#11 雪国以外の大人も雪が楽しくてしょーがない
空欄の場合「鏡華」になります。
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異常気象のせいかどうか分からないが、今年の冬は大雪に見舞われた。江戸中、雪、ゆき、ユキ、snowだらけである。鏡華が働く真選組屯所にも、かまくらが作れるくらいには積もりに積もっている。
「こんなに雪が降ったの、江戸で暮らし始めて初めてかも。いやァーテンション上がるなァ」
スクラブの上に薄手のダウンベストを首まで閉めて、その上に半纏、そして白衣、更にはマフラーまでした鏡華が医務室から外を眺める。もちろん、ふくらはぎにはレッグウォーマー、足にはモコモコ靴下を履いている。
「いや、どんだけ寒がりなんだよ。テンションが上がってるどころか、下がってる奴の格好じゃねェか」
副長私室の方から咥えタバコをした土方が歩いてきた。寒い中、袴姿に木刀を携えている。
「しょうがないでしょ、寒いモンは寒いんだよ。衛生上、換気もしなきゃいけないし。土方くん知ってるゥ?今日道路も凍結してるから、パトロールで滑って怪我する人多いんだよ。みんなスパイク履かなきゃいけないレベルだわ」
口を尖らせて土方に言い返す鏡華。怪我人が多いと聞いて土方が医務室を覗く。現在進行形で看護婦から手当を受ける隊士の姿が2、3人見えた。
「足腰鍛えてねェからコケるんだよ。鍛錬が足りてねェ証拠だ」
「鍛錬の問題かなァそれ……ってその格好、土方くんは今から稽古?え、このクソ寒い中?マジ?Mなの?あ、M か」
ドン引きする鏡華が、ポケットから電子タバコを取りだし一服し始めた。2人の周りにミントの爽やかな香りが漂う。
「Mじゃねェわ!マヨラーは、まァ、合ってるけどよ。いつ、いかなる時も平常心で対処出来るようにな、身体だけじゃなく精神も鍛えねェといけねェんだよ俺らは。寒いからって事件は待っちゃくれねーしな」
「へーそうですか。お巡りさんも大変だねェ」
そう言ってハーと煙を吐く鏡華。土方も一緒になって煙を吐く。
「お巡りさんお巡りさん、アソコでかまくら作って餅焼いてる輩は心身鍛えなくていーんですか」
鏡華が土方の後ろを見つめる。そこには、かまくらの中で餅を焼いて楽しむ山崎たちの姿があった。土方は額に青筋を浮かび上がらせて「山崎ィィィ!!」と、かまくらに木刀を投げつけた。かまくらは大破し、山崎たちの叫び声は雪に吸い込まれていった。
「かまくらは稽古後にやれば良かったのになァ!アイツらも馬鹿だなァ」
「近藤さん」
土方と同じ方向から、同じく袴姿に木刀を携えた近藤が、ガハハと笑いながら歩いてきた。
「ほんと、寒い中よーやりますね。あ、ちゃんとストレッチしてくださいね。筋肉ちゃんと伸ばさないと怪我しますから」
「おう、もちろんだとも。ところで万事屋から聞いたが、泉も刀振れるんだって?どうだ?お前も稽古してみねェか?」
え゙ッ、と鏡華の眉間に皺が寄る。アイツめ余計なことを言いやがって、と銀時に怒りの念を送った。
……その頃、かぶき町で雪像を作っている銀時がくしゃみをして、新八たちに「風邪ですか?」と心配されたのは別の話である。
「……えーと、私はいざという時煌めくタイプの刀剣女子なので、あの、寒稽古は結構です大丈夫です本当に勘弁してください寒さで死にます」
全力で断りを入れながら、徐々に医務室の障子を閉めていく鏡華。だが、その障子も山崎たちの所から木刀を回収した土方によって全開にされた。
「言い訳が苦しいなオイ。俺もその話は聞いた。丁度いい、どれくらいの腕か見ておきてェな」
煙草に火をつけ直してフーと煙をふかす土方を、ぐぬぬ……と鏡華が恨めしそうに睨みつける。
鏡華の腕が立つ云々の話は、実は銀時から聞いたものではない。彼女に『攘夷浪士の疑いアリ』と判断される要因になった、あの高杉の船での暴れっぷりが原因である。
鏡華を採用した際、局長以下役職付きの間では『泉の力量を確認すべし』と情報が共有されていた。
