星が消えないうちに
name chenge
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
9月18日:深夜 康side
眠れないから自販機に水を買いに来たら、思いがけず由奈に会った。
昨日の一件もあって、お詫びに飲み物を奢ると、「これじゃ足りない」なんて言われるから、せいちゃんの言う通り慰謝料レベルのやらかしをしたんじゃないかと思って気が気じゃない。
でも、由奈の口から出たのは可愛いお願いで、安堵するとともに、やっぱり昨日の一件をはっきりさせたいと思った。
由奈に人見知りを看破され、情けなく笑うと小声で「可愛い」と言われてしまった。その反応がむず痒くて、耳に熱が集まるのを感じる。
昨日のことについて聞かないと、と思っていたけど、由奈の方から話題を振られてドキリとする。
でも、なにもなかったらしく全身から一気に力が抜けた。
首の皮一枚、つながった気分だ…
その後もしばらく由奈と話した。
私自身、由奈に対する緊張は薄れていたし、何より、由奈が私の話にころころ笑ってくれるのが嬉しくて饒舌になる。
でも由奈の瞼は、連日の疲労に抗えないのかゆっくり下がっている。
それになんとか抗いながら話す由奈が可愛いからついつい続きを話してしまう。
流石にもう寝かせてあげようと思い「部屋に戻ろうか」というと、由奈がこてんと私の方に頭をあずけ、すうすうと寝てしまった。
これじゃあ、さっき聞いた昨日の私と同じだと頬が緩む。
流石にこのまま朝を迎えるわけにいかないので、由奈を抱えて部屋に戻った。
本当は由奈の部屋に連れていきたかったんだけど、由奈の部屋番を知らないし、スマホも部屋に置いてきたから部屋割りも確認できない。
気持ちよさそうに眠る由奈の寝顔を見ると、起こすのも可哀想だと思い、自分の部屋に連れてきてしまった。
幸いにも今日の部屋はダブルベッドだから、並んで寝るにも十分なスペースがある。
由奈をそっと降ろして少し離れて寝ようと思ったのに、由奈の手が私のTシャツを握ったまま離してくれない。
図らずも添い寝する形になってしまい、これは不可抗力だ、と誰に対してかわからない言い訳を心のなかで済ませた。
すやすやと眠る由奈の無防備な寝顔を見て、顔が自然とほころぶ。
素直に可愛いと思った。柔らかな寝息と、鼻腔をくすぐるかすかなシャンプーの香り、触れた肌からじんわりと伝わる体温が、すぐ隣で寝ているという事実を突きつけてくる。
湧き上がる感情をまずい、と思った。自分から「大事な後輩」と言っておいて、これは…
意識すればするほど、感情の波が大きくなり、心拍数が上がる。
すぐにその気持ちを頭の外に追いやるように、固く目を瞑った。
しばらく眠れないでいると、隣で由奈が動く気配があった。
起きたかもな、と思って薄目を開ける。
でも起きたわけじゃないみたいで、もぞもぞ動いたと思ったら、そのまま胸元にすり寄ってきて、ぴたりとくっついたまま寝てしまった。
予想外の行動に心臓がバクバクと脈打って、胸の奥がきゅっと締め付けられる。
でもこれは、緊張のせいじゃない。もっとこう…いや、駄目だ。この先の感情を考えてしまうと、大事な後輩の枠組みを超えてしまう。
あまりの心音に起きてしまうんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、すうすうと眠る由奈の寝顔を見ていたら、そのまま私も眠ってしまった。