#11.5 〜幕間〜恋とそうめん流しは夏の空
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流し台制作が終わったのは作業を始めてから2日後の夕方のことだった。夜間はさすがに新八と神楽には作業させられないので、銀時と鏡華が夜なべして作業を続けたのである。おかげで、設置はまだ終わっていないが全長約8kmもの、成功すれば見事ギネス記録を塗り替える長さの流し台が完成した。
作業を終えた万事屋3人組が《スナック お登勢》の店の前に寝転んで、まだほんのり明るい夏の夕焼け空を見上げていた。
「もっ……もうムリィ……二度と竹なんて見ねェ……二度とだ……」
夕焼け空を仰ぎ見ながら、三徹した死に体の銀時が呟く。新八と神楽も虚ろな目で空を眺めていた。
「3人ともお疲れさん!!見事な流し台が出来たよォ〜ありがとう〜!」
寝転がる3人の元に、何故か一人元気な鏡華が棒アイスを持ってやってきた。3人はアイスを受け取ると、早速口に入れて甘酸っぱいアイスを噛み締めた。
「あー……ひと仕事終えたあとのアイスは格別ですね!ね、神楽ちゃん!」
「ほんとアル。流れてった汗が帰ってくる感じするアルネ」
「てか鏡華よォ。コレ、出来上がったけどこっからどーすんだ?どうやって立てていくつもりだよ?」
銀時がアイスを頬張りながら鏡華に尋ねる。鏡華がアイスを持ちながらフッフッフッ、とドヤ顔で微笑む。
「さすがに4人で8kmもある流し台設置は無謀ですからね、」
「いやそれ言うなら、4人で8kmの流し台作ったのがそもそも無謀なんだけど。俺とお前は三徹してるしね?てかなんでテメーは元気なんだよ」
銀時がビシッとツッコむが、鏡華は無視してドヤ顔のまま話を続ける。
「これからは数の暴力のターンよ」
「数の暴力ゥ?」
銀時が眉間にシワを寄せて頭上に『?』を浮かばせた。すると、銀時の向こうからザッザッと歩く音が聞こえてきた。
「お、来た来た」
鏡華が足音がした方に大きく手を振った。万事屋3人組がその方角に振り向くと、銀時たちの元へやってきたのはいつものあの人であった。
銀時と鏡華の腐れ縁であり《狂乱の貴公子》の異名を持つ、桂小太郎とそのペットであるエリザベス、そして30数名の桂一派である。
「か、桂さん?」
「オイオイ、数の暴力ってヅラたちかよ」
桂たちの来訪に驚く新八と銀時。鏡華はというと、桂一派の人数を数えている。
「鏡華、言われた通り人を集めてきたぞ」
夏のこの時期に見ると暑苦しいほどのロン毛を靡かせて、桂が鏡華の元へ歩み寄った。鏡華が両手を合わせる。
「ありがとうヅラ!こんだけいりゃあ、あっという間に終わるわ」
「ヅラじゃない桂だ。ところで人を集めて何をするつもりだ?スマブラか?」
「いやスマブラする人数じゃないでしょ。え、もしかして桂さんも何も聞いてないんですか?」
新八が尋ねるが、桂の顔はキョトンとしたままである。横にいるエリザベスも『?』のプラカードをあげている。
「泉さん、そうめん流し大会してギ〇スに挑戦するつもりなんですよ。それで僕たちはこの2日、流し台を作ってたんです。で、桂さんたちはこれからその設置だと思うんですけど」
「なるほど、あいわかった。あやつめ、そうめん流しでギネ〇に挑戦しようとは……変わらんな。昔わんこそばでギ〇スに挑戦しようとした時と同じではないか。うむ、さすが俺の麺友」
「なんスか麺友って」
攘夷戦争時代、桂と鏡華でわんこそばのギネ〇記録に挑戦した時のことを思い出して、懐かしそうに微笑む桂。当時は残念ながら記録を更新することは出来なかった。昔を懐かしむ桂を見る新八と神楽は、どうでも良さそうで無表情である。
「で、その流し台はどこにあるんだ?」
そう言って桂がキョロキョロと周りを見渡す。すかさず神楽が竹の山を指さした。
「ここにあるネ。全部で8kmアルよ」
「は、8キロォ!?」
まさかの数字に桂が思わず大きな声を出す。新八と神楽がウンウンと勢いよく頷く。
「今晩中に設置して、明日昼前からそうめん流しするからね!だから人数必要だったんだよ〜。いやーほんと助かった!」
