5*女子マネージャー襲来
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「許婚ぇ?」「鏡夜先輩の?」
お客さんがいなくなり、今は部活後のミーティング時間…
部室に残る人物といえば、もちろん部員と
「はい♡宝積寺れんげと申します♡
明日から1-Aに転入することになりました♡」
嵐を持ち込んだこの子…
「ほら怒ってるよ…」
「お母さんがお父さんに隠し事してたから」
そう言う双子の視線を辿ると
またもや膝を抱え、部室の隅でいじける環先輩の背中が見える
…あの姿はもうスタンダードなんだろうな
「どうでもいいが、その夫婦設定は定着させていくつもりか?」
「ほして言ったら浮気やな」
家族設定には誰もツッコマ無いのか…
「愛人の立ち位置も取られちゃって、麗さんどうする?」
「やっぱり俺らと一緒の子どもじゃない?」
双子が楽しそうに麗先輩に話しかける
2人は意外と家族設定を楽しんでいるのだ
「いや、旦那の留守を狙って妻を寝取る宅配系男子も残ってる」
「「何それ、逆に新しい…麗さんの趣味?」」
「いや、今日初めて知った。クラスの奴にそんな内容のものを無理やり貸されてさ…見る?」
「「いや、微塵も興味ない」」
「奇遇だな、俺もだ。割って返そうと思う」
いや、一体なんの話だ…
そうは思っても聞く気は全くないのだが…
大体麗さんが標準語で話す時ほど
厄介なものはない…と付き合いが短いながらにも感じるものはあるのだ
「まさに一目惚れでございました…」
そんな中でも話は進んでいくらしい
「誰にも見向きされない裏庭の花を1人慈しむそのお姿に…」
頬を赤らめながら、うっとりと話進めるれんげちゃん
「傷ついた仔猫に優しく差しのべたその手に…」
嬉しそうに話すところ悪いのだが…
それは誰…??
「「まるでイメージできないんですが」」
双子の声に思わず首を縦に振ってしまった
「というか、それって」「キャラ的に麗さんでは?」
光と馨に並び、麗先輩の方をチラリとみると
視線を感じた麗先輩は手を軽く上げ、否定を示す
「いや…猫は拾ってない、犬は拾ったけど」
「「そーゆうことじゃないんですけど」」
そうするとなると…
「人違いでは…?」
「いいえ!この目に狂いはありませんわ!!」
自分の言葉を飲むような勢いで、れんげちゃんはまた語り出す
「誰にでも優しく、それでいて決して見返りを求めたりしない人…!!
孤独を愛し、だけど本当は寂しがりや!!」
さらに出てくるイメージのできないワードに
鏡夜先輩以外の部員の顔には
「それは誰のことだ」と言った動揺が見て取れる
「今をときめく恋愛シミュレーションゲーム!『うき♡ドキ☆メモリアル』の一条雅くんにそっくりなあなた!!!」
ビシリッ…!!効果音がつきそうなくらい、気持ちよく指を刺した方向には、やはり鏡夜先輩の姿…
しかし問題はそこではない
「うき?」
「ドキ?」
「メモリ…?」
ハニー先輩、自分、麗先輩の順で、
聞き慣れない言葉を理解しようと、耳に入った言葉を繰り返し口に出してみるが
まったくもってわからない
『オタクだ…!!』
「なる程キャラ萌え系か、萌えキャラに俺を当てはめ婚約者という妄想にまで及んだと…
おそらく雅くんというのは、眼鏡キャラなのだろう」
この状況を見て、一番冷静なのは鏡夜先輩だが、何故こんなにも冷静でいられるのだろうか…
様々な問いが頭の中で飛び交う
「いや、妄想って…じゃあ、お前の許婚って話は…」
「一度たりとも肯定した覚えはないが?第一、彼女とは今日が初対面だ」
…なら早く言えっての
部員の気持ちが一致した気がした
「調書によりますと、鏡夜様はこの部の一切を管理されておられるとか?」
「そーだよ!鏡ちゃん店長さんー♡」
「具体的には鏡夜先輩と麗さんね」
「いや、俺は補佐だからな?」
「店長様!!ぴったりですわ!!」
もはや彼女の頭の中には鏡夜先輩しかいないのだろう…
「私 お店の看板娘になるのが夢だったんです…!!」
「「いらないよ、ホスト部だから」」
「決めましたわ…!!私、このホスト部のマネージャーになります!」
聞いちゃいねぇ…
先程同様、まったく聞く気のない彼女
「おい…鏡夜」
「彼女は我が鳳家の大切な取引先の御令嬢だ、くれぐれも失礼のない様頼む」
そうお母さんに言われては
お父さんも何もいえず、項垂れるしか術がない
「皆さん♡よろしくお願いしますね♡」