短編
name chenge
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「はあ?何その態度!言いたいことあるならはっきり言ってよ!」
「ちょっと彩希落ち着いて!」
「なんだよ」
「康も怒らないの!」
【仏頂面】
些細なことだったと思う。13期の5周年公演があるからと打ち合わせしてる最中だった。
普段なら怒らないようなことでカチンときてしまった。
彩奈と茂木が間に入ってくれたけど、私の怒りは収まらなかった。
早紀がびっくりして私と康を交互に見ている。ごめんね、驚かせて
そのままお互い一歩も譲らずその日はお開きとなった。
帰り道、今日の一件を反省しつつ康のことを考えていた。
康とは同期の割にちゃんと話したことがない。
チームは昇格直後の峯岸4で一緒だったきりで、それからはバラバラ。
研究生時代から接点も特になかった気がする。たぶん
初対面の時の印象はあんまりない。
自己紹介のときも一言二言喋るだけで、簡潔というかそっけない感じだったのは覚えてる。
なんとなく自分とは合わないだろうなと思ったし、13期は人数多いからわざわざ自分から話に行くこともなかった。
それから何度かレッスンや公演で一緒になることはあったけど話すこともなかった。
私は私で、康は康で仲の良い人がいたし、不便なことも特にない。
そんな感じで今まで来ちゃったから、今こうして一緒に活動となるとどう接していいかわからなかった。
康って、どんな人だっけ。
後日、茂木にそう聞いたら大笑いされた。
同期なのに今更何いってんのなんてケラケラ笑いながらいうのでムカついて肩パンすると、ああマジのやつね、と真面目に聞いてくれた。
「よく考えたら、私と康って本当に接点なくここまできたなって思って」
「あー、確かに。一緒にいた印象マジでないわ」
「でしょ?だからさあ、わかんないんだよね。
茂木はKで一緒だからなんかわかるかなって」
「康かあ…あいつもともと無口なタイプだからなあ」
「あー、喋ってる印象はあんまりないかも」
「どっちかって言うと聞き役だしねえ。あとは先輩たちと仲良いイメージ」
「へー」
「え、自分から聞いといて飽きてる?」
「いや、情報少ないなーと思って」
「悪かったな!」
「「お疲れ様でーす」」
過去の写真を見返しながら康のことを考えてたらちょうどなぁちゃんとみーおんが来た。
「丁度いいや、二人から見て康ってどんな人?」
茂木がすかさず二人に聞いた。
なぁちゃんもみーおんもチームは一緒になったことあるからなんかわかるかも。
「康さんですか?うーん…厳しい?」
「物事をはっきり言うタイプだと思います」
「あーそうそう。忖度なし!って感じ」
「だから後輩としてはなかなか厳しい方だと思いますね。
言っていることは正しいし、確かにと納得できるんですけど言葉の圧が強くて…」
「あー、見たことあるなその現場…」
みーおんとなぁちゃんの言葉に茂木が同調する。
確かにわかる…あの時も康の言い方にムカッときたんだっけ…
結局そのまま無口で厳しいというイメージが覆ることもなく、5周年公演を迎えた。
康はこの間の一件を特に気にした様子がなく、私だけ気にしてるのも馬鹿らしいなと思って、そのまま。
まあいいやなんて思ってたら新チームで同じチームになるもんだから私は頭を抱えることになる。
キャプテンだから否が応でも康と向き合わなくちゃいけない。
新チームが始まって初めてのレッスンの日。
4は後輩メンバーが多く、一番上も12期だから全体的に若い。
だから後輩がのびのび活動できるようにっていうのが、私がなぁちゃんと決めた方針なんだけど…
「それ違う」
「っすみません」
康の顔を見る限り怒ってるとかではないんだけど後輩からすればそりゃ怖い。
しかも康は積極的にコミュニケーション取るタイプじゃないし、仏頂面だから余計に。
「康!そんな言い方しなくてもいいでしょ!」
