単発
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「どうりで静かだと思ったら……」
僕がホットミルクを入れている間にソファーで眠ってしまったらしい。
ほんの数分前まで、花を咲かせるようにくるくる表情を変えていたその顔は、すっかりあどけない寝顔へと色を染めている。
本来なら結月はもう寝ている時間だし、昨日は僕の、今日は自分の誕生日のためにはしゃぎ疲れたのだろう。
僕は彼女を起こさないようにそっと隣に座った。
時折、「てんくがぞうになっちゃう………………」という声が聞こえるが、どんな夢を見ているのだろうか。
結月のことだから、きっと愉快でそして優しい夢なのは間違いない。
そして、その夢の中に当たり前のように僕がいることが嬉しくて、ついつい頬緩ませてしまう。
きっと、今の僕の顔を楽なんかは「珍しくだらしない顔してるぞ」と揶揄するだろう。
それくらい締まりのない顔をしている自覚がある。
でも今は〝アイドル〟の九条天ではなく、ただ1人の男の九条天だから。
できるだけ揺らさないように結月を抱き上げ、真っ白のシーツの上に下ろし、僕もその隣に横たわる。
TRIGGERがどんなにどん底に堕ちても、結月が懸命に励まし傍で支えてくれた。
それが何よりも嬉しかったし、頑張ろうという決心を固めさせてくれた。
僕は結月にどれくらい感謝を返せているのだろうか。
きっと全然返せていない。
でも僕と結月の人生はまだほんの始まりを歩み始めたばかりだから。
だから。
「おやすみ、結月」
どうか、今は君が幸せな夢を見れますように。