8*小学生ホストの弟子入り
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「年齢的にはショタ系だけど」
「ハニー先輩と被るしねぇ」
部員が今、なんの話をしているのかというと
「己の素材を生かすことを考えろ」という環の発言の元、環の弟子(嗣郎という名前だと教えてもらった)のキャラ分析中なのだ
「ふぅう…僕もう邪魔…?」
「邪魔なんかやないどすえ、ハニー先輩がいーひんようなったら、誰が俺と一緒に甘味食べてくれるんどす?」
そうしゃがみ、言うと
「レーちゃん〜!!」と抱きつかれた
うむ…暖かい…
…すると
「ぬるいっ!ぬるいですわ!」
急にお出まししたのはキャラ分析を得意とする我が部のマネージャー(?)…れんげ嬢
「ホスト部の皆さんがこれほどまでキャラ分析にぬるいとは…私、少々呆れてしまいますわ」
「では、れんげくん…君なら彼の素材をどの様に生かす…?ショタ系は既に、ハニー先輩がいらっしゃるのだぞ?」
「そこがぬるいというのです!」
ビシッとこちらを指差し、また言葉を連ねる
「いいですか?確かに、低年齢層の少年や、童顔男に説明し難いときめきを覚える女の子をショタコン好きと言いますが、それはかなりアバウトな分類で、その好みはかなりデリケートに分類されております」
つらつらと語るれんげ嬢…
ある程度見慣れた光景に飽きてしまう
ふと隣を見ると、ファイルに何やら色々書き込む鏡夜…
「…随分勉強熱心なんですね?鏡夜くん」
なんて嫌味ったらしくいうと
「環がまた蒸し返した時に、楽だろう?」
「…さすが、影のキング…」
「お前こそ、影の参謀だろう」
いつも通りの軽口の叩き合いだ
「…ところで、割れたティーセットは」
「ハルヒの借金にプラスした」
「そこは環だろ、あんまりハルヒをいじめるなよ?」
そう言うと鏡夜から じっ…と見られる
……なんだよ
「……贔屓じゃないからな、元は環の弟子のせいだろ」
何た言いたげな瞳にそういうと
ため息をつかれる
「それに、環の方がすぐに稼げるだろ?」
鏡夜のファイルの中を覗き込む
俺はどこに指名率が書かれているのか知っているんだからな?
「ほら、やっぱり」
目にした数字にそう言って顔を上げると、思ったより至近距離に鏡夜の顔があり、僅かながらに驚く
すると
「ヤンチャ系で間違い無いでしょう!」
何やら判決が下ったようだ
***
それからというもの
ヤンチャ系の基礎を叩きつけられた嗣郎
半ズボン、膝や頬の傷、走りと転び、セリフ…脇から見ていると、これはホストなのか…?と思ってしまうほど
さすが、ハリウッドを呼び寄せ、ウキドキなんちゃらを実写化しただけあるな…と違う方向に感心してしまう
「もういいよ!」
ある程度れんげ嬢のイメージ通りに“ヤンチャ系”が出来上がったところで、そんな声がこだまする
「こんなんで、あいつが喜ぶわけねぇだろ…!」
「あいつ…?」
「あぁ、コラ嗣郎!これから応用テクニックの指導が…!」
師匠の環が呼び止める声も聞かず
走り去っていく嗣郎
「せっかくのレッスンが気に入らないとは、なんてわがままなやつ…」
「いや、気に入らんでしょう、あれは」
「本当に…それより、少し気になりませんか?」
散々なレッスンを思い出し思わず本音を口に出してしまう…
あれで掴めるのはここのホスト部に通うお姫さんの心だけだろう
「時間がないって…なんなんでしょうね?それに、あいつって言ってましたよ?」
嗣郎が走り去った方を見、ハルヒが疑問を口にする
すると環も思い当たる節があったらしく
口元に手を当てた
「んん…?」