「本当のこと言って何が悪いんだよ!」
「ストップストップ。二人とも落ち着いて」
やっぱりこうなるんだよなあ…
康は頭冷やしてくるとレッスン場を出ていった。
微妙な空気がレッスン場の流れる。
そりゃあ後輩からすれば先輩同士の喧嘩なんてたまったもんじゃないよなあ。
私はなぁちゃんにこの場を任せて、康を追いかけようと思ったけどレッスン場を出たときに聞こえたスタッフさんたちの会話で思わず足が止まってしまった。
「村山はやっぱりキャプテンよりパフォーマーのほうが良かったんじゃないか」
「岡田に任せたほうが良かったかもなあ」
やっぱりそうだよなあと自分でも思う。
スタッフさんたちに悪意はないってわかるけど、自分が気にしてることを改めて言われると落ち込む。
「村山がキャプテンで正解だったと思いますよ」
「うわ、秋元、いたのか」
康の声がして思わず顔を上げる。
康、フォローしてくれてるのかな…
「盗み聞きしたかったわけじゃないですけど、今の4は村山がキャプテンやってるからまとまってるんだと思います。
まだ経験の浅いメンバーがほとんどだから、村山みたいに劇場を大切にしてる人の背中を見て育つってのは良い事だと思いますよ」
「なるほど…秋元が言うならそうなんだろうな」
「そういえば秋元、レッスンは」
「喧嘩したので出てきました」
「お前なあ・・・」
レッスン場の扉の前で立ち尽くしてたから、戻ってきた康と目があってしまった。
気まずい。
康も康でまじかみたいな顔をしている。
「いたんだ」
「…ありがと。フォローしてくれて」
「フォローなんてしたつもり無いけど」
何言ってんだみたいな顔でこっちを見るから思わずムッとしてしまう。
「スタッフさんに言ったことは本心だよ。別に庇おうって気はない」
「なんでそう冷たい言い方するかなぁ・・・
レッスン場でもそうだったけど康が言ってることは正しいし、納得できるけど、その言い方じゃ後輩たち怖がっちゃうの」
「あー、ごめん。そこまで考えてなかった」
「これからはもっとオブラートに包むか穏やかに言って」
「善処します」
「ちょっと彩希落ち着いて!」
「なんだよ」
「康も怒らないの!」
【仏頂面】
些細なことだったと思う。13期の5周年公演があるからと打ち合わせしてる最中だった。
普段なら怒らないようなことでカチンときてしまった。
彩奈と茂木が間に入ってくれたけど、私の怒りは収まらなかった。
早紀がびっくりして私と康を交互に見ている。ごめんね、驚かせて
そのままお互い一歩も譲らずその日はお開きとなった。
帰り道、今日の一件を反省しつつ康のことを考えていた。
康とは同期の割にちゃんと話したことがない。
チームは昇格直後の峯岸4で一緒だったきりで、それからはバラバラ。
研究生時代から接点も特になかった気がする。たぶん
初対面の時の印象はあんまりない。
自己紹介のときも一言二言喋るだけで、簡潔というかそっけない感じだったのは覚えてる。
なんとなく自分とは合わないだろうなと思ったし、13期は人数多いからわざわざ自分から話に行くこともなかった。
それから何度かレッスンや公演で一緒になることはあったけど話すこともなかった。
私は私で、康は康で仲の良い人がいたし、不便なことも特にない。
そんな感じで今まで来ちゃったから、今こうして一緒に活動となるとどう接していいかわからなかった。
康って、どんな人だっけ。
後日、茂木にそう聞いたら大笑いされた。
同期なのに今更何いってんのなんてケラケラ笑いながらいうのでムカついて肩パンすると、ああマジのやつね、と真面目に聞いてくれた。
「よく考えたら、私と康って本当に接点なくここまできたなって思って」
「あー、確かに。一緒にいた印象マジでないわ」
「でしょ?だからさあ、わかんないんだよね。
茂木はKで一緒だからなんかわかるかなって」
「康かあ…あいつもともと無口なタイプだからなあ」
「あー、喋ってる印象はあんまりないかも」