鏡華が銀時と一緒に、流し台を設置するための大量の工具を持ってきた。8kmという途方もない長さに動揺を隠せない桂は、未だに口角がひくついている。
「ッ、鏡華ァ?今のそうめん流しのギ〇ス記録は、その、どのくらいなんだ?せいぜい500mとかじゃないのか?」
「何言ってんだよヅラァ。ギネ〇記録は4km超えてんだよ。人間の力舐めんな」
「舐めてなどおらぬわァ!舐めておるのは貴様だろーが!8kmを一晩で組み立てられると思ってるのか馬鹿者ォォォ!!」
桂のシャウトっぷりにエリザベスが『桂さん落ち着いて』とプラカードを出す。桂一派もざわつき始めた。
「あんたら30人ちょいと、私と銀時がいれば一晩で何とかいけるって。ね?いけそーな気がするでしょ?ほら、喋ってる時間がもったいないからやるよ!」
そう言って鏡華は竹を運び始めた。ついでに夜になってきたため、新八と神楽に帰るように指示している。
「いけそーな気がするかァァァ!!ッ、鏡華!オイ!しかしッ……!」
「諦めろ、ヅラ」
鏡華に反論したい桂を、死んだ目をした銀時が止めた。
「ぎ、銀時……」
「覚えてンだろ……アイツ、言い出したことは何がなんでも絶対やりきる奴だって。ガキの頃からよォ、やれ自分が3本先取するまで試合するとか、やれ魚100匹獲るまで帰らないとかさ……わんこそばのギ〇ス挑戦だってそうだ……俺ら、今まで何回アイツに付き合ってきたよ?」
後に桂は語った……。あの時、自分は奴の瞳の奥に闇を見たと。
三徹し、髭も剃れなかった天パが話を続ける。
「……やるしかねェんだよ、ヅラ。どうせアイツは止まらねェんだよ……それにテメー、《仁王様》を怒らせてェのか?」
《仁王様》という言葉に桂の肩がビクッと震えた。銀時はそれだけ言うと鏡華と一緒に設置作業に取り掛かった。
一方、肩をワナワナと震わせていた桂は、冷や汗ダラダラで仲間の方に向き合った。
「くっ……や、やるぞお前らァァァ!!ここで逃げては攘夷志士が、いや、日本男児が廃る!!いいかお前ら!俺は決して《翡翠仁王》が恐ろしいという訳ではないぞ!!決して……あっ……アイツが……う、うわあァァァ!!」
「か、桂さァァァんんん!!」
叫びながら工具を持ち、竹を運び始めた桂を仲間たちが追う。その様子を見て銀時がハァとため息をつく。
こうして万事屋に引き続き、桂たちの手も借りることになった鏡華。いよいよ、そうめん流し大会まで秒読みとなったのだった。
作業を終えた万事屋3人組が《スナック お登勢》の店の前に寝転んで、まだほんのり明るい夏の夕焼け空を見上げていた。
「もっ……もうムリィ……二度と竹なんて見ねェ……二度とだ……」
夕焼け空を仰ぎ見ながら、三徹した死に体の銀時が呟く。新八と神楽も虚ろな目で空を眺めていた。
「3人ともお疲れさん!!見事な流し台が出来たよォ〜ありがとう〜!」
寝転がる3人の元に、何故か一人元気な鏡華が棒アイスを持ってやってきた。3人はアイスを受け取ると、早速口に入れて甘酸っぱいアイスを噛み締めた。
「あー……ひと仕事終えたあとのアイスは格別ですね!ね、神楽ちゃん!」
「ほんとアル。流れてった汗が帰ってくる感じするアルネ」
「てか鏡華よォ。コレ、出来上がったけどこっからどーすんだ?どうやって立てていくつもりだよ?」
銀時がアイスを頬張りながら鏡華に尋ねる。鏡華がアイスを持ちながらフッフッフッ、とドヤ顔で微笑む。
「さすがに4人で8kmもある流し台設置は無謀ですからね、」
「いやそれ言うなら、4人で8kmの流し台作ったのがそもそも無謀なんだけど。俺とお前は三徹してるしね?てかなんでテメーは元気なんだよ」
銀時がビシッとツッコむが、鏡華は無視してドヤ顔のまま話を続ける。
「これからは数の暴力のターンよ」
「数の暴力ゥ?」
銀時が眉間にシワを寄せて頭上に『?』を浮かばせた。すると、銀時の向こうからザッザッと歩く音が聞こえてきた。
「お、来た来た」
鏡華が足音がした方に大きく手を振った。万事屋3人組がその方角に振り向くと、銀時たちの元へやってきたのはいつものあの人であった。
銀時と鏡華の腐れ縁であり《狂乱の貴公子》の異名を持つ、桂小太郎とそのペットであるエリザベス、そして30数名の桂一派である。
「か、桂さん?」
「オイオイ、数の暴力ってヅラたちかよ」
