#8 そうだ、ハ〇ーワークに行こう。
空欄の場合「鏡華」になります。
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《外科医・泉鏡華は伝説の攘夷志士・翡翠仁王。この病院は攘夷志士を雇うのか?》
鏡華が持ってきた紙には、新聞やチラシなどから切り抜きされた文字が貼られ、まるで犯行声明文のように文章が書かれていた。
持ってきた本人はカウンターに突っ伏して鼻をすすりながら泣き、新八たちは紙をしげしげと見つめ、そして容疑者の銀時は床で正座させられていた。
「これが病院に……?」
新八が苦い顔をしながら鏡華に話しかける。鏡華は鼻をズビッと言わせながら顔を上げた。
「そう……。これ一枚だけじゃなくて、何枚もあったらしくてさ……。私がヤンチャしてたってこと知ってんのは、昔馴染みのコイツらぐらいしかいねーのよ。だからこれやったのは……テメーだろーが銀時ィィィ!!」
そう言って銀時に殴り掛かる鏡華。銀時がア゙ー!と叫び声をあげながら鏡華の拳を受け止めた。
「だあァァァ!!俺がそんなクソめんどいことするかっつーの!!」
「あぁ!?こんなん、暇人のテメーぐらいしかやる奴いねェだろがァァァ!」
「んだとテメー!誰が暇人だ!!必死に汗水垂らして働いてますゥゥゥ!!」
「嘘つけェェェ!!ちゃんと働いてたらなァ、大家さんに晩御飯世話にならねェんだよボケがァァァ!!」
「ちょ、ちょっと、二人とも一旦落ち着いてください。ほらカウンター座って。」
取っ組み合いをする二人に新八が仲裁に入る。二人はお互い舌打ちをしながらカウンターに座った。
「結果を言うとなァ、この紙のせいで私職場クビになったんだよ。正式に言うと自主退職させられたんだわ。」
鏡華は電子タバコを取り出し、煙をふかしながらさらりと言った。さっきまで取っ組み合いをしていた銀時と、その仲裁をした新八から驚きの声が出る。
「えっ!?否定しなかったんですか?」
「そりゃもちろん否定したよ。でもクソハゲ院長がね、『そういう疑惑がある人を医療従事者として雇えない』とか抜かしやがるもんでね。呆気なく退職届書かされたわ。」
「そんな……」
淡々と話す鏡華に新八が落胆の表情を見せる。銀時も複雑そうな顔をして酒を呷った。ほんの数秒沈黙が流れたあと、カウンター越しのお登勢が「ちょっと待っておくれ」と声をかけた。
「アタシらは話についていけてないんだけど、そもそも何だい?アンタは昔銀時たちと戦争に行ってたってことかい?」
「私もおネエさんの昔の話聞いた事無くて、今までのやりとり、ちんぷんかんぷんだったネ。」
鏡華と新八の話についていけてなかったお登勢と神楽が口を揃えて言う。そうそう、と鏡華が話を続ける。
「実はまぁ、そうなんですよ。昔銀時たちとちょっとヤンチャしまして。」
「へー、女なのにやるねェアンタ。で、そのナンチャラ仁王ってのは何だい?」
「コイツの二つ名みてーなもんだよ。周りが勝手にそう呼んでただけだ。」
銀時が酒を呷りながら口を挟んだ。
「銀さんの『白夜叉』みたいですね。」
と新八も言う。ホウホウと神楽が相槌をうった。
「それでおネエさんがヤンチャしてたのを知ってるのが銀ちゃんしかいないってなって、あの紙を書いたのが銀ちゃんだと思ったのネ?」
「その通り神楽ちゃん。」
ビシッと神楽に指を指す鏡華。不満そうな顔で銀時が鏡華を見た。
「だからなんで俺なんだよ。オメーが昔ヤンチャして病院に勤めてるって知ってるの、ほら、ヅラとかもいるだろーが。」
「ヅラはここら辺に居ないことも多いし、それにあの天然真面目っ子が、仮に私を辞めさせようとしたとして、こんな回りくどいことするかね?辰馬も考えたけどアイツ宇宙にいるし。……そしたら消去法であんたに」
「なってたまるかァァァ!!大体俺がわざわざこんなことして何のメリットがあるんだよ!?謎すぎんだろ!!」
「嫌がらせじゃねーの?」
「昔馴染みの人生終わらