※ざっくり夢主設定
あれは蒸し暑い夏の日だった。
境内の木々にしがみついたセミたちが大音声で鳴き叫び、その短い生命を燃やしていた。
―――突如|宇宙《そら》から現れた|天人《あまんと》たちが地球に降り立って早二十年……
江戸には地球と宇宙を結ぶ玄関口としてターミナルが建ち、何もかもが変わってしまった。
だが、変わらないものもある。揺れる木々のざわめき、ぼんやりと闇夜に浮かぶ月、そして――生命の営み。
人が両の手のひらを合わせる。それは小さな願いから大きな願いまでを祈る尊い行為。誰かが誰かを思う気持ちは、どんな時代になっても変わることはないんだろう。きっと、うん。多分そう。
…………なーんてことを柄にもなく考えながら、ひんやりとクーラーが効いた涼しい社務所で、ホットコーヒーを味わいながら灼熱地獄な外の景色を眺めていた。
ピンポーン
社頭に人が来たことを知らせるチャイムが鳴る。
「はいはーい」
相手には聞こえないのについ返事をしてしまった。こればっかりは性分なので直ることは無い。
ピンポーン
また鳴った。
「何回も鳴らさなくても聞こえるっての……はいはーい!」
重い腰を上げてクーラーの効いていない社頭に向かう。今日も誰かの祈りを神様に捧げるとしよう。
次話へ続く
境内の木々にしがみついたセミたちが大音声で鳴き叫び、その短い生命を燃やしていた。
―――突如|宇宙《そら》から現れた|天人《あまんと》たちが地球に降り立って早二十年……
江戸には地球と宇宙を結ぶ玄関口としてターミナルが建ち、何もかもが変わってしまった。
だが、変わらないものもある。揺れる木々のざわめき、ぼんやりと闇夜に浮かぶ月、そして――生命の営み。
人が両の手のひらを合わせる。それは小さな願いから大きな願いまでを祈る尊い行為。誰かが誰かを思う気持ちは、どんな時代になっても変わることはないんだろう。きっと、うん。多分そう。
…………なーんてことを柄にもなく考えながら、ひんやりとクーラーが効いた涼しい社務所で、ホットコーヒーを味わいながら灼熱地獄な外の景色を眺めていた。
ピンポーン
社頭に人が来たことを知らせるチャイムが鳴る。
「はいはーい」
相手には聞こえないのについ返事をしてしまった。こればっかりは性分なので直ることは無い。
ピンポーン
また鳴った。
「何回も鳴らさなくても聞こえるっての……はいはーい!」
重い腰を上げてクーラーの効いていない社頭に向かう。今日も誰かの祈りを神様に捧げるとしよう。
次話へ続く
2/2ページ
