4*身体検査にご用心
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「本当なんです……!!」
ハルヒを男子保健室へと送り出し、それぞれ保健室に、俺は教室に戻ろうとしていると
廊下が少し騒がしくなっていた
「お医者様の1人が…私の肩を掴んで、おかしな事をなさろうと…私とても怖かった…!」
「まぁ…こわい」
「変質者かしら」
この学校に変質者…?
そうは思うが、今日は人の出入りが激しいから、そういうこともあるんだろうと思う
「やっぱりそうか…」
「やっぱり…?」
「さっき見かけた男…白衣は着ていたが、明らかにウチの病院の医者じゃなかったので、変だとは思っていたんだ」
鏡夜の言葉を聞き、あの時か…と自分でも思い返す
「「だったら早く言ってよー」」
「まぁ、どうせすぐ警備員に捕まるさ」
「そうやな…じゃあ、俺はもう教室に」
戻るわ、という言葉は、かき消されてしまった
「それで、その変質者の男はどちらに…?」
「特別男子保健室の方に…逃げて行きました」
“特別男子保健室”…
その言葉が意味するものといえば…
『ハルヒ!』
***
設置された特別男子保健室…
ここか…と中に入ると
中にいた優しそうな女医さんが、着替え用のカーテンを教えてくれた
さっさと終わらせよう…
そう思い、制服を脱いでいくと
カーテンが控えめに開く音が聞こえ、振り向く
「あの…」
入ってきたのは白衣の男の人…
お医者さんだろうか?
とりあえず、ここは使っていることを教えようと声をかけると、焦ったように
「ち、ちがう…!騒がないでくれ」
口を押さえられた
その時…
「くまちゃんキーーック!」
環先輩の声と共に、吹っ飛んでいくお医者さん
みし…と嫌な音がしたけど、大丈夫なのだろうか…
「「ひとつ、人目を集めるこの美貌」」
「「ふたつ…不敵の大富豪」」
「みっつ、見にくいこの世の悪を」
「見捨てておけぬ、紳士道」
光と馨、鏡夜先輩と麗先輩、ハニー先輩とモリ先輩もそれぞれ登場し
何が何だか分からなくなる
「我ら、桜蘭ホスト部…」
「「「「ただいま、見参!!」」」」
声をそろえる(鏡夜先輩とモリ先輩と麗先輩以外だが)姿は戦隊ヒーローのようだ
そんなあり得ない登場に
「命ばかりは、おたすけをぉ…」
飛ばされた男の人は首を垂れる…
「…は?」
***
唐突に始まった藪医者の身の上話に
ついていけないわ…と欠伸をし、女医の方に向かう
大体こういったお涙頂戴系のものは環に押し付けるのが一番である
あいつの方が…親身になってやれるだろう
俺はというと…
いやぁ、騒がせてしもて、えらいすんまへんね
なんて、せんせとお喋り
「貴方、他の生徒さんと雰囲気が違うわね?」
「そお?んー… ま、あいつらとはクラスもちゃいますからね」
「へぇ…でも仲良しなのね」
ふふふ…なんて笑うせんせ
どこの病院ですか?俺の主治医にならん?なんてナンパ紛いのことをしていると
「…ぃっで!!」
スパン!といい音で頭をしばかれる
なんだよ…とそちらをみると、なんだか不機嫌な鏡夜
「あれで言いわけ?」
「だって、たとえあったって娘さんは、きっとあの人のこと見放したまんまだよ?」
耳に届いた双子の声に、窓の外を見つめるみんなの姿
その視線を追えば、藪医者はどうやら本来行くべきところに行くようだった
こちらにお辞儀を何度もし、足を学園の外に向かわせる
「それは、あの人は自分で確かめることだ…」
環の言葉には、真剣さが含まれていて
やはり…環はすごいな、と1人思った…
「すみませんが皆さん…出ていってもらえますか?」
桜並木を進む背中を見送っていると
ハルヒが言う
「は、ハルヒ!!まだ怒っているのか?
もしやホスト部を辞めるつもりとか…」
「身体検査の続きを受けなきゃいけないでしょ?男子生徒として」
そう微笑んで見せたハルヒ
…これは環に効果が抜群だ
環がハルヒに抱きつき、また一層騒がしくなる
身体検査にご用心
「さ…帰るか…」
俺らも身体測定あるし…
そういうと
「麗さん!次は身長の比べ合いしよー!」
「麗さんって身体薄いけど、筋肉あるよね〜体重どんくらいなの?」
両肩をがっしり捕まえられる
「いや、別に…今から帰れば、自分のクラスで測定できるから帰る」
「どうせなら測っていけ、そしてそのまま部活に直行だ」
「うっわ……何その地獄のコース」
…その日の部活では
今まで無かった、双子との指名が大多数という驚異を見せ
お客さんからは身体検査の話題で持ちきり…
そして、いつ撮られたのか分からないが
身体検査での双子とのやりとりがおさめられた写真が用意されていたことにより
それ欲しさに部員の写真集をセットで購入するお客さんが大勢いたとか…