#2 大抵の事は飲めば解決する
空欄の場合「鏡華」になります。
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◇◇
「すまない、席は空いているか?2人なんだが」
「おーう、2軒目はここかいの〜?」
突然後ろにある店の扉がガラガラと音を立てて開き、男が2人入ってきた。どこかで聞いたことのあるような声だなと、銀時と鏡華は後ろを振り返った。
「ん?銀時!銀時ではないか!その隣にいるのは………ん?!」
「おぉー!鏡華じゃなかか〜!まっことひっさしぶりじゃのぉ〜!まさかこんなとこで会うとはの〜!!!」
店に入ってきたのは、長髪の堅物そうな男―――桂小太郎と頭がフワフワのサングラスをかけた男―――坂本辰馬である。銀時と鏡華は、桂とは子供時代からの幼なじみ、辰馬とは攘夷戦争時代の戦友である。
まさかの人物達の登場に、銀時は露骨に嫌な顔をした。
「なァァァんでテメーらとここで会わなきゃいけねえんだよ!せっかく2人でしっぽりやってたのによォ!」
「何を言う銀時、2人より3人、3人より4人ではないか。酒は人が増えるほど楽しいぞ。それより鏡華、一体何年ぶりだ?どこにいたのだお前は」
「あっはっはっは〜!ヅラの所に遊びに行ったらまさか金時と鏡華に会うとはの〜!これはあれじゃな、ちょっとした同窓会じゃな!」
「うるせェェェ!!同窓会は今お呼びじゃねーんだよ!!」
「ちょっと酔っ払いども、会話がインフレ起こしてきた。一回落ち着け。女将さん、こいつらにビールお願い」
銀時の隣に桂と辰馬が座ると、すかさず女将が2人にビールを出し、そして不機嫌になった銀時にも無理やりグラスを持たせ、4人で元気に乾杯をした。
「えー、ヅラの質問に答えると、今日会ったのは確かアレ以来初めてで、私は今大江戸病院に勤めてる。もう、5年ぐらいになるかな」
酒を一口飲み、鏡華が桂に説明する。銀時と辰馬はあーだこーだと諸々喋っている。
「ヅラじゃない、桂だ。そうか鏡華、見ない間どうしているかと思っていたが……医者になったのか……そうか」
「いやあんたはヅラだ。うん、医者になったよ。あんたは相変わらずやってるみたいだけど。江戸であんたの顔見ない日はないよ」
銀時を挟んで会話をする2人。あっという間にビールが無くなった桂は、日本酒を注文し飲み始めた。
「ヅラじゃない、桂だ。この国を救うためにはな、誰かが動かねばならんのだ。それを俺たちがやっているだけだ。な、ボス?」
「誰がボスだゴラァ!あん時は巻き込んでくれやがってテメーはよォ!!俺は何もしてねーぞ!!」
銀時に話が飛び火して、銀時と桂が言い争う。その様子をあっはっはっと大笑いして眺める辰馬である。
「あっはっはっは〜!しかしのう、ヅラも今じゃ穏健派と言われるぐらいには、落ち着いているきに!昔ほどバカな事はせんじゃろう!」
「へー穏健派……あれが……?」
そう言ってギャーギャーと言い争う2人を見る鏡華。言い争う姿を見ると本当に穏健派?と思わずツッコミたくなる。
「あ、そういえば辰馬も元気そうで。今何してんの?」
「今ワシのこと忘れてたな?泣いていい?おんしは相変わらず別嬪さんじゃのう!ワシは今宇宙で仕事しとるぜよ!」
「宇宙で?すげー。規模が違うわ」
「オイ、今鏡華のこと別嬪さんって言ったのテメーか?辰馬。今日は俺がデートしてんだよ、口説くんじゃねェ」
鏡華と辰馬が話してるところに銀時が乱入してきた。酔いがだいぶ回ってきたのか、心の中が結構出てきている銀時。顔も赤みが増して目が潤んできている。完全に酔っ払いである。一方の鏡華は、デートとは思っていなかったので、また少し耳が赤くなった。
「銀時!まだ俺との話の途中だろうが!」
「しつけーよ!俺とお前はもう終わってんの!指名手配犯になんかなりたくねーっつーの!!」
「何を言う銀時、貴様がいれば国を変えることも不可能では無いぞ!そうだ!鏡華、お前もやるぞ!お前たちがいれば成し遂げられる!」
どうやら銀時は桂に攘夷浪士にならないか?と誘われていたらしい。そして突然巻き込まれた鏡華は「えっ」と素っ頓狂な声を出した。
「オイ、ヅラ。カタギになったコイツに変な勧誘すんじゃねェよ」
急に真面目なトーンになった銀時に空気が少しザワつく。桂も真面目な顔をして話を続ける。
「ヅラじゃない桂だ。変な勧誘とはなんだ。俺は実績を踏まえて言っている。コイツがあの戦でなんと呼ばれていたのかは、お前も知っているだろう?」
「…………」
「えっ、何、私の話してんの?」
「そうじゃき〜。あっはっはっは〜!」
銀時と桂が険悪なムードを醸し出す中、鏡華は辰馬側に移動し、辰馬と鏡華で飲み進めていく。とにかく酒がうまい。一方、桂は銀時と対峙して話を続ける。
「あの戦で俺たち陣営の死者が想定より少なく済んだのは誰のおかげだ?陣営で死者をも生き返らせると揶揄されるような治療をし、尚且つ攻められた時は、最後の砦として陣営を守り抜いた門守の神―――《翡翠仁王 》と呼ばれていた緒方鏡華のおかげだろうが」
「え、待って、何その二つ名。初耳なんですけど」
「鏡華、ツッコむな。話が続かんぜよ」
自分を巻き込んで話をする、思いのほか真面目(?)な銀時と桂のやりとりに、酒を飲みながら見守る鏡華と辰馬。
「…………」
「お前以上に姿をくらますのがうまかった鏡華がここにいるんだ。これ以上の縁は無かろう……最近高杉も妙な動きをしている。人知れず物騒な事件も増えてきた。今お前たちが我らに加わらなければ、国を救うどころか国が滅ぼされるかもしれんのだぞ」
本当に真面目な話をしている。そしてまた懐かしい名前が出てきた。高杉とは子供時代を共に過ごしてきた、あの高杉晋助のことだろうか。話から察するに、高杉も攘夷浪士をやっていて、しかもどうやら過激派なようだ。
正直なところ、鏡華はもう攘夷とは関わりたくない。あの戦争には、そう思わせるぐらいには十分すぎる程の痛みを与えられた。助けても救けても死んでいく仲間たち。減らない敵。毎日が灰色の世界だった。終わった時は負け戦だったが、解放された気分にもなった。
……時が経ち、これだけ日常に天人が入り込んでいる今を思うと、攘夷なんてとても現実的では無い。国を救うだとかそういう話もだ。一個人では腕っ節があるだろう私たちが騒いだところで、強い権力には敵わない。そうは思わないのか、と鏡華は酒を呷った。
「……国がどうなろうと知ったこっちゃねェよ」
黙っていた銀時が口を開いた。
「コイツはな、名前を変えてまで、今を生きてるんだ。それを俺らが邪魔しちゃいけねェ。国をどうにかしようっていうのはな、やる気がある奴だけやりゃあいいんだ。……だから諦めろ、ヅラ」
銀時は真っ直ぐ桂を見てそう言った。一方の桂はとても不満気な様子である。
「…………そう言おうとも、いずれ必ず鏡華の力も必要になる。俺は諦めんぞ」
「ケッ、俺がさせねえよ」
「……てかオイ、あんたら私の事で私を差し置いて話してんじゃねーよ。オラ!!飲め!!」
ずっと置いてけぼりにされていた鏡華が一升瓶を銀時と桂の口に流し込み、2人はゴボゴボと若干溺れながら飲む。あっはっはっ〜!と辰馬の笑い声が店内に響き渡り、ザワついていた空気が元の空気に戻っていく。ちょっとシリアス気味になってしまったが、無事アラサーたちの飲み会のテンションに戻ったのであった。
「すまない、席は空いているか?2人なんだが」
「おーう、2軒目はここかいの〜?」
突然後ろにある店の扉がガラガラと音を立てて開き、男が2人入ってきた。どこかで聞いたことのあるような声だなと、銀時と鏡華は後ろを振り返った。
「ん?銀時!銀時ではないか!その隣にいるのは………ん?!」
「おぉー!鏡華じゃなかか〜!まっことひっさしぶりじゃのぉ〜!まさかこんなとこで会うとはの〜!!!」
店に入ってきたのは、長髪の堅物そうな男―――桂小太郎と頭がフワフワのサングラスをかけた男―――坂本辰馬である。銀時と鏡華は、桂とは子供時代からの幼なじみ、辰馬とは攘夷戦争時代の戦友である。
まさかの人物達の登場に、銀時は露骨に嫌な顔をした。
「なァァァんでテメーらとここで会わなきゃいけねえんだよ!せっかく2人でしっぽりやってたのによォ!」
「何を言う銀時、2人より3人、3人より4人ではないか。酒は人が増えるほど楽しいぞ。それより鏡華、一体何年ぶりだ?どこにいたのだお前は」
「あっはっはっは〜!ヅラの所に遊びに行ったらまさか金時と鏡華に会うとはの〜!これはあれじゃな、ちょっとした同窓会じゃな!」
「うるせェェェ!!同窓会は今お呼びじゃねーんだよ!!」
「ちょっと酔っ払いども、会話がインフレ起こしてきた。一回落ち着け。女将さん、こいつらにビールお願い」
銀時の隣に桂と辰馬が座ると、すかさず女将が2人にビールを出し、そして不機嫌になった銀時にも無理やりグラスを持たせ、4人で元気に乾杯をした。
「えー、ヅラの質問に答えると、今日会ったのは確かアレ以来初めてで、私は今大江戸病院に勤めてる。もう、5年ぐらいになるかな」
酒を一口飲み、鏡華が桂に説明する。銀時と辰馬はあーだこーだと諸々喋っている。
「ヅラじゃない、桂だ。そうか鏡華、見ない間どうしているかと思っていたが……医者になったのか……そうか」
「いやあんたはヅラだ。うん、医者になったよ。あんたは相変わらずやってるみたいだけど。江戸であんたの顔見ない日はないよ」
銀時を挟んで会話をする2人。あっという間にビールが無くなった桂は、日本酒を注文し飲み始めた。
「ヅラじゃない、桂だ。この国を救うためにはな、誰かが動かねばならんのだ。それを俺たちがやっているだけだ。な、ボス?」
「誰がボスだゴラァ!あん時は巻き込んでくれやがってテメーはよォ!!俺は何もしてねーぞ!!」
銀時に話が飛び火して、銀時と桂が言い争う。その様子をあっはっはっと大笑いして眺める辰馬である。
「あっはっはっは〜!しかしのう、ヅラも今じゃ穏健派と言われるぐらいには、落ち着いているきに!昔ほどバカな事はせんじゃろう!」
「へー穏健派……あれが……?」
そう言ってギャーギャーと言い争う2人を見る鏡華。言い争う姿を見ると本当に穏健派?と思わずツッコミたくなる。
「あ、そういえば辰馬も元気そうで。今何してんの?」
「今ワシのこと忘れてたな?泣いていい?おんしは相変わらず別嬪さんじゃのう!ワシは今宇宙で仕事しとるぜよ!」
「宇宙で?すげー。規模が違うわ」
「オイ、今鏡華のこと別嬪さんって言ったのテメーか?辰馬。今日は俺がデートしてんだよ、口説くんじゃねェ」
鏡華と辰馬が話してるところに銀時が乱入してきた。酔いがだいぶ回ってきたのか、心の中が結構出てきている銀時。顔も赤みが増して目が潤んできている。完全に酔っ払いである。一方の鏡華は、デートとは思っていなかったので、また少し耳が赤くなった。
「銀時!まだ俺との話の途中だろうが!」
「しつけーよ!俺とお前はもう終わってんの!指名手配犯になんかなりたくねーっつーの!!」
「何を言う銀時、貴様がいれば国を変えることも不可能では無いぞ!そうだ!鏡華、お前もやるぞ!お前たちがいれば成し遂げられる!」
どうやら銀時は桂に攘夷浪士にならないか?と誘われていたらしい。そして突然巻き込まれた鏡華は「えっ」と素っ頓狂な声を出した。
「オイ、ヅラ。カタギになったコイツに変な勧誘すんじゃねェよ」
急に真面目なトーンになった銀時に空気が少しザワつく。桂も真面目な顔をして話を続ける。
「ヅラじゃない桂だ。変な勧誘とはなんだ。俺は実績を踏まえて言っている。コイツがあの戦でなんと呼ばれていたのかは、お前も知っているだろう?」
「…………」
「えっ、何、私の話してんの?」
「そうじゃき〜。あっはっはっは〜!」
銀時と桂が険悪なムードを醸し出す中、鏡華は辰馬側に移動し、辰馬と鏡華で飲み進めていく。とにかく酒がうまい。一方、桂は銀時と対峙して話を続ける。
「あの戦で俺たち陣営の死者が想定より少なく済んだのは誰のおかげだ?陣営で死者をも生き返らせると揶揄されるような治療をし、尚且つ攻められた時は、最後の砦として陣営を守り抜いた門守の神―――《
「え、待って、何その二つ名。初耳なんですけど」
「鏡華、ツッコむな。話が続かんぜよ」
自分を巻き込んで話をする、思いのほか真面目(?)な銀時と桂のやりとりに、酒を飲みながら見守る鏡華と辰馬。
「…………」
「お前以上に姿をくらますのがうまかった鏡華がここにいるんだ。これ以上の縁は無かろう……最近高杉も妙な動きをしている。人知れず物騒な事件も増えてきた。今お前たちが我らに加わらなければ、国を救うどころか国が滅ぼされるかもしれんのだぞ」
本当に真面目な話をしている。そしてまた懐かしい名前が出てきた。高杉とは子供時代を共に過ごしてきた、あの高杉晋助のことだろうか。話から察するに、高杉も攘夷浪士をやっていて、しかもどうやら過激派なようだ。
正直なところ、鏡華はもう攘夷とは関わりたくない。あの戦争には、そう思わせるぐらいには十分すぎる程の痛みを与えられた。助けても救けても死んでいく仲間たち。減らない敵。毎日が灰色の世界だった。終わった時は負け戦だったが、解放された気分にもなった。
……時が経ち、これだけ日常に天人が入り込んでいる今を思うと、攘夷なんてとても現実的では無い。国を救うだとかそういう話もだ。一個人では腕っ節があるだろう私たちが騒いだところで、強い権力には敵わない。そうは思わないのか、と鏡華は酒を呷った。
「……国がどうなろうと知ったこっちゃねェよ」
黙っていた銀時が口を開いた。
「コイツはな、名前を変えてまで、今を生きてるんだ。それを俺らが邪魔しちゃいけねェ。国をどうにかしようっていうのはな、やる気がある奴だけやりゃあいいんだ。……だから諦めろ、ヅラ」
銀時は真っ直ぐ桂を見てそう言った。一方の桂はとても不満気な様子である。
「…………そう言おうとも、いずれ必ず鏡華の力も必要になる。俺は諦めんぞ」
「ケッ、俺がさせねえよ」
「……てかオイ、あんたら私の事で私を差し置いて話してんじゃねーよ。オラ!!飲め!!」
ずっと置いてけぼりにされていた鏡華が一升瓶を銀時と桂の口に流し込み、2人はゴボゴボと若干溺れながら飲む。あっはっはっ〜!と辰馬の笑い声が店内に響き渡り、ザワついていた空気が元の空気に戻っていく。ちょっとシリアス気味になってしまったが、無事アラサーたちの飲み会のテンションに戻ったのであった。
