#11.5 〜幕間〜恋とそうめん流しは夏の空
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そして約5時間後。太陽はとっくに昇りきり、夏の日差しが本気を出していた。とうとうそうめん流し大会の時間がやってきたのである。
流し台の周りには回覧板で事前に大会のことを知っていたかぶき町の住人たち、たまたま遊びに来ていた江戸の人たち、そしてギネ〇の認定員の女性が来ていた。
「川崎さん、今日はお世話になります。よろしくお願いします」
万事屋の階段から今イベントの企画者である鏡華が認定員の元へと駆け寄った。お互い深々と礼を交わす。
「こんにちは泉さん。こちらこそよろしくお願いします。いやァ、すごい立派な竹樋 ですね。8kmですか」
「ありがとうございますゥ〜。そうなんですゥ〜。友人たちに協力してもらいながら、4日徹夜して完成しました」
「へー4日……って、よ、4日ァァァ!?え、4日!?4日でこんだけのモン作ったんですか!?ま、……マジ!?」
「え?まァ、はい」
川崎があんぐりと口を開ける。2人のやり取りを万事屋の玄関から銀時たちが見ていた。
「そらァ8kmの流し台を4日で作ったって言ったら、あんな顔になるわな。俺でもなる」
欄干に肘をついて頬杖をつきながら銀時が呟く。新八と神楽も銀時の横で同じ体勢をとり、鏡華たちを見ながらウンウンと頷いた。
「僕でもなりますよ。僕だったらオマケにもっとツッコミます」
「私だったら『ここら辺のタケノコも一緒に食らいつくしました』って言うアルネ」
「いやそれはよく分かんないけども。ツッコミしづらいんだけど」
神楽のよく分からないボケに何とかツッコむ新八。そして3人の後ろに見える万事屋の中に、茹でられた大量の素麺が見えた。
「…にしても、ものすごい量の素麺ですね。これ全部流すんですよね?」
素麺の方を振り向きながら、新八が銀時に話しかける。だが銀時の返事がない。銀時は桂たちを見送った後、鏡華と一緒に素麺を茹でる作業をしていたのだ。おかげでものすごく眠そうにしている。眠そうどころか、頬杖をついたまま意識を飛ばしている。
「……銀さん?全然寝てないんですよね?もう寝たらどうです?」
「…………あ?なんて?新八なんて言った?イ〇リン・オブ・ジョ〇トイがジャ〇プ袋とじになったって?」
「誰もそんなこと言ってねーよ!!昼間っからなんつー夢見てんだ!!ジ〇ンプにそんな袋とじがあるかァ!!エロ本じゃねーんだぞ!!てか、イン〇ン・オブ・ジョイ〇イ今どきの人知らねーだろ!!」
「誰アルか?〇〇〇〇?」
「オイィィ!!載せられないようなこと言うんじゃねェェェェ!!有害図書に指定されるわ!!」
寝ぼけた銀時に神楽のボケが重なり、一気にカオスな空間になる万事屋前。そこにギ〇ス認定員の川崎と話を終えた鏡華が階段を上がってきた。
「あ、泉さんお疲れ様です。認定員の方、優しそうな方で良かったですね」
上がってきた鏡華に新八が声をかけた。上がってきた鏡華はピースで返事をして銀時の横に並んだ。
「ほんと優しそうな人でよかった。失敗してもゴリ押ししたら認定してくれそう」
「そんなワケないでしょ!見た目で人を判断してもう……しかも優しさも利用しようとしてません?」
「失敗した時は……ね?」
鏡華が怪しい笑みでニコリと親指を立てる。
「なんだその黒い笑みは!!ギネ〇記録を脅して認めさせたりなんかしたら、〇ネスから出禁くらいますよ」
呆れてツッコむ新八に「冗談冗談」と鏡華が笑った。その鏡華に隣の銀時がトントンと肩を叩く。
「それよりよォ、こっから素麺どうやって流すんだよ。ウチの水道は使わせられねーぞ?『水漏れしてませんか?ヒィアウィーゴー』ってマ〇オみたいな水道局が飛んでくるからな」
「水はね、お願いしてるんだよ。そろそろ来るんじゃねェかな」
2人が話していると、道の右手側からパトカー数台とトラックが走ってくるのが見えた。
「銀さんアレ、土方さんたちですよね?」
