4*身体検査にご用心
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「……なぁ、母さんや」
唐突に始まる小芝居…
鏡夜もささやかな抵抗のつもりなのか
その小芝居に乗る
「何かな…?父さんや」
「なんや、そのオモロイ設定は…俺は2人の子ども?それとも愛人?」
「いや、麗さんのその発言の方が…」
「かなりオモロイ要素なんだけど?」
いや、冗談だから誰か笑ってくれよ
そうは思うが真剣な環には届かないようで
「これはあくまでも…そう、あくまでも仮説だが…
部活の時だけ一緒にいる俺より、同じクラスにいる光と馨の方が、ハルヒと過ごす時間が長くて、しかも…!より仲良くなるチャンスが多い…なんてことは…」
「なんだ、今頃気づいたのか」
あまりにもはっきり言う鏡夜の言葉で
雷が落ちたかのような反応をする環…
「1日のうち、在校中の約9時間をあの3人は共にしているが…お前とハルヒの接触は、たかが部活の1〜2時間…」
わざわざグラフを出して、丁寧に説明する
その丁寧さが、逆に傷口に塩を塗っている…と言うことは、きっと気付いているだろう
アイツは…鏡夜は、そう言う奴だ…
「言い換えれば、お前がハルヒの人生に関われるのは、たったの3%ぽっちと言うことに…」
「うあぁあ!!!!聞きたくないききたくなぁーい!!」
ついには聞くことを放棄する環
もういっそ哀れだなぁ
「ハルヒよ…!!そんな如何わしい双子とっ!これ以上付き合っちゃならねぇ!!」
「如何わしいだって!?」
「殿に言われたくないよねぇっ!」
「そうだ…あぁ…そうなんだぁ…
…やはり、お前が女であることを皆に隠してるのがいけないのだ!」
「いやそうさせたのお前な」
「本来の女子生徒に戻り、女友達に囲まれて、健全な学生生活を送ってくれることこそが!
この父の願いだぁっ!」
「誰が父ですか…」
俺の言うことにもハルヒの言うことにも耳を貸さず、どんどん暴走していく環
「さぁ!戻れっ!今戻れっ!!すぐ戻れっ!!!」
ハルヒの肩を掴み、ぶんぶんと揺さぶる
それでも落ち着いているハルヒを見ていると
「随分慣れたな…あの子も…なんか不憫にすら思えてくるわ…」
「適応能力が高いのも問題だねぇ〜」
近くにいるのも何なので、ハニー先輩のところに行き、
「ん…こんお菓子ん、美味しおすね…」
「美味しいよね〜!ぼくはもっと甘いクリームが好きだけど!ムースも好き〜!」
ラズベリームースのお菓子は、甘いと言うよりも甘酸っぱく…舌の上で溶ける感覚がする…
「レーちゃんのは何味?」
「ん?ラズベリーですね」
「ひと口こーかんしない?ぼくの方はね?チョコレートなの〜!」
目の前に出されるスプーンには、ムースと生クリームが可愛らしく乗っている
では…と、口を開ければハニー先輩は
うふふ〜と微笑みながらスプーンを入れてくれる
スプーンを口内に招き入れ、ムースを味わう
「チョコもなかなかええですね…」
甘いけど…
「じゃ…ハニー先輩も、はい…どうぞ?」
「へへへ!あー…ん!」
こちらもスプーンにムースと少し多めの生クリームを乗せ、ハニー先輩に差し出す
「レーちゃんの方も、美味しいねぇ〜!!」
頬を両手で包む幸せそうにするハニー先輩に、こちらも笑みが溢れる
そんな中…ハルヒの周りでは、一波乱起きそうな会話がされていたのだった
「そんな焦んなくても、どうせ近々バレるって」
「ほーら、明後日身体検査だし〜?」
双子の落とした爆弾を、吟味するように噛み締める環や
「身体…検査…?」
「そういえば、明後日だったか…」
手帳を確かめながら…ボソリと呟く鏡夜とは裏腹に
「それは、バレますね、流石に…女だって」
当の本人からは危機感が感じられなかった…