#15.5 〜幕間〜夢主たるもの花言葉に堪能であれ
空欄の場合「鏡華」になります。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
中秋の名月も過ぎた10月10日。今日は絶賛片思い中の幼なじみ、銀時の誕生日である。何をプレゼントしようかと約一ヶ月悩みに悩み抜いてそして……
「何も思いつかなかった……一ヶ月あったのに……」
そう。結果何も準備していない。一ヶ月もあったのにである。厳密に言うと思いつかなかったのではない、決まらなかったのだ。
考えてみ?恋人でもない、ただの幼なじみから突然誕生日プレゼント渡されたらなんかアレじゃない?変に勘繰らない?あ、そんなことない?そっか……っていやいやいや。それこそそんなことないでしょ?勘繰っちゃうでしょ?え?それは自意識過剰だって?それは……確かにそう。
そしたらどうする?幼なじみとして何をあげる?アラサーだし酒とかツマミとか?あんな糖尿寸前の甘党野郎がいい酒の味とか分かんの?前も『酒は飲めりゃいーんだよ飲めりゃ!』とか抜かしてたし、そんな奴に良い酒とツマミ贈ったら酒たちが可哀想だ。それなら私が飲む。と、自己完結したので酒類は却下した。
じゃあアクセサリー?バカヤロー!付き合ってもないのに渡せるかァァァァ!!それこそやべー女だと思われるだろーが!!『えっ恋人でもないのにアクセサリーとか……』と困惑する奴の顔がありありと浮かぶ。10代の頃の奴しか知らないから、大人になった今の奴がどうかは知らないが、奴のことだ。きっと爛れた恋愛しかしてない。奴のことだ(2回目)、アクセサリーを贈ってくる女なんて重すぎて早々に離れてそうだ。想像にかたくない。余裕のよっちゃん過ぎる。え?古い?……そっかァ…と、とにかく私は奴と距離を置かれたくなんかない。
とまァこんな具合である。とりあえずおめでとうは言いたいので、街灯が照らす薄暗い街の中をトボトボと歩いて万事屋に向かっている。今晩は下の階の《スナック お登勢》で銀時の誕生祝いをすると新八くんが言っていた。仕事が少し長引いたせいで開始には遅れたが、まァ終わるまでには着くだろう。
「あ、花屋……」
歩いているとふと閉店準備をしている花屋が目に入った。花か……花ならまァプレゼントとしていいかもしれない。男に花を贈るというのも定年祝いでなんかアレだが無難っちゃ無難だ。大体奴は綿毛みたいな頭してる訳だし。脳内はお花畑みてーなモンだし。いや今脳内お花畑なのは私の方か……
「閉店前にすみません、ちょっと花束作ってもらいたいんですけど……」
うだうだ考えているうちに気がつけば花屋に足を踏み入れていた。閉店準備中だった店員のお姉さんは少しビックリしていたが、すぐに「もちろんヨン」と快く引き受けてくれた。
「何用なのん?あと予算はどのくらい?」
「えっと、今日誕生日の人に贈りたくて……予算は2000円ぐらいで」
「アラ、素敵じゃない。男性?女性?」
「男です」
「分かったわぁん。入れたい花はある?」
「いや、無いのでお任せします」
「はぁい。ちょっと待っててねん」
そう言ってお姉さんが花を見繕い始めた。花屋なんてなかなか来ることは無い。自分の部屋に花を飾ることはないし。だけど別に嫌いじゃない。むしろ好きだ。見ていると気が休まる。今日ここに入ったのは何かの縁だったのかもしれない。それか仕事に疲れて癒しが欲しかったのかも。
その花と目が合ったのも何かの縁だったかもしれない。赤くふんわりと咲く花。アイツの頭の上に乗せたら映えそうだと直感的に感じた。
「すみません、この花も花束の中に入れてもらっていいですか?」
「これ……センニチコウね?分かったわァ」
ニコッとお姉さんが微笑んで追加してくれた。ほとんど出来かけだったのに申し訳ない。でもあの赤がいいアクセントになると思った。出来上がりが余計に楽しみになって店内の花をワクワクした気持ちで眺めていた。
「ハイ、出来たわよォ。誕生日ということで誕生花メインで作らせてもらいましたァん」
「わァ……!」
出来上がった花束は男に贈るということもあり、控えめな色合いになっていた。水色のワックスペーパーに白を基調とした花束。その中でお願いしたいセンニチコウがポツポツと彩りを作っていた。うん、やっぱりいいアクセントになった。お願いして正解だった。
「ありがとうございます!スゴい素敵で…私が欲しいぐらい」
「ふふ、ありがとん。彼氏さんも喜ぶといいわねん」
「か、かかかかかれれあばばば」
「な、なんなのォ!?急に壊れたロボットみたいになってェ!?」
「……ッ、彼氏じゃないんです…」
「アラ、そうなのん?そしたらセンニチコウの花言葉も知らないのん?」
「花言葉……?」
「そうよォ。センニチコウの花言葉はね――――」
「何も思いつかなかった……一ヶ月あったのに……」
そう。結果何も準備していない。一ヶ月もあったのにである。厳密に言うと思いつかなかったのではない、決まらなかったのだ。
考えてみ?恋人でもない、ただの幼なじみから突然誕生日プレゼント渡されたらなんかアレじゃない?変に勘繰らない?あ、そんなことない?そっか……っていやいやいや。それこそそんなことないでしょ?勘繰っちゃうでしょ?え?それは自意識過剰だって?それは……確かにそう。
そしたらどうする?幼なじみとして何をあげる?アラサーだし酒とかツマミとか?あんな糖尿寸前の甘党野郎がいい酒の味とか分かんの?前も『酒は飲めりゃいーんだよ飲めりゃ!』とか抜かしてたし、そんな奴に良い酒とツマミ贈ったら酒たちが可哀想だ。それなら私が飲む。と、自己完結したので酒類は却下した。
じゃあアクセサリー?バカヤロー!付き合ってもないのに渡せるかァァァァ!!それこそやべー女だと思われるだろーが!!『えっ恋人でもないのにアクセサリーとか……』と困惑する奴の顔がありありと浮かぶ。10代の頃の奴しか知らないから、大人になった今の奴がどうかは知らないが、奴のことだ。きっと爛れた恋愛しかしてない。奴のことだ(2回目)、アクセサリーを贈ってくる女なんて重すぎて早々に離れてそうだ。想像にかたくない。余裕のよっちゃん過ぎる。え?古い?……そっかァ…と、とにかく私は奴と距離を置かれたくなんかない。
とまァこんな具合である。とりあえずおめでとうは言いたいので、街灯が照らす薄暗い街の中をトボトボと歩いて万事屋に向かっている。今晩は下の階の《スナック お登勢》で銀時の誕生祝いをすると新八くんが言っていた。仕事が少し長引いたせいで開始には遅れたが、まァ終わるまでには着くだろう。
「あ、花屋……」
歩いているとふと閉店準備をしている花屋が目に入った。花か……花ならまァプレゼントとしていいかもしれない。男に花を贈るというのも定年祝いでなんかアレだが無難っちゃ無難だ。大体奴は綿毛みたいな頭してる訳だし。脳内はお花畑みてーなモンだし。いや今脳内お花畑なのは私の方か……
「閉店前にすみません、ちょっと花束作ってもらいたいんですけど……」
うだうだ考えているうちに気がつけば花屋に足を踏み入れていた。閉店準備中だった店員のお姉さんは少しビックリしていたが、すぐに「もちろんヨン」と快く引き受けてくれた。
「何用なのん?あと予算はどのくらい?」
「えっと、今日誕生日の人に贈りたくて……予算は2000円ぐらいで」
「アラ、素敵じゃない。男性?女性?」
「男です」
「分かったわぁん。入れたい花はある?」
「いや、無いのでお任せします」
「はぁい。ちょっと待っててねん」
そう言ってお姉さんが花を見繕い始めた。花屋なんてなかなか来ることは無い。自分の部屋に花を飾ることはないし。だけど別に嫌いじゃない。むしろ好きだ。見ていると気が休まる。今日ここに入ったのは何かの縁だったのかもしれない。それか仕事に疲れて癒しが欲しかったのかも。
その花と目が合ったのも何かの縁だったかもしれない。赤くふんわりと咲く花。アイツの頭の上に乗せたら映えそうだと直感的に感じた。
「すみません、この花も花束の中に入れてもらっていいですか?」
「これ……センニチコウね?分かったわァ」
ニコッとお姉さんが微笑んで追加してくれた。ほとんど出来かけだったのに申し訳ない。でもあの赤がいいアクセントになると思った。出来上がりが余計に楽しみになって店内の花をワクワクした気持ちで眺めていた。
「ハイ、出来たわよォ。誕生日ということで誕生花メインで作らせてもらいましたァん」
「わァ……!」
出来上がった花束は男に贈るということもあり、控えめな色合いになっていた。水色のワックスペーパーに白を基調とした花束。その中でお願いしたいセンニチコウがポツポツと彩りを作っていた。うん、やっぱりいいアクセントになった。お願いして正解だった。
「ありがとうございます!スゴい素敵で…私が欲しいぐらい」
「ふふ、ありがとん。彼氏さんも喜ぶといいわねん」
「か、かかかかかれれあばばば」
「な、なんなのォ!?急に壊れたロボットみたいになってェ!?」
「……ッ、彼氏じゃないんです…」
「アラ、そうなのん?そしたらセンニチコウの花言葉も知らないのん?」
「花言葉……?」
「そうよォ。センニチコウの花言葉はね――――」
