BOYS BE xxx
突然だが、俺にはすっげー可愛いしかも美人な恋人がいる。
なんで、敢えての恋人と言う呼び方かと言うと…俺もその相手も男だからだ。所謂、道ならぬ恋。同性愛。
そう言われる部類に入る関係。
元々、俺はノーマルと言うか普通に女が好きだったけど
ある日高校一年になって初めての授業、新しいクラス。
それまで、知らなかった奴らとの出会いに柄にも無く緊張していた俺に話しかけてくれたのが、咲人。そう…今の俺の恋人だ。
咲人を一目見た時に、胸の中がぎゅーって鷲掴みにされたような感覚になった。小学生の頃に、担任の若い女の先生に感じたものと同じような感情を、その時俺は咲人に抱いたんだ。髪の毛は、薄い茶色で、身体は華奢で同じ男とは思えないくらい細い腰。白い肌。それに、ほんのり垂れ目が可愛かった。俺は、あっという間に咲人に恋に落ちて…
しばらくの間は、悩みに悩みまくり。だって、男が男に惚れてるなんてよ。普通は、引かれるだろうし…下手すりゃ嫌われて変態扱いされんのがオチだ。だから…
俺は、とにかく咲人と〝友達〟として仲良くなることを最優先かに考えることにした。咲人の中で、俺が一番の親友だと考えてもらえるように。だから、すっげえ優しくしたし、なんかあったら絶対話を聞くようにしたし、咲人が欲しいってもんは出来るだけ与えるようにした。
(バイト代入れば咲人と飯食いに行ったりな。)
そんな日々を過ごしているうちに、季節は流れ俺らは二年生になって。奇跡的なことに、同じクラス。これは、運命かもしれないとマジで思った。咲人も
「俺たち、また一緒だね。」って嬉しそうに笑って
そう言ってくれて…その頬が少し赤らんでいたように見えたのは俺の気のせいだろうか?
新学期が始まって、少しした頃…咲人から「大事な話がある」と放課後に呼び出しを受けた。俺は、そりゃ期待半分。不安半分。まさかの「彼女できました」宣言とかじゃねぇよな…だったら泣くぞ…俺。しばらく立ち直れる気がしない。何となく、嬉しいような怖いような…
そんな気持ちを抱きながら俺は咲人が待っている放課後の音楽室に向かった。(咲人は軽音部だ。ちなみに俺はバスケ部な)
夕日が差し込んでいる教室のドアを開けると、そこには
咲人がピアノの前の椅子に座って窓の外を眺めている姿があった。オレンジ色の光に照らされている、その顔が綺麗で…俺は見惚れてしまった。すると、咲人が俺の方に気づいて視線を向ける。その頬は、やっぱり少し赤く染まっているような気がした。夕日のせいなのか、それとも…
「ごめんね。呼び出しちゃって…」
ピアノ前の椅子から立ち上がり、ゆっくりと俺の方に近づいてくる咲人。その顔は、少し俯きがちになった。
「や!いいって、全然!どした?」
何か、言いづらいような事情があるのかなんなのか咲人は俯いたままで、俺の方を見ようとしない。
どうしたんだろう…何か、あったのだろうか。それとも俺が知らないうちに、咲人の気の触る事をやらかしてしまったんだろうか?それなら、謝るしはっきりと言って欲しいところなんだけど…
しばらくの無言状態が続いたのちに、決心したのか咲人がゆっくり顔を上げて俺の方に近づいてくる。
…なんなんだろう…。咲人は、俺に何を言いたいことがあるんだろうか。その答えが近づいてくるにつれて、俺は少し不安になった。
「あのね…にいや…今まで、誰にも言えなかったんだけど……新弥になら、話せるかなって…俺の話、聞いてくれる?」
「あ、お、おう…俺でよけりゃ、聞くよ!」
そんなに、深刻な話なんだろうか…一体、咲人は何をそんなに悩んでいるんだろうか…でも、俺には話してくれるって言うなら俺は咲人に信頼されているんだろうと多少自惚れてみてもいいかもしれない。
「…あ、あのね…俺……」
一瞬の空白のあと、
「俺、喉の奥が性感帯みたいなんだ……」
……………………は?
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