6*閑話 [ご機嫌/ハニー先輩のうさちゃん]
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「やってしまった…」
その視線の先にはテーブル
そのテーブルの上には、倒れたカップ、撒き散らされた紅茶、そして…
「「殿がこぼしたんじゃん、僕ら知らなーい」」
「馬鹿者ォ!!!お前らがぶつかってきたんだろーが!!」
紅茶で汚れた、ハニー愛用うさちゃんのぬいぐるみ
可愛らしいピンク色は、紅茶の茶色で見事に濁ってしまっている
「だってハルヒが逃げるんだもーん」
「せっかく女装させて遊ぼうと思ったのに」
双子の言葉に環の耳はしっかり反応した
「女装…」
「「見たいでしょ?殿も♡」」
言いながらハルヒをギュ…と抱きしめる双子
はたから見れば仲睦まじい光景だが
中間にいるハルヒはいやそうな表情を隠し切れていない
「うああ!!見たい!見たいが しかし…今はそんな状況では!!つーかお前らっ!!どさくさに紛れてその手はなんだーーー!!!」
ハルヒから離れろォ!!と叫ぶ環と
その言葉により、余計にハルヒを抱きしめる双子
ハルヒをおもちゃに散々遊んでいるのが目に見えている
「…お客様もいないし騒ぐのは一向に構わんが
…いいのか?」
そんな中、鏡夜の声が周りを静かにさせた
「ハニー先輩が起きる」
ぴた。と、綺麗に止まる3人
残りの1人…ハルヒはというと、ハニー先輩のほうに歩み寄って行った
「高3にもなって昼寝ですか…って、麗先輩も…」
ブランケットに包まり、互いに身を寄せ合うようにして眠る2人
…いや、麗はハニーに抱きつかれているという方が的を射ている
「…2人とも、寝顔が可愛いですね」
ボソ…と溢れた本音
片方は幼児の様で…もう片方は美女のようだ
ふとハルヒが後ろを見ると、ソファに身を隠しながらうずうずしている3人が見えた
「……何してるんです」
「う“!!み、見たいのだが、見れないというか見に行きづらいというか…」
はぁ?と疑問符を浮かべたハルヒだが、ウサギのぬいぐるみを汚した罪悪感からなのだろうと納得をした
「まぁ、汚してしまったものは仕方ないでしょう…起こして謝るしか…」
「待て!!ハニー先輩に近づくな!!」
こっちに避難しろと小声ながらもしっかりと伝える環
ハルヒが「なんですか…もー」としょうがなく近くに寄ると
「いいか?これはあくまでも伝説なんだが…」
環と双子が真剣な面持ちで話し出す
「「「ハニー先輩は寝起きがメガトン級に悪い」」」
「…そんな、見たことないですよ、今まで…」
「今までがよかったからと言って、今日もそうとは限らない!!その上これは先輩が大好きだった亡きグランマのお手製という噂!!」
汚れたうさちゃんを見据えて話す
「常に持っている事から見てもかなり大事なものに違いあるまい!!そんなうさちゃんの変わり果てた姿を寝起きに見せたりしたら…」
「「「俺たちが変わり果てた姿に!!」」」
大袈裟にキャーキャーと騒ぐ3人組にもはや呆れるしかないハルヒ
「伝説とか噂とか…どこに確信めいたものが…」
「そして最大重要
ハルヒの言葉を遮り、環は顔を青くさせ さらに言葉を進める
「ハニー先輩はAB型だ!!」
「だから?」
AB型の人に怒られますよ…と顔の近い環を見つめ返す
「つまり…
鏡夜と麗と一緒だ!!!!!」
その言葉に雷が落ちたかのような衝撃が襲う
ハルヒも双子も頭を抱える
物凄い説得力だ…!!!と
「…お前らは俺が傷つかない人間だとでも…?」
鏡夜のその言葉はもはや耳に届かない
それほどまでにショックが大きいのだ
その後、散々イタコやらクリーニングやらハルヒの身代わりやらを考えてみたものの
「むー……」
もぞもぞと起き出すハニー
「いかん間に合わん!!っ仕方ない、身代わり作戦第二弾だ!!」
そういいハニーの元に置いたのは
環愛用のクマちゃんぬいぐるみ