sweet nightmare?





二度あることは、三度ある。よく言ったもんだと思う。
俺の前に現れたあの淫魔は、どうやら俺の姿に化けて新弥の前にも現れたようだ。
…何してくれてんだか。
どんな手使ったかわからないけど、俺と同様に新弥の精気も吸い取ったんでしょ?
新弥の顔が真っ赤になってたくらいだったから、相当な…を使ったに違いない。
俺にも教えてほしいくらいだよ…って、いかんいかん。本音が出た。

あれから2人でしばらく話をした後で別れた。
いや、俺としてはさ…2人で過ごせたって事は凄く嬉しくてそれはそれで良かったんだけど。正直、何とも言えない部分はある。
胸のなかにモヤモヤが残るような、独特なあの感じ。

自分の部屋に帰ってきてから、小さく溜め息を吐いた。あー…ダメだ。こんなんじゃ。
もうすぐで、ツアーも始まるって言うのに。
新弥の事で意識が占められてしまう。
仕事の事考えなきゃ、、、

シャワーを浴びて、ベットに入ってウトウトしてきた頃…また足元の方に気配がした。
多分、アイツだ。


「やっほー。久しぶり。」

やっぱり…。俺のベッドの足元の上、座り込んでいるのは見覚えがある新弥にそっくりな淫魔の姿。

「…俺、もうすぐでツアーだから、お前に構ってる暇無いんだけど…」

そう。俺は、もう少しでツアーが始まる。
正直、コイツに精気を吸われてしまうとツアーどころじゃなくなってしまう。

「違う違う!今日は、違う用事で来たんだって。」

「…何。ってか、眠いんだけど…。」

用事があるなら、早く済ませて欲しい所。
でも、淫魔のコイツが精気を吸いに来た以外の用事ってあるんだろうか?ほんの少し、興味が湧いてきた所でコイツはとんでもない爆弾を落としてきた。

「俺の恋人が、あんたの好きな男んとこに入り浸ってんだよ。何とかしたいから、手伝ってくんね?」

ーーーーは?

「あ、因みに俺の恋人って俺と同じ淫魔なんだけどさぁ。あんたに似てるかもしんねぇな。
にーやって言ったか?ソイツの精気が美味いからって、入り浸って困ってんだよ…ほっといたらにーやが死んじまうぞ。」

ガバっと、文字通り飛び起きるような勢いで俺はベッドから起き上がった。
精気を吸われすぎて、新弥が死んでしまう?
そんなふざけた事、誰がさせるか。

「……わかった。手伝う。」

何が何でも、引き離してやろうじゃないか。
それと、恋人ならちゃんと捕まえとけってんだ。このバカ淫魔。
こうして、俺はこの新弥そっくりな淫魔と行動を共にする事にしたのだった。
3/4ページ
スキ