桂たちの来訪に驚く新八と銀時。鏡華はというと、桂一派の人数を数えている。
「鏡華、言われた通り人を集めてきたぞ」
夏のこの時期に見ると暑苦しいほどのロン毛を靡かせて、桂が鏡華の元へ歩み寄った。鏡華が両手を合わせる。
「ありがとうヅラ!こんだけいりゃあ、あっという間に終わるわ」
「ヅラじゃない桂だ。ところで人を集めて何をするつもりだ?スマブラか?」
「いやスマブラする人数じゃないでしょ。え、もしかして桂さんも何も聞いてないんですか?」
新八が尋ねるが、桂の顔はキョトンとしたままである。横にいるエリザベスも『?』のプラカードをあげている。
「泉さん、そうめん流し大会してギ〇スに挑戦するつもりなんですよ。それで僕たちはこの2日、流し台を作ってたんです。で、桂さんたちはこれからその設置だと思うんですけど」
「なるほど、あいわかった。あやつめ、そうめん流しでギネ〇に挑戦しようとは……変わらんな。昔わんこそばでギ〇スに挑戦しようとした時と同じではないか。うむ、さすが俺の麺友」
「なんスか麺友って」
攘夷戦争時代、桂と鏡華でわんこそばのギネ〇記録に挑戦した時のことを思い出して、懐かしそうに微笑む桂。当時は残念ながら記録を更新することは出来なかった。昔を懐かしむ桂を見る新八と神楽は、どうでも良さそうで無表情である。
「で、その流し台はどこにあるんだ?」
そう言って桂がキョロキョロと周りを見渡す。すかさず神楽が竹の山を指さした。
「ここにあるネ。全部で8kmアルよ」
「は、8キロォ!?」
まさかの数字に桂が思わず大きな声を出す。新八と神楽がウンウンと勢いよく頷く。
「今晩中に設置して、明日昼前からそうめん流しするからね!だから人数必要だったんだよ〜。いやーほんと助かった!」
鏡華が銀時と一緒に、流し台を設置するための大量の工具を持ってきた。8kmという途方もない長さに動揺を隠せない桂は、未だに口角がひくついている。
「ッ、鏡華ァ?今のそうめん流しのギ〇ス記録は、その、どのくらいなんだ?せいぜい500mとかじゃないのか?」
「何言ってんだよヅラァ。ギネ〇記録は4km超えてんだよ。人間の力舐めんな」
「舐めてなどおらぬわァ!舐めておるのは貴様だろーが!8kmを一晩で組み立てられると思ってるのか馬鹿者ォォォ!!」
桂のシャウトっぷりにエリザベスが『桂さん落ち着いて』とプラカードを出す。桂一派もざわつき始めた。
「あんたら30人ちょいと、私と銀時がいれば一晩で何とかいけるって。ね?いけそーな気がするでしょ?ほら、喋ってる時間がもったいないからやるよ!」
そう言って鏡華は竹を運び始めた。ついでに夜になってきたため、新八と神楽に帰るように指示している。
「いけそーな気がするかァァァ!!ッ、鏡華!オイ!しかしッ……!」
「諦めろ、ヅラ」
鏡華に反論したい桂を、死んだ目をした銀時が止めた。
「ぎ、銀時……」
「覚えてンだろ……アイツ、言い出したことは何がなんでも絶対やりきる奴だって。ガキの頃からよォ、やれ自分が3本先取するまで試合するとか、やれ魚100匹獲るまで帰らないとかさ……わんこそばのギ〇ス挑戦だってそうだ……俺ら、今まで何回アイツに付き合ってきたよ?」
後に桂は語った……。あの時、自分は奴の瞳の奥に闇を見たと。
三徹し、髭も剃れなかった天パが話を続ける。
「……やるしかねェんだよ、ヅラ。どうせアイツは止まらねェんだよ……それにテメー、《仁王様》を怒らせてェのか?」
《仁王様》という言葉に桂の肩がビクッと震えた。銀時はそれだけ言うと鏡華と一緒に設置作業に取り掛かった。
一方、肩をワナワナと震わせていた桂は、冷や汗ダラダラで仲間の方に向き合った。
「くっ……や、やるぞお前らァァァ!!ここで逃げては攘夷志士が、いや、日本男児が廃る!!いいかお前ら!俺は決して《翡翠仁王》が恐ろしいという訳ではないぞ!!決して……あっ……アイツが……う、うわあァァァ!!」
「か、桂さァァァんんん!!」
叫びながら工具を持ち、竹を運び始めた桂を仲間たちが追う。その様子を見て銀時がハァとため息をつく。
こうして万事屋に引き続き、桂たちの手も借りることになった鏡華。いよいよ、そうめん流し大会まで秒読みとなったのだった。
