星が消えないうちに
name chenge
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9月18日:朝 康side
頭をガンガンと叩かれるような痛みで目を覚ました。
見慣れない天井、見慣れない壁。あぁ、そういえばホテルに泊まってるんだった。
腕に重みと人肌に触れているような温かさを感じて目を開くと、何故か腕に由奈を抱えていた。え…由奈…?
頭に冷水を掛けられたように頭の心から冷えていく。なんで由奈がここに?どうして私は由奈を抱えて眠っていた?
頭をフルスピードで回転させて、なんとかこの状況を理解しようと試みる。
昨夜の記憶が何も思い出せない。
想像はどんどん最悪な方に進み、体の芯まで冷えていく。
由奈に昨日のことを聞く以外、私に真実を知る術は残されていないようだ。
腕の中で眠る由奈は、いつもより少し幼く見える無防備な寝顔で、すやすやと寝ている。思わず息を飲んだ。
さっきまで冷え切っていた体が、緊張で熱くなってくる。
心臓がうるさいくらい跳ねている。
んん、と由奈が目を覚ました。開いた目がゆっくりと私を見上げる。
「おはようございます、康さん」
「おはよう、ございます…」
寝起き特有のふにゃりとした笑顔を向けられ、体中の熱が一気に顔に集まるのを感じ、ぎこちない挨拶を返すのが精一杯だった。
「二日酔い、大丈夫ですか?」
「う、うん…多分…大丈夫…」
心配そうに声を掛けてくれる由奈に、曖昧な返事しかできない。
良かったです、と嬉しそうにはにかんでくれる由奈に、罪悪感が募る。
「昨日のこと、覚えてますか?」
「ごめん…全然覚えてない…なんで由奈がここにいるの…?」
私の疑問に由奈がやっぱり、とでも言いたげな顔をする。
「ここ、私の部屋なんです。昨日の夜、康さんが間違えて入ってきて、そのまま…」
その言葉に、私はさらに混乱した。
間違えただけ? ていうか、そのままって?そのまま昨日の私は何をした?
一晩中、同じ部屋で過ごした。由奈を抱えて眠っていた。私がわかっているのはこの2つだけだ。
…もしかしたら、私は酔った勢いで、未成年相手に一線を超えてしまったんじゃないか?
心臓が早鐘を打つ。由奈に直接聞くなんて、絶対にできない。
急にアラームの音がなって現実に引き戻された。
「い、今何時」
「5時半、ですね」
今日の集合は7時だ。何も済ませていないことを踏まえると、結構ギリギリの時間。
「ごめん、部屋に戻るね…」
「はい、そのほうが良いと思います…」
何についてのごめんかはわからないが、とにかくごめんと謝って、私は部屋に戻った。
頭の中は、最悪の想像で埋め尽くされている。
由奈に嫌われたらどうしよう。アイドルとして、人として、最悪の過ちを犯してしまったんじゃないか。
最悪な想像を洗い流すように頭から熱いシャワーを浴びた。
しかし、由奈の顔が頭から離れない。由奈の「おはようございます」という声が、ふにゃりとした笑顔が、私の心に重くのしかかった。