4*身体検査にご用心
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ー只今より…身体検査を実施します。
生徒の皆さんは、各校舎の保健室へ、移動して下さい…ー
どんな放送だ…そうツッコまざるを得ない状況に苦笑いを溢し、今回の作戦を理解してるであろう双子に声をかける
「それで?作戦のフォーメーションAってなんなの?大体、この桜蘭の身体検査ってどんなことするの?」
金持ちの思考は、時として理解不能なのだ
「身体検査はどこでも普通に身体検査だろ?」
「こうゆうのに貧富の差って、あっちゃまずいんじゃない?」
「そっか…そりゃあそうだよね」
帰ってきた答えは、わりかし普通で
自分の中でも納得し、保健室の扉を開ける…と
『いらっしゃいませ』
こ、これは…何…
前言撤回、やっぱりわかりません
***
「早乙女ー、放送なったぞ」
「あ…?んだよ、また寝てんのかぁ」
強めに揺すられる肩に目を覚ます
ぐぅ…今日はもう起きられないってことでダメ…?
そんなことを考えている間にも、麗ーー!起きろ〜!!と背中を叩いてくる…痛い…
「………起きてる」
「いやまだ寝てんじゃん!」
顔を起こさないまま呟くと、またバシバシと叩いてくる…
絡みやすいのはいいんだけど、いかんせんこのクラスの奴らは力が強すぎるんだよなぁ
「ん…てか俺、今回は違う保健室行かなきゃなん」
「は?なんで?」
昨日の時点で先生は説得済み
まぁ、ほぼ、脅しに近いような形だったが…
それはまた今度の機会に…
「…はは、部のこわーい眼鏡が俺んこと大好きでなぁ、うるさいんよ」
説明するわけにもいかない…そしてそれを隠すのも、またじゃまくさい…
軽く流そうと、適当言うと
「お前女顔だもんな」
「誤解されて襲われてても違和感ねぇよな」
「むしろ俺、未だに疑ってるわ…一回脱いでくれねぇ?」
「…はは、そろそろ大概にしい…?どつくぞ」
コイツらは…
声のトーンを低く落とすことも忘れず、告げる
すると、謝罪の言葉が瞬時に出てきたので
大目にみてやることにした
「…じゃ、行ってくるわ」
嫌々ながらに席を立つと、「頑張れよ〜」と背中に声をかけられた
それに片手を振り軽く応じて、Dクラスを出た
***
「ハニー先輩…!モリ先輩…!?…バレバレだ…」
白衣を着て、眼鏡をかけた2人の先輩に苦笑い…
すると…
「2人は、何かあった時の対処要員だよ」
そう説明をしてくれたのは鏡夜先輩
ちなみにその後ろにはつまらなそうにしている麗先輩もいる
「あの変装の意味は…?」
「雰囲気作りだな、いかにも作戦らしくて、盛り上がるじゃないか」
「はぁ…」
鏡夜先輩でもそんなこと言うんだなぁ…
となんとなく思っていると
「…俺、えろう居心地が悪いんやけど…帰ってええ?」
「…」
すすす…と居なくなろうとする麗先輩を、無言で掴む鏡夜先輩
「白峰の君…昨年より2kgもお痩せになっておられる…!」
「わぁ〜!絶対太ったと思ってましたのに…!」
「いやいや、もう少し健康的でもいいくらいですよ」
ふと聞こえた、身体検査とは思えない会話に視線を移すと、看護師の拍手に囲まれる女生徒の姿
「それにしても…この過剰な接待ぶりは一体…」
「理事長の配慮だ、学校といっても商売だからな…生徒の機嫌取りが最優先。
第一、この学院の生徒なら、ほとんど各家庭にお抱えのドクターを持っているし…こんなの、形式的なイベントだよ」
金持ちどもめ…
貧富の差…あるじゃないか…と内心愚痴る
「こら慣れへんと思うわ、俺がそうやったからな…」
鏡夜先輩の腕を振り払い、逃げてきたのだろう麗先輩…
あれ、そういえば…
「麗先輩って…鏡夜先輩たちと違うクラスだって聞きましたけど…」
「そうだよ?今日やって、ほんまは違う保健室なんに…呼び出しくらって、わざわざせんせ達ん許可取ったんよ」
「…それは、なんか、すいません」
迷惑をかけてしまった…そう思い、麗先輩に軽く謝罪をすると、頭にポンと、手が載せられる
…麗先輩は頭を撫でるのが好きなのだろうか
「いや、ハルヒが謝ることじゃ…って、鏡夜?どないしたん?」
麗先輩の言葉で振り返ると、鏡夜先輩が後ろで立ち止まっていた…
何かを目で追っているようにも見えるが
「いや…別に」
「じゃあ、早く行くぞ」
特に気にすることでもないのだろう…
そう感じ、保健室の奥の方に足を進めた