「どっちかって言うと聞き役だしねえ。あとは先輩たちと仲良いイメージ」
「へー」
「え、自分から聞いといて飽きてる?」
「いや、情報少ないなーと思って」
「悪かったな!」
「「お疲れ様でーす」」
過去の写真を見返しながら康のことを考えてたらちょうどなぁちゃんとみーおんが来た。
「丁度いいや、二人から見て康ってどんな人?」
茂木がすかさず二人に聞いた。
なぁちゃんもみーおんもチームは一緒になったことあるからなんかわかるかも。
「康さんですか?うーん…厳しい?」
「物事をはっきり言うタイプだと思います」
「あーそうそう。忖度なし!って感じ」
「だから後輩としてはなかなか厳しい方だと思いますね。
言っていることは正しいし、確かにと納得できるんですけど言葉の圧が強くて…」
「あー、見たことあるなその現場…」
みーおんとなぁちゃんの言葉に茂木が同調する。
確かにわかる…あの時も康の言い方にムカッときたんだっけ…
結局そのまま無口で厳しいというイメージが覆ることもなく、5周年公演を迎えた。
康はこの間の一件を特に気にした様子がなく、私だけ気にしてるのも馬鹿らしいなと思って、そのまま。
まあいいやなんて思ってたら新チームで同じチームになるもんだから私は頭を抱えることになる。
キャプテンだから否が応でも康と向き合わなくちゃいけない。
新チームが始まって初めてのレッスンの日。
4は後輩メンバーが多く、一番上も12期だから全体的に若い。
だから後輩がのびのび活動できるようにっていうのが、私がなぁちゃんと決めた方針なんだけど…
「それ違う」
「っすみません」
康の顔を見る限り怒ってるとかではないんだけど後輩からすればそりゃ怖い。
しかも康は積極的にコミュニケーション取るタイプじゃないし、仏頂面だから余計に。
「康!そんな言い方しなくてもいいでしょ!」
「本当のこと言って何が悪いんだよ!」
「ストップストップ。二人とも落ち着いて」
やっぱりこうなるんだよなあ…
康は頭冷やしてくるとレッスン場を出ていった。
微妙な空気がレッスン場の流れる。
そりゃあ後輩からすれば先輩同士の喧嘩なんてたまったもんじゃないよなあ。
私はなぁちゃんにこの場を任せて、康を追いかけようと思ったけどレッスン場を出たときに聞こえたスタッフさんたちの会話で思わず足が止まってしまった。
「村山はやっぱりキャプテンよりパフォーマーのほうが良かったんじゃないか」
「岡田に任せたほうが良かったかもなあ」
やっぱりそうだよなあと自分でも思う。
スタッフさんたちに悪意はないってわかるけど、自分が気にしてることを改めて言われると落ち込む。
「村山がキャプテンで正解だったと思いますよ」
「うわ、秋元、いたのか」
康の声がして思わず顔を上げる。
康、フォローしてくれてるのかな…
「盗み聞きしたかったわけじゃないですけど、今の4は村山がキャプテンやってるからまとまってるんだと思います。
まだ経験の浅いメンバーがほとんどだから、村山みたいに劇場を大切にしてる人の背中を見て育つってのは良い事だと思いますよ」
「なるほど…秋元が言うならそうなんだろうな」
「そういえば秋元、レッスンは」
「喧嘩したので出てきました」
「お前なあ・・・」
レッスン場の扉の前で立ち尽くしてたから、戻ってきた康と目があってしまった。
気まずい。
康も康でまじかみたいな顔をしている。
「いたんだ」
「…ありがと。フォローしてくれて」
「フォローなんてしたつもり無いけど」
何言ってんだみたいな顔でこっちを見るから思わずムッとしてしまう。
「スタッフさんに言ったことは本心だよ。別に庇おうって気はない」
「なんでそう冷たい言い方するかなぁ・・・
レッスン場でもそうだったけど康が言ってることは正しいし、納得できるけど、その言い方じゃ後輩たち怖がっちゃうの」
「あー、ごめん。そこまで考えてなかった」
「これからはもっとオブラートに包むか穏やかに言って」
「善処します」