#14 弱ってる時優しくされるとコロッといっちゃうよねアレそんなことない?
空欄の場合「鏡華」になります。
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「……先生?あの、泉先生?」
「…………」
ホストクラブ《高天原》での一件から数日後。真選組屯所の医務室で勤務中の鏡華は、目の前に患者がいるにも関わらずボーッと遠くを見つめていた。
「ねェ聞いてます?そこ傷口じゃないです、あの、新しく傷できてます、縫いそうになってるところ、全然傷無いですからね?ひたすら、あの、ちょっ、チクチクして痛いです、ねェ」
「…………」
治療を受けに来た隊士が冷や汗を垂らしながら鏡華に声をかけるが、その声は鏡華に届いていない。変わらず、うわの空で何も無いところを刺しまくっている。むしろ呆け過ぎて、縫合糸が無いというのがまだマシなのかもしれない。ただ傷が増えるだけである。いやそれもヤバい事なのだが。
実際地味に痛いらしい。チクチク刺されてる隊士が冷や汗ダラダラでとうとう叫んだ。
「ちょっとォォォ!!聞いてェェェ!!傷治しに来たのに増やしてるってェェェ!!いたたたた!!ああああ!!誰か助けてェェェ!!」
「オメーは何やってんだァァァ!!」
突如バンッと医務室の襖が開き、襖の向こうから出てきた土方が鏡華を怒鳴りつけた。こうしてこの可哀想な隊士は、チクチク地獄からようやく解放されたのだった。
◇◇
「す、すみません……ちょっとボーッとしてしまって……」
可哀想な隊士の腕に包帯を巻きながら申し訳なさそうに鏡華が謝る。謝られた隊士は「いえいえ」と遠慮がちに答えたが、その様子を見ていた土方は盛大にため息をついてから煙草をふかした。
「……泉、オメーここ最近ミスが多いらしいじゃねェか。俺ァよォ、他の隊士たちから『先生は働きすぎなんじゃないか、休ませてやってくれ』なんて言われてるんだが?俺ァちゃんと休みやってるよなァ?あ?」
「お、仰る通りです……ちゃんと休ませて頂いてます……」
土方の凄みに低い姿勢で答える鏡華。隊士の治療が終わり彼が退室すると、鏡華は改めて土方の前に正座した。彼女を見下ろす土方の瞳孔はガッツリ開いている。
「仕事が原因じゃねェならなんだ?何が原因で仕事中にうわの空になってやがる?怒らねェから言ってみろ?なァ?」
「もう怒ってたじゃん……」
「揚げ足取る余裕はあるみてーだなァァァ!?」
ブチッという効果音が聞こえてくるような青筋を額に浮かび上がらせて、再び土方のツッコミと言う名の怒号が飛ぶ。鏡華はヒィイと怯えながら頭を抱えた。
「ちょっと、ものすごい声が聞こえたんですけど。何かあったんですか?」
そう言って医務室の襖からひょこっと顔を出してきたのは監察の山崎である。「山崎さァん」と鏡華が潤んだ瞳で彼を見た。
「え、先生泣いてるんですか?珍しいですね。副長が泣かしたんですか?」
「そうなんです。鬼の副長が泣かしてきました」
「オイ、俺のせいか?オメーがうわの空で仕事してやがるから聞いてるだけだ」
スパーと煙を吐きながら、瞳孔ガン開きの土方が文句を言った。土方の言葉を聞いた山崎が「あぁ」と相槌を打った。
「そういえば最近ミス多いらしいですね。どうしたんです?恋の悩みですか?なんちゃって」
山崎が冗談でそう言ったが、鏡華の耳と顔がボンッと赤く染まった。思わず山崎が「え、マジ?」と目を丸くする。
「……先生、好きな人いるんですか?」
「え、あ、その、えーと、あの……え、うーん?」
正座しながらしどろもどろで目を泳がせ、分かりやすく動揺する鏡華。その様子を見た土方が新しい煙草に火をつけて話しかける。
「何で疑問形なんだよ。……万事屋となんかあったか?」
「え!?は!?な、ななななんでそこで銀時が出てくるワケ!?は、ははは、あははは……土方くんも冗談言うんだねェ〜!」
どう見ても図星な様子の鏡華に、土方と山崎が顔を見合わせる。そしてハァと土方がため息をついた。
「……なんかあったんだな」
鏡華を落ち着かせるように、先程の怒号とはうってかわり穏やかな声で話しかける土方。鏡華は「う……」と言葉を詰まらせて耳を触りだした。
「先生、こう言っちゃなんですけど、恋愛事に関しては俺と副長はまともな方ですよ。安心してください」
「いや俺としてはこういうのは女同士で話してもらいたいモンなんだが」
にこやかに鏡華に話しかける山崎と、呆れ顔で咥え煙草をした土方が、しゃがんで鏡華の顔を覗き込む。真っ赤にした耳を弄る鏡華が「だって女友達いねーモン……」と俯きながら呟いたのだった。
「…………」
ホストクラブ《高天原》での一件から数日後。真選組屯所の医務室で勤務中の鏡華は、目の前に患者がいるにも関わらずボーッと遠くを見つめていた。
「ねェ聞いてます?そこ傷口じゃないです、あの、新しく傷できてます、縫いそうになってるところ、全然傷無いですからね?ひたすら、あの、ちょっ、チクチクして痛いです、ねェ」
「…………」
治療を受けに来た隊士が冷や汗を垂らしながら鏡華に声をかけるが、その声は鏡華に届いていない。変わらず、うわの空で何も無いところを刺しまくっている。むしろ呆け過ぎて、縫合糸が無いというのがまだマシなのかもしれない。ただ傷が増えるだけである。いやそれもヤバい事なのだが。
実際地味に痛いらしい。チクチク刺されてる隊士が冷や汗ダラダラでとうとう叫んだ。
「ちょっとォォォ!!聞いてェェェ!!傷治しに来たのに増やしてるってェェェ!!いたたたた!!ああああ!!誰か助けてェェェ!!」
「オメーは何やってんだァァァ!!」
突如バンッと医務室の襖が開き、襖の向こうから出てきた土方が鏡華を怒鳴りつけた。こうしてこの可哀想な隊士は、チクチク地獄からようやく解放されたのだった。
◇◇
「す、すみません……ちょっとボーッとしてしまって……」
可哀想な隊士の腕に包帯を巻きながら申し訳なさそうに鏡華が謝る。謝られた隊士は「いえいえ」と遠慮がちに答えたが、その様子を見ていた土方は盛大にため息をついてから煙草をふかした。
「……泉、オメーここ最近ミスが多いらしいじゃねェか。俺ァよォ、他の隊士たちから『先生は働きすぎなんじゃないか、休ませてやってくれ』なんて言われてるんだが?俺ァちゃんと休みやってるよなァ?あ?」
「お、仰る通りです……ちゃんと休ませて頂いてます……」
土方の凄みに低い姿勢で答える鏡華。隊士の治療が終わり彼が退室すると、鏡華は改めて土方の前に正座した。彼女を見下ろす土方の瞳孔はガッツリ開いている。
「仕事が原因じゃねェならなんだ?何が原因で仕事中にうわの空になってやがる?怒らねェから言ってみろ?なァ?」
「もう怒ってたじゃん……」
「揚げ足取る余裕はあるみてーだなァァァ!?」
ブチッという効果音が聞こえてくるような青筋を額に浮かび上がらせて、再び土方のツッコミと言う名の怒号が飛ぶ。鏡華はヒィイと怯えながら頭を抱えた。
「ちょっと、ものすごい声が聞こえたんですけど。何かあったんですか?」
そう言って医務室の襖からひょこっと顔を出してきたのは監察の山崎である。「山崎さァん」と鏡華が潤んだ瞳で彼を見た。
「え、先生泣いてるんですか?珍しいですね。副長が泣かしたんですか?」
「そうなんです。鬼の副長が泣かしてきました」
「オイ、俺のせいか?オメーがうわの空で仕事してやがるから聞いてるだけだ」
スパーと煙を吐きながら、瞳孔ガン開きの土方が文句を言った。土方の言葉を聞いた山崎が「あぁ」と相槌を打った。
「そういえば最近ミス多いらしいですね。どうしたんです?恋の悩みですか?なんちゃって」
山崎が冗談でそう言ったが、鏡華の耳と顔がボンッと赤く染まった。思わず山崎が「え、マジ?」と目を丸くする。
「……先生、好きな人いるんですか?」
「え、あ、その、えーと、あの……え、うーん?」
正座しながらしどろもどろで目を泳がせ、分かりやすく動揺する鏡華。その様子を見た土方が新しい煙草に火をつけて話しかける。
「何で疑問形なんだよ。……万事屋となんかあったか?」
「え!?は!?な、ななななんでそこで銀時が出てくるワケ!?は、ははは、あははは……土方くんも冗談言うんだねェ〜!」
どう見ても図星な様子の鏡華に、土方と山崎が顔を見合わせる。そしてハァと土方がため息をついた。
「……なんかあったんだな」
鏡華を落ち着かせるように、先程の怒号とはうってかわり穏やかな声で話しかける土方。鏡華は「う……」と言葉を詰まらせて耳を触りだした。
「先生、こう言っちゃなんですけど、恋愛事に関しては俺と副長はまともな方ですよ。安心してください」
「いや俺としてはこういうのは女同士で話してもらいたいモンなんだが」
にこやかに鏡華に話しかける山崎と、呆れ顔で咥え煙草をした土方が、しゃがんで鏡華の顔を覗き込む。真っ赤にした耳を弄る鏡華が「だって女友達いねーモン……」と俯きながら呟いたのだった。