もちろん、彼女はそんな風に自分のことが共有されているとは露ほども知らない。だが、今回断れてもずっと言われそうな雰囲気に、諦めて「はい……」と答えることになったのだった。
「こんなに雪が降ったの、江戸で暮らし始めて初めてかも。いやァーテンション上がるなァ」
スクラブの上に薄手のダウンベストを首まで閉めて、その上に半纏、そして白衣、更にはマフラーまでした鏡華が医務室から外を眺める。もちろん、ふくらはぎにはレッグウォーマー、足にはモコモコ靴下を履いている。
「いや、どんだけ寒がりなんだよ。テンションが上がってるどころか、下がってる奴の格好じゃねェか」
副長私室の方から咥えタバコをした土方が歩いてきた。寒い中、袴姿に木刀を携えている。
「しょうがないでしょ、寒いモンは寒いんだよ。衛生上、換気もしなきゃいけないし。土方くん知ってるゥ?今日道路も凍結してるから、パトロールで滑って怪我する人多いんだよ。みんなスパイク履かなきゃいけないレベルだわ」
口を尖らせて土方に言い返す鏡華。怪我人が多いと聞いて土方が医務室を覗く。現在進行形で看護婦から手当を受ける隊士の姿が2、3人見えた。
「足腰鍛えてねェからコケるんだよ。鍛錬が足りてねェ証拠だ」
「鍛錬の問題かなァそれ……ってその格好、土方くんは今から稽古?え、このクソ寒い中?マジ?Mなの?あ、
ドン引きする鏡華が、ポケットから電子タバコを取りだし一服し始めた。2人の周りにミントの爽やかな香りが漂う。
「Mじゃねェわ!マヨラーは、まァ、合ってるけどよ。いつ、いかなる時も平常心で対処出来るようにな、身体だけじゃなく精神も鍛えねェといけねェんだよ俺らは。寒いからって事件は待っちゃくれねーしな」
「へーそうですか。お巡りさんも大変だねェ」
そう言ってハーと煙を吐く鏡華。土方も一緒になって煙を吐く。
「お巡りさんお巡りさん、アソコでかまくら作って餅焼いてる輩は心身鍛えなくていーんですか」
鏡華が土方の後ろを見つめる。そこには、かまくらの中で餅を焼いて楽しむ山崎たちの姿があった。土方は額に青筋を浮かび上がらせて「山崎ィィィ!!」と、かまくらに木刀を投げつけた。かまくらは大破し、山崎たちの叫び声は雪に吸い込まれていった。
「かまくらは稽古後にやれば良かったのになァ!アイツらも馬鹿だなァ」
「近藤さん」
土方と同じ方向から、同じく袴姿に木刀を携えた近藤が、ガハハと笑いながら歩いてきた。
「ほんと、寒い中よーやりますね。あ、ちゃんとストレッチしてくださいね。筋肉ちゃんと伸ばさないと怪我しますから」
「おう、もちろんだとも。ところで万事屋から聞いたが、泉も刀振れるんだって?どうだ?お前も稽古してみねェか?」
え゙ッ、と鏡華の眉間に皺が寄る。アイツめ余計なことを言いやがって、と銀時に怒りの念を送った。
……その頃、かぶき町で雪像を作っている銀時がくしゃみをして、新八たちに「風邪ですか?」と心配されたのは別の話である。
「……えーと、私はいざという時煌めくタイプの刀剣女子なので、あの、寒稽古は結構です大丈夫です本当に勘弁してください寒さで死にます」
全力で断りを入れながら、徐々に医務室の障子を閉めていく鏡華。だが、その障子も山崎たちの所から木刀を回収した土方によって全開にされた。
「言い訳が苦しいなオイ。俺もその話は聞いた。丁度いい、どれくらいの腕か見ておきてェな」
煙草に火をつけ直してフーと煙をふかす土方を、ぐぬぬ……と鏡華が恨めしそうに睨みつける。
鏡華の腕が立つ云々の話は、実は銀時から聞いたものではない。彼女に『攘夷浪士の疑いアリ』と判断される要因になった、あの高杉の船での暴れっぷりが原因である。
鏡華を採用した際、局長以下役職付きの間では『泉の力量を確認すべし』と情報が共有されていた。
もちろん、彼女はそんな風に自分のことが共有されているとは露ほども知らない。だが、今回断れてもずっと言われそうな雰囲気に、諦めて「はい……」と答えることになったのだった。
