8*小学生ホストの弟子入り
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騒がしい…
「ホモだ…!しかも双子で…!きんかんよーかんってやつなんだ…!?」
それを言うなら近親相姦…っていやいや、そう言うことではなく
部室の中心で騒ぐ弟子を見、ため息
「邪魔!お前何年だよ!なんで高等部の制服着てんの?」
そして最年長コンビにもこの言い様である
「ギャーーー!!巨人兵ーーーーー!!」
ホストとしての立ち振る舞いも何も合ったもんじゃ無いな…環は何を教えているんだ
と、思った先にこの発言である
「オカマですか…?」
…はい…?
耳を疑ったのは自分だけでは無い
環と双子もだ
「麗さま…?」
「どうかされましたの?」
「あぁ、ん…いや、なんでもあらへんで?かんにんな、よそ見して」
そう自分が接客している姫に向き直る
姫たちは「麗様の珍しいところが見られて嬉しいですわ…♡」と言ってくれたので安堵の息をつく
だが、心配になった己の耳は、どうしても向こうの音声を拾ってしまうようで
「じゃあ…重いから気をつけてね」
「本当に重いや」
その直後、ガシャーーッン!!!と大きな音が部室中に響き渡る
ギギギ…となりそうな首を音の方に向けると
やはり、音の原因は想像の通りで
「僕のせいじゃないからな、こんなことさせようとするお前が悪いんだ」
床には見るも無残な陶器の破片
紅茶の水たまり…
ティーセットを落とした本人は悪びれる様子もなく、あっさりとそう言いのけた
「ハルヒ、マイナス10万」
なのに痛い目に遭うのはハルヒなのか…
可哀想に…
「おい!雑用なんかオカマにやらせときゃいいだろ!それより早く、俺に女の喜ばせかた教えろよ!」
その発言で一気に頭の中が冷静になる
…いい迷惑だな、アイツ
「麗さま…」
「ん?どうしたの?お姫さん」
「環さまたち…大丈夫ですの…?」
あぁ、やっぱりそうなるよねぇ…接客を見せるどころか、弟子に振り回されてるんだもの…
すると今度はガラガラ…!!と言う音と共に天井から鉄格子が
…音楽室に似つかわしくない…
その中に閉じ込められた弟子はというと、「こら出せ!出せよ!これが可愛い弟子にすることかよ!」と喚き散らしている
…はぁ、今日はもう閉店かな?
***
「ほな、また明日ね」なんていい、姫たちを軽くお見送りし扉を閉める
「麗」
「あぁ、鏡夜…とりあえず、環の弟子がけったいなことする前に部を閉めたけど、よかったよな?」
「あぁ、完璧だ」
「ふふ…そらどーも」
鏡夜と一緒に部員メンバーの方に戻ろうと隣に並び歩く麗
2人が向かった先では
「じゃあ…!女を喜ばせるホストにしてくれるか!?」
檻に入った少年とこの部のキングが話している
…やっと教えてもらえる…!
その気持ちで少年はいっぱいだろうが
今日、その女1人を既に泣かせていることは自覚なしのようだ
「女を喜ばせることができないホストなど、ホストではない…!…良かろう、そこまでいうなら“ぁ…!!」
突如カッコつけていたキングが急に言葉を濁らせ頭を押さえながらその場にしゃがみ込む
目には涙、頭には疑問符が浮かんでいる
「…ふぅ、今日はお前と、お前の弟子とやらのせいでまともな接客ができてへん」
キングがしゃがんだことで目に映り込んだのは
…誰だ…?コイツ
嗣郎は首を傾げる
男にしては少し長めの髪…そしてその髪の間から覗く綺麗な顔
「これくらいの八つ当たり、許してくれよ?」
「え、あ…!麗…!?」
「さて、環の弟子くん」
「え”…!」
間近に来た綺麗な人
さっきのオカマとは雰囲気も違う…
女みたいだけど、男らしさも感じられるのだ
さっきこの部のキングを殴ったとは思えないくらい、清々しく、いい笑顔でこちらを伺ってくる
膝を折り曲げ、目線を合わせてくれるその様子で、恐怖心はなく、長い睫毛が作る影の美しさに見惚れた
…のだが
「む、ぐぅ…!!?!」
急に頬を鷲掴みにされる
今自分はとんでもなく間抜け面をしていることだろう
俺の頬を正面から片手で掴んでいるこの人は、先程までいい笑顔を向けてくれていた人なのだろうかと思うぐらい力が強い
「ふ…!?!?」
「ふむ…まぁ、双子がホモで、近親そーかんていうのんは あながち間違いでもあらへんさかい、それは置いておくとして…だ」
頬を掴んだまま話は進んでいくらしい
目の前の人は、特に悪びれる様子もなく淡々と言葉を発し
「ハニー先輩とモリ先輩、それとハルヒに対する発言はほめられたものじゃあなかったな?」
笑顔でそう問われる
「な?」と更にいい笑顔と低い声で念を押されれば、首は考えずとも縦に動いてしまう
「じゃあ、しっかり、誠意を込めて、謝れよ…?」
ずいっ…と近づけられた顔は、これまで見てきたどの人よりも綺麗なのに、どの人よりも怖かった…