新八がパトカーを見ながら銀時に話しかける。寝ぼけ眼の銀時も「なんでアイツらが」と新八と一緒になって呟く。
「お、来た来た。ちょっと降りてくるわ」
「は?オイ鏡華、」
タンタンタンと階段を降りる鏡華の後を銀時が追いかける。2人が階段を降りるのとほぼ同時に、パトカーから土方と沖田が降りてきた。
「土方くん沖田くん、いやァ〜わざわざありがとうね〜」
ヘラヘラと鏡華が土方たちに近寄る。彼女は土方たちになんと給水車の手配をお願いしていたのである。とんでもない職権乱用に土方の眉間にはシワが寄っている。
「はァ……泉、テメーの為じゃねェよ。近藤さんととっつぁんに言われたからやってるだけだ。そもそも、俺ァ反対してたんだ。ただでさえ税金泥棒とか色々言われんのによ、これなんてその最たる……」
「まァまァその辺にしておきやしょうや、土方さん。今から祭りが始まろうってのに、そんなうだうだ言うのはナンセンスですぜィ」
小言が止まらない土方を沖田が制す。そう言う沖田の手には既に麺つゆが入った器と箸が。
「オメーはもうやる気満々かいィィ!!」
土方がタバコを飛ばしてツッコむ。次に鏡華の隣にいた銀時が土方に絡みに行く。
「え、なに?オタクらもコイツに巻き込まれたクチ?わざわざ幕府の給水車まで出して?税金泥棒が税金の無駄遣いしちゃう感じ?身内に甘いんですねェ〜?いや悪気はないよォ?こちらこそね、ほんとすみませんねェ?ウチの腐れ縁がご迷惑をかけて」
顎に手を置きながらだる絡みする銀時に土方が少しピキったが、すぐに大きすぎるため息を吐いた。
「……ホラこういうのがいるから嫌だったんだ……申し訳なく思ってんなら止めてくれよ。やりたい放題のテメーの腐れ縁をよ」
「ケッ、俺で止めれてるなら、そもそもコイツはオメーんとこで働いてねーよ」
「……違ェねェ」
土方がパトカーにもたれかかりながら新しいタバコに火をつける。銀時が土方にだる絡みをしている間に、鏡華と沖田が隊士たちに指示出しをして準備を進めていた。
「……テメーも大変だな。あんなじゃじゃ馬と腐れ縁でよ。面接の時はまさかこんなことする奴だとは思ってなかったぜ。ウチ入ってから部屋は汚ェわ、ギ〇ス挑戦するわ、とんでもねェ正体現しやがって」
フーと土方が煙を吐く。煙は銀時の顔まで飛んでいき、銀時は煙たそうに手で煙を払い除けた。
「ガキの頃からあんなんだよ。こっちはもう諦めついたわ」
「だからテメーは死にそうな顔してんのか?」
「そりゃ四徹だからね。アラサーで四徹っておかしいからね。死にそうな顔にもなるわ」
暗い瞳にその元凶をうつして話す銀時。瞳は暗いが、表情は穏やかである。銀時の表情をチラと見た土方がまたフーと煙をくゆらせた。
「銀時!」
沖田たちの方からニコニコと笑顔の鏡華が銀時の元に駆け寄った。
「準備できた!そろそろ……始めちゃってもいいかな!?」
キラキラと目を輝かせながら銀時を見つめる鏡華。その顔に銀時は思わず口角を上げた。
「オメーが準備できたならいーんじゃねーの?このクソ暑い中、あのネーちゃんも待ってくれてるワケだしよ。さっさとやって、そんで終わろうぜ」
ボリボリと頭をかきながら万事屋の階段を上がっていく銀時と一緒に鏡華も階段を上がる。玄関前では新八と神楽がワクワクした様子で待っていた。
「泉さん!いよいよですか!」
「早く食べたいアル〜!」
2人ともニコニコと子供らしい笑顔で鏡華に話しかける。
「2人とも!今からやるよ〜!ちょっと待ってね!」
同じく笑顔の鏡華が、どこからか持ってきた拡声器を取り出して、集まった民衆に向けて話始めた。
「『えー皆様、このクソ暑い中大変長らくお待たせ致しました!宇宙一長いそうめん流し、ギ〇ス記録への挑戦を始めます!!』」
パチパチと至る所で拍手が起こる。照れながら鏡華が話を続ける。
「『今回挑戦するそうめん流しの距離はおよそ8km。これは現在の記録がおよそ4kmで、その約2倍の長さとなっております!』」
おお〜と民衆から声が上がる。この流し台を作った万事屋3人組は、作業の日々をまるで走馬灯のように思い出していた。
「『この8kmという長さでそうめん流しをすると、現実世界の物理法則では、流し始めてから先端に到達するまで約1時間半から4時間半かかります!だが!これは夢小説!!しかも銀魂の!空〇科〇読本で《銀さんの木刀はこの世の全ての木材よりも硬くしなやかな素材で出来ている》と言わしめた、とんでも物理の世界!なのでこの世界の法則に則り、今回の先端に到達するのに必要な時間は、およそ10分となります!』」
うおお!!と歓声が上がるが、鏡華後ろにいる万事屋3人組は遠い目をして彼女を見つめる。
「あの、とんでもなくメタい発言してるんですけどこの人。何もかもがメタいんですけど」
「今更だろ新八。そもそもこの話だって作者都合だ」
「てゆーか、夢小説なんて作者都合の塊でしかないネ」
チベスナ顔で3人がボヤく。そんな3人には気にも留めず、鏡華が真選組に水を出してもらうよう頼んだ。
一人の隊士が蛇口を捻り、給水車から勢いよく水が出る。流れ出た水は流し台の上を、ウォータースライダーのように流れていった。この世界の物理なら10分未満で水が先端に届くはずである。鏡華をはじめ、集まった人が固唾を飲んで流し台の先端を見つめる。
「………お、水じゃね?」
誰かがそう言った。その直後、しっかりと水が流れてきた。約8kmもの流し台の上を水が走ってきたのだ。鏡華と万事屋3人がグッと拳を握りガッツポーズをした。
「やったアル!!ちゃんと流れたネ!」
神楽と鏡華が喜びのあまりハイタッチをした。流し台がしっかりと開通し、鏡華の顔に笑顔と安堵の表情が宿る。
「流れたよ神楽ちゃーん!!っしゃ、今からが本番だ!!」
鏡華がそう言って「川崎さん!」と声をかけた。いつの間にか4人の後ろにいた認定員の川崎が鏡華から拡声器を受け取った。
「『こんにちは、ギネ〇認定員の川崎です。今回《宇宙一長いそうめん流し》として挑戦を行うにあたり、2点、ルールを説明します』」
と、川崎がルール説明をする。今回のルールは、
①25g以上の食用素麺を流すこと
②人の手で素麺を運ばないこと(水の力だけで素麺を流す)
の2つがルールとして設定された。川崎の説明が終わり、いよいよその時がきた。
流し台の周りには回覧板で事前に大会のことを知っていたかぶき町の住人たち、たまたま遊びに来ていた江戸の人たち、そしてギネ〇の認定員の女性が来ていた。
「川崎さん、今日はお世話になります。よろしくお願いします」
万事屋の階段から今イベントの企画者である鏡華が認定員の元へと駆け寄った。お互い深々と礼を交わす。
「こんにちは泉さん。こちらこそよろしくお願いします。いやァ、すごい立派な
「ありがとうございますゥ〜。そうなんですゥ〜。友人たちに協力してもらいながら、4日徹夜して完成しました」
「へー4日……って、よ、4日ァァァ!?え、4日!?4日でこんだけのモン作ったんですか!?ま、……マジ!?」
「え?まァ、はい」
川崎があんぐりと口を開ける。2人のやり取りを万事屋の玄関から銀時たちが見ていた。
「そらァ8kmの流し台を4日で作ったって言ったら、あんな顔になるわな。俺でもなる」
欄干に肘をついて頬杖をつきながら銀時が呟く。新八と神楽も銀時の横で同じ体勢をとり、鏡華たちを見ながらウンウンと頷いた。
「僕でもなりますよ。僕だったらオマケにもっとツッコミます」
「私だったら『ここら辺のタケノコも一緒に食らいつくしました』って言うアルネ」
「いやそれはよく分かんないけども。ツッコミしづらいんだけど」
神楽のよく分からないボケに何とかツッコむ新八。そして3人の後ろに見える万事屋の中に、茹でられた大量の素麺が見えた。
「…にしても、ものすごい量の素麺ですね。これ全部流すんですよね?」
素麺の方を振り向きながら、新八が銀時に話しかける。だが銀時の返事がない。銀時は桂たちを見送った後、鏡華と一緒に素麺を茹でる作業をしていたのだ。おかげでものすごく眠そうにしている。眠そうどころか、頬杖をついたまま意識を飛ばしている。
「……銀さん?全然寝てないんですよね?もう寝たらどうです?」
「…………あ?なんて?新八なんて言った?イ〇リン・オブ・ジョ〇トイがジャ〇プ袋とじになったって?」
「誰もそんなこと言ってねーよ!!昼間っからなんつー夢見てんだ!!ジ〇ンプにそんな袋とじがあるかァ!!エロ本じゃねーんだぞ!!てか、イン〇ン・オブ・ジョイ〇イ今どきの人知らねーだろ!!」
「誰アルか?〇〇〇〇?」
「オイィィ!!載せられないようなこと言うんじゃねェェェェ!!有害図書に指定されるわ!!」
寝ぼけた銀時に神楽のボケが重なり、一気にカオスな空間になる万事屋前。そこにギ〇ス認定員の川崎と話を終えた鏡華が階段を上がってきた。
「あ、泉さんお疲れ様です。認定員の方、優しそうな方で良かったですね」
上がってきた鏡華に新八が声をかけた。上がってきた鏡華はピースで返事をして銀時の横に並んだ。
「ほんと優しそうな人でよかった。失敗してもゴリ押ししたら認定してくれそう」
「そんなワケないでしょ!見た目で人を判断してもう……しかも優しさも利用しようとしてません?」
「失敗した時は……ね?」
鏡華が怪しい笑みでニコリと親指を立てる。
「なんだその黒い笑みは!!ギネ〇記録を脅して認めさせたりなんかしたら、〇ネスから出禁くらいますよ」
呆れてツッコむ新八に「冗談冗談」と鏡華が笑った。その鏡華に隣の銀時がトントンと肩を叩く。
「それよりよォ、こっから素麺どうやって流すんだよ。ウチの水道は使わせられねーぞ?『水漏れしてませんか?ヒィアウィーゴー』ってマ〇オみたいな水道局が飛んでくるからな」
「水はね、お願いしてるんだよ。そろそろ来るんじゃねェかな」
2人が話していると、道の右手側からパトカー数台とトラックが走ってくるのが見えた。
「銀さんアレ、土方さんたちですよね?」
新八がパトカーを見ながら銀時に話しかける。寝ぼけ眼の銀時も「なんでアイツらが」と新八と一緒になって呟く。
「お、来た来た。ちょっと降りてくるわ」
「は?オイ鏡華、」
タンタンタンと階段を降りる鏡華の後を銀時が追いかける。2人が階段を降りるのとほぼ同時に、パトカーから土方と沖田が降りてきた。
「土方くん沖田くん、いやァ〜わざわざありがとうね〜」
ヘラヘラと鏡華が土方たちに近寄る。彼女は土方たちになんと給水車の手配をお願いしていたのである。とんでもない職権乱用に土方の眉間にはシワが寄っている。
「はァ……泉、テメーの為じゃねェよ。近藤さんととっつぁんに言われたからやってるだけだ。そもそも、俺ァ反対してたんだ。ただでさえ税金泥棒とか色々言われんのによ、これなんてその最たる……」
「まァまァその辺にしておきやしょうや、土方さん。今から祭りが始まろうってのに、そんなうだうだ言うのはナンセンスですぜィ」
小言が止まらない土方を沖田が制す。そう言う沖田の手には既に麺つゆが入った器と箸が。
「オメーはもうやる気満々かいィィ!!」
土方がタバコを飛ばしてツッコむ。次に鏡華の隣にいた銀時が土方に絡みに行く。
「え、なに?オタクらもコイツに巻き込まれたクチ?わざわざ幕府の給水車まで出して?税金泥棒が税金の無駄遣いしちゃう感じ?身内に甘いんですねェ〜?いや悪気はないよォ?こちらこそね、ほんとすみませんねェ?ウチの腐れ縁がご迷惑をかけて」
顎に手を置きながらだる絡みする銀時に土方が少しピキったが、すぐに大きすぎるため息を吐いた。
「……ホラこういうのがいるから嫌だったんだ……申し訳なく思ってんなら止めてくれよ。やりたい放題のテメーの腐れ縁をよ」
「ケッ、俺で止めれてるなら、そもそもコイツはオメーんとこで働いてねーよ」
「……違ェねェ」
土方がパトカーにもたれかかりながら新しいタバコに火をつける。銀時が土方にだる絡みをしている間に、鏡華と沖田が隊士たちに指示出しをして準備を進めていた。
「……テメーも大変だな。あんなじゃじゃ馬と腐れ縁でよ。面接の時はまさかこんなことする奴だとは思ってなかったぜ。ウチ入ってから部屋は汚ェわ、ギ〇ス挑戦するわ、とんでもねェ正体現しやがって」
フーと土方が煙を吐く。煙は銀時の顔まで飛んでいき、銀時は煙たそうに手で煙を払い除けた。
「ガキの頃からあんなんだよ。こっちはもう諦めついたわ」
「だからテメーは死にそうな顔してんのか?」
「そりゃ四徹だからね。アラサーで四徹っておかしいからね。死にそうな顔にもなるわ」
暗い瞳にその元凶をうつして話す銀時。瞳は暗いが、表情は穏やかである。銀時の表情をチラと見た土方がまたフーと煙をくゆらせた。
「銀時!」
沖田たちの方からニコニコと笑顔の鏡華が銀時の元に駆け寄った。
「準備できた!そろそろ……始めちゃってもいいかな!?」
キラキラと目を輝かせながら銀時を見つめる鏡華。その顔に銀時は思わず口角を上げた。
「オメーが準備できたならいーんじゃねーの?このクソ暑い中、あのネーちゃんも待ってくれてるワケだしよ。さっさとやって、そんで終わろうぜ」
ボリボリと頭をかきながら万事屋の階段を上がっていく銀時と一緒に鏡華も階段を上がる。玄関前では新八と神楽がワクワクした様子で待っていた。
「泉さん!いよいよですか!」
「早く食べたいアル〜!」
2人ともニコニコと子供らしい笑顔で鏡華に話しかける。
「2人とも!今からやるよ〜!ちょっと待ってね!」
同じく笑顔の鏡華が、どこからか持ってきた拡声器を取り出して、集まった民衆に向けて話始めた。
「『えー皆様、このクソ暑い中大変長らくお待たせ致しました!宇宙一長いそうめん流し、ギ〇ス記録への挑戦を始めます!!』」
パチパチと至る所で拍手が起こる。照れながら鏡華が話を続ける。
「『今回挑戦するそうめん流しの距離はおよそ8km。これは現在の記録がおよそ4kmで、その約2倍の長さとなっております!』」
おお〜と民衆から声が上がる。この流し台を作った万事屋3人組は、作業の日々をまるで走馬灯のように思い出していた。
「『この8kmという長さでそうめん流しをすると、現実世界の物理法則では、流し始めてから先端に到達するまで約1時間半から4時間半かかります!だが!これは夢小説!!しかも銀魂の!空〇科〇読本で《銀さんの木刀はこの世の全ての木材よりも硬くしなやかな素材で出来ている》と言わしめた、とんでも物理の世界!なのでこの世界の法則に則り、今回の先端に到達するのに必要な時間は、およそ10分となります!』」
うおお!!と歓声が上がるが、鏡華後ろにいる万事屋3人組は遠い目をして彼女を見つめる。
「あの、とんでもなくメタい発言してるんですけどこの人。何もかもがメタいんですけど」
「今更だろ新八。そもそもこの話だって作者都合だ」
「てゆーか、夢小説なんて作者都合の塊でしかないネ」
チベスナ顔で3人がボヤく。そんな3人には気にも留めず、鏡華が真選組に水を出してもらうよう頼んだ。
一人の隊士が蛇口を捻り、給水車から勢いよく水が出る。流れ出た水は流し台の上を、ウォータースライダーのように流れていった。この世界の物理なら10分未満で水が先端に届くはずである。鏡華をはじめ、集まった人が固唾を飲んで流し台の先端を見つめる。
「………お、水じゃね?」
誰かがそう言った。その直後、しっかりと水が流れてきた。約8kmもの流し台の上を水が走ってきたのだ。鏡華と万事屋3人がグッと拳を握りガッツポーズをした。
「やったアル!!ちゃんと流れたネ!」
神楽と鏡華が喜びのあまりハイタッチをした。流し台がしっかりと開通し、鏡華の顔に笑顔と安堵の表情が宿る。
「流れたよ神楽ちゃーん!!っしゃ、今からが本番だ!!」
鏡華がそう言って「川崎さん!」と声をかけた。いつの間にか4人の後ろにいた認定員の川崎が鏡華から拡声器を受け取った。
「『こんにちは、ギネ〇認定員の川崎です。今回《宇宙一長いそうめん流し》として挑戦を行うにあたり、2点、ルールを説明します』」
と、川崎がルール説明をする。今回のルールは、
①25g以上の食用素麺を流すこと
②人の手で素麺を運ばないこと(水の力だけで素麺を流す)
の2つがルールとして設定された。川崎の説明が終わり、いよいよその時がきた。
