3*高校生ホストのお仕事
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「クイック、クイック、スロー…
クイック、クイック、スロー…
よくって?ハルヒくん、スローで足を揃えるの」
ホスト部営業中…ではなく
今日はハルヒのダンスレッスンのため、早く部を閉めたのだ
軽やかなリズムと不慣れなリズムが床を叩く
ハルヒの練習相手になってくれているのは春日崎奏子…通称、春日姫である
「「たそがれてんな〜殿…」」
「何してん?…あんバカ殿は…」
「自分が練習相手になりたかったんだって」
「身長的にハルヒの女役なんて無理なのにさ」
光と馨が面白半分、呆れ半分で口にする
「いや、絶対あいつはハルヒに女役の方を教えようとしとったやろ…」
もう馬鹿…馬鹿の極みである
窓辺で、相変わらず濃い影を纏い
たそがれる環を横目で見ていると
「「てかさー」」
「ん?」
「「麗さん結局ダンスパーティー出るんじゃん?」」
鏡夜先輩にはやっぱり敵わないのか〜
なんて、聞き捨てならない言葉が聞こえてきた
「聞き捨てならへんな…
別に俺は出なくてもええんよ?そやけども…
俺が出なきゃハルヒの借金を倍にするって魔王が言うんやもん、かわいそうやろ?」
ダンスパーティーへのハルヒの参加が決まり、
あとは俺だけとなった時…
ボソリと
「麗が出ない分、ハルヒには頑張ってもらわなきゃいけないな…それこそ、借金が倍になるくらいには…」
と悪魔のささやきが聞こえた
もちろんそれを聞いたハルヒは顔面蒼白
そんな顔で俺の腕をがっしりと掴み
口をパクパクさせ、青い顔、涙目で首を横に振るもんだから
これはかわいそうでしょうがないと言うやつで…
「はは、なんだハルヒ、口をパクパクさせて…金魚みたいでかわええなぁ」
青い金魚なんて珍しなぁ
そんな言葉で軽く流せるものでもなく…
結局ダンスパーティーに参加せざるを得なくなったと言うことだ
「ふ〜ん」
「なーんか麗さん、ハルヒに甘くない?」
「そう?特別優しくしとるわけでもないんやけど」
「いいや」「優しいね!」
ずるいずるい!贔屓だーーー!!!と抗議の声
を出す双子
いや、そんなん言われてもなぁ…
「「ハルヒが女だから…?」」
うーん…と考える、確かに女の子だけど…
でもそれだけで接しているわけではない
「あ」
「「何??」」
なんとなく、なんとなくだけど…
「俺の家におるわんこに似とるからかなぁ」
「麗さんの犬?」
「似てるの?ハルヒに?」
「ん〜…髪の色と、毛の柔らかがむちゃ似てるわ」
「「そんなの理由になりませーーん」」
結局納得いかんのかお前らは
と内心溜息をつく
「何?新人後輩を可愛いがって何か悪いん?」
少なくとも、お前らのことも可愛がってるつもりはあるぞ
「「別に…そんなことないけどさー」」
ないけど、なんなんだ
そう言ってもきっと、しっかりした返事は返ってこないのだろうと放っておく
バタン…と、扉の音が聞こえ、そちらに視線を向けると、どうやら春日姫が帰ったようで
「それでは、対策を検討する」
また始まった…お節介
「我が桜蘭ホスト部は、女の子の幸せのために
存在するのだっ…!!」