した
「今の課題曲…モーツアルトソナタ連弾用か…?」
その方向には
「え…?」
グランドピアノ
「この部屋…グランドピアノなんてありましたっけ…?」
ボソリ…とハルヒが呟く
まぁ、言いたいことはわからないでもないが…
「ここ、一応音楽室だから」
「そ、使ってないとはいえね」
殿の方を眺めながら、光、僕と、ハルヒの問いに答える
「音楽室だからな」
「音楽室だ」
「見えないところに、前からあったんだよ?」
鏡夜先輩、モリ先輩、ハニー先輩も同様に答えるとハルヒは頬を引くつかせた
「隠すのもうまいよなぁ、あんな大きいの」
続くように聞こえた声に驚き、その方を見ると
「麗さん…!」
「おかえり〜…って、なんで麗さんの方が帰ってくるの遅いのさ」
「ただいま…まぁ、色々とね」
…なんだか疲れた様子の麗さん
「麗さんもあんな風な猫被る時あるんだね」
「“僕”…とか、言ってるの初めて聞いた」
「……先生ってあーゆう、如何にも好感度爆上げしてます…って言う生徒が 大好きなイメージあんだよなぁ…え、ない?」
「「…ないとも言い切れないけどさ」」
先生に一体どんなイメージを持っているんだこの人は…
そんな話をしていると聞こえてきた旋律
麗さんも僕らも、自然とそちらに視線が向かった
その綺麗な音に引き込まれるように、嗣郎は殿の方によっていく
「…なんとかなりそうだな」
ふふ…と微笑む麗さんに釣られ
自分の口角も上がったのがわかった
その後、嗣郎のピアノ一週間集中大特訓が行われ
小さなお姫さま専用のホスト部が開かれた…
***
「それじゃドイツに行った雛ちゃんとは毎日メール交換を…?」
「まーね!」
無事に嗣郎と神城 雛ちゃんのホスト部主催パーティーが終わった後
嗣郎はしっかり、雛ちゃんをドイツに見遅れたようである
今日はその報告に来てくれたと言うことだ
そして…
「けど アイツ意外とヤキモチやきなんだよな
だから、こんなキレーなお姉さん達と仲良くしてるなんてヒミツな?」
「キレーなお姉さんですって…!」
「やーん!かわい〜♡」
「弟にしたい〜♡」
しっかりホスト部のキングに弟子入りし、得た技を持って…ただいま接客中なのである
「な…何故に、俺の客まで…」
物の見事に弟子に客を取られたキングこと環…
「女にモテんのなんて簡単だね
あっさり客取られて…
あんたホントにそれでも、ホストキング?」
挑発的な笑みに環もギャーー!!!と騒ぎ出す
「たまにカッコよく決めたと思ったけど!」
「所詮はこういうオチだったか〜!」
光と馨が笑いながら環を止めに入るも
今日はなかなか抑えるのが難しそうだ…
小学生ホストの弟子入り
「ふふ、結局、環にはこういうオチがお似合いってことだな」
さて…と、自分も今日1番に指名してくれた姫の元に向かう
人魚姫になれなかった、美しいフナに似た姫の元に…