4*身体検査にご用心
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「常陸院様…今度はこちらで胸囲の測定をいたします
脱衣には奥のカーテンをご利用ください」
看護師が丁寧にカーテンを促すも…
「別にいいよ」「カーテンなんてなくたって」
そういい、その場で…女生徒の目が多い場所で脱ぎ始める双子
もはや流石、と言うところだろうか…
キャーーー♡!!!
途端に黄色い声が辺りに響き渡る…
「実際、すごく評判いいんだよ…
この身体検査って言うイベントはね?」
「この学院の女子は…」
思うことは一緒だと、心の中でハルヒに賛同した
「許せないな…医者とはいえ、お前の身体に触れるなんて…」
「何言ってるのさ…いつも家で“お医者さんごっこ”とか言いながら…散々ぼくの身体、弄んでるくせに…」
これはもう出張版のホスト部だな…
去年もこんなことしていたんだろうか…
頬が引きつりそうになるのを必死に抑える
ここは、ホスト部常連客が多いのだ
「お前も測ってきたらどうだ?」
唐突に切り出す鏡夜
「……なんで急にそないなこと言うん」
「次いでだ」
絶っっ対、違うだろ…そもそも、別に1年ズと一緒に測らなくたって…
そう思っていると、ぐいっ…と腕が引かれる
引かれた先には悪魔の双子
…え“
「麗さんも一緒に測ろ…?」
「…何?恥ずかしいの?
…じゃあ、僕らが代わりに脱がしてあげる…」
光が後ろから抱きしめる形で両手を掴み
馨がボタンを解いていく…
「いや…ちょ、やめ」
流石にこれは、と思い
腕を振りほどこうとすると
「さっ!ハルちゃんこっち!」
「えっ…何!!……うわっ!」
白衣を着たハニー先輩とモリ先輩がハルヒを連行しているのが見えた
…時間稼ぎをしなくちゃいけないのか
そう理解し鏡夜をチラリと見れば、お客が見たら気絶しそうなほど爽やかでいい笑顔をこちらに向けている…
”腹を括れ“…と、そう耳元で聞こえた気がした…
「こないな人前で…恥ずかしわ…そやし、」
「恥ずかしがることなんてないよ…?」
やんわり抜けようとしたのだが、それも叶わず
全部ボタンを外されたことに焦る
光の力を振り払って、シャツの前を重ね閉じるが…
「そうだよ…こんなに綺麗、なんだから…」
2人掛りでシャツを剥ぎ取られる
先ほどより大きくなる女生徒たちの声に
今までこちらを気にしてもいなかった奴らや、男子までもがこちらを見てくる
「…麗さんの肌、本当に白くて綺麗だね」
腹筋まで綺麗…と溝を指でなぞる光
く、すぐったい…のをなんとか耐え、光の腕を掴み静止をかける
だが…
「本当…雪みたい」
その言葉と共に、馨が背中をなぞり
「ま…、んぁ…っ…つ!!」
背中から小さなリップ音が聞こえ…
唐突のキス
思わず出た声に、手で口を抑える
『……』
周りが嫌に静かだ
………これはかなり恥ずかしい
顔が少し熱い…赤くなっていたら恥ずかしいと、口を抑えたまま俯く
「聞きまして…??」
「えぇ…聞きましたわ…」
「なんて艶のあるお声なのかしら…!!」
あ“あぁ〜〜〜!!!くっそ!!!!
次々と聞こえる女子の声
いや…その言葉の内容に、顔の熱がグンと上がる
背後で1ミリも動かない双子の存在が、少し怖く感じ
「あの…背中は、弱いから、やめて…」
そっと…振り向きながら、女子の方には聞こえない程度の声で言う
「「…………へぇー」」
…あ、やばい
墓穴掘った
「「それって」」
「藤岡さま…?胸囲を測定いたします。お仕度がすみましたら、こちらへお願いします」
双子の言葉に、ハルヒが押し込まれたカーテンに声をかける看護師の声が重なる
「きゃー!今度はハルヒくんよ!初めてみるわ…!」
そちらの方に視線が移る…
それにホッとしている自分がいる
…まぁ、まだこちらをチラチラと気にする視線もあるが
「藤岡様?お仕度は済みまして?」
カーテンに注がれる期待の眼差し
そして、カーテンが開かれると、そこには
「はい…藤岡、ハルヒです…」
……これが、作戦…?
「アレ、環様…?」
「どう見ても、環様よね…」
「ハルヒくんのコスプレ…?」
「環様…なんのつもりかしら」
ハルヒそっくりの…ウィッグを被った環
「「ぎゃはははは!!!!」」
「本当にやったよ!この人!!」
「バレるっつーの!そりゃバレるっつーの!!」
大笑いする双子
それに我に返った環は、顔をみるみる赤くさせ
ウィッグを床に投げつける
「お、お前らぁ!!絶対にバレないって!お前らがっ!お前らがぁっっ!!」
「ホモホモ要員呼ばわりされたささやかな復讐でーす!」
光と馨に掴みかかる環
女生徒も、騒ぎに興味を持った他の奴らも
全ての視線が騒がしい方に向かっている、今のうちに…
そう思い、静かにその輪から外れると
「っん…ぅ…、……鏡夜…?」
無防備な背中にヒヤリとした感触
再度出そうになった声を既のところで押し殺した
この手は…と、振り向くと、やはり…
「…シャツ、着るだろ?」
触れた手と反対の手には、自分のシャツ
「……おおきに」
「不服そうだな」
「そりゃあな」
シャツを受け取り、埃がついていないかを確認する
「ふっ…背中が弱い、なんて…いいことを知った」
言葉と共に、再度 背中を滑り降りる指
「…っ!やめ、ろよっ!」
「…」
何もおもろいことないわ…と
面白がっているのだろう鏡夜の足を軽く蹴る
「…顔、赤いぞ」
「しゃあないやろ…お前の手、冷やこいんやさかい、背中やなくて顔に貸せや」
シャツを羽織り、大雑把にボタンを閉めると
背中に触れらた方の、鏡夜の手を今度は俺が掴んでやる
そのまま、俺の頬に当てる
丁度良い冷たさが、顔の熱を冷ましていく
「……ひやこい」
鏡夜の親指が頬を滑る
「………俺は保冷剤じゃない」
「わかってる、もうぬるくなった」
もういらんわ、と手を放ると鏡夜の顔がひくつく
わざと見ないフリをした…
「はぁ……ほら、さっさと行くぞ」
何か言いたげだったが、飲み込んだのか
放られた手で俺の腕を掴み、歩き出す
されるがままに後ろを歩き、ハルヒのカーテンにつくと、ため息をつくハルヒと風化する環が見えた
「では、ハルヒ…別の部屋に特別男子保健室を設置して、口止めしたドクターを待機させてあるから」
「今日集まった医者って、全部 鏡夜先輩ん家の病院から来てんだって」
「鏡夜先輩も、早く言えばいいのに」
「お前たちと同じだ。俺も、ホモホモ要員呼ばわりのささやかなお返しさ」
…また嫌な笑顔を浮かべおって
横目でその顔を拝んでいると
「「麗さーん?」」
双子が顔を覗き込んでくる
「何?」
「ありゃ」「やっぱり怒ってる」
「そら怒るわ…人ん身体、好き勝手に弄いよって…」
そっぽをむき、いじける
「「ごめんってば〜」」
「…着流し2着」
「「喜んでプレゼントさせていただきます」」
「ほんなら許す」
そういい、緩やかに微笑むと
双子も目を大きく見開いた後、笑顔を見せた
…何故だか、またお客さんの黄色い声が上がった
喉強いなぁ…全く