1*Eye Opener アイ・オープナー
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「…それと、そいつの嫁にも目をつけておいたほうがいいわね、なにせ夫の為なら何でもやっちゃう人だから…」
話をしながらも、流れる手つきでカクテルを作っていく夏目
一つひとつの動作に無駄がなく、仕事でもなければ思わず見入ってしまうことだろう
聞きたいことをすべて聞き終えると、本日何本目かの煙草を口に加える
ライターは、とポケットを探していると
「どうぞ?」と火を差し出される
「…サンキュ」
完璧なその対応に
…ほんと、どこのキャバ嬢だよ
と内心毒吐く
「夏目さん、キャバで働いたら上位目指せやすぜ、きっと」
総悟と同じことを考えていたらしい、…なんか腹立つな
「あら…金で動く程安い女じゃないのよ、私は」
「ハハッ、違いねぇや」
ライターをコトリ…と置き、灰皿を自分の近くにセットしてくれる夏目
…抜かりねぇな
「はい、山崎さんの分」
「え‥ありがとうございます!いいんですか?」
煙草の煙を溜息と共に吐き出すと、夏目が山崎にカクテルを渡す
山崎も嬉しそうにカクテルを受け取っている
…表情が綻ぶほど、確かにここの
夏目が作る酒は美味いのだ
「えぇ、アイ・オープナー…『目を見張らせる物』…なんて、山崎さんにぴったりじゃない?」
きっとカクテルの名前だろう…細かいとこまでよくやるな
「『目覚ましのための一杯』なんて呼ばれてもいるのよ?…監査、頑張ってね?」
ふわりと山崎に微笑むその顔は、夜には到底合わない顔だ
山崎も、夏目のその表情に、酒に口もつけていないくせに顔をほんのり赤らめている
「…山崎さんは、“カクテル言葉”って知ってるかしら?」
「カクテル…言葉、ですか…?さっきの『目を見張らせるもの』…?って言う?」
「ふふ♡それはカクテルの名前、カクテル言葉はまた別」
楽しそうに話す2人
…夏目が出す空気が甘ったるすぎて胸焼けがしそうだ
「アイ・オープナーのカクテル言葉は『運命の出会い』…よ?」
なんだか素敵じゃない…?
と山崎の手の甲をするりと指で撫でながら
うっとりとした視線を向ける夏目
クッソ…なんで山崎なんだ
妙にイライラする、そんな心の声を流すように
山崎のもとに置かれた酒を飲み干した
…その後、案の定夏目に怒られたのは言うまでもない
Eye Opener アイ・オープナー
「むぅ…もう帰っちゃうのね、山崎さん」
「…もう十分堪能させてやっただろ」
十四郎さんの肩にもたれかかる山崎さんを見て
…飲ませすぎちゃったかしら?なんて
……でも、そんなに強いお酒は出していないんだけれど
「……あーあ、ザキの野郎、完全に夏目さんの色香にあてられてやすねぇ」
「屯所の廊下に放置すればそのうち目ェ覚めんだろ…帰るぞ、総悟」
「指図すんな土方シネ」
「え?どんな言われよう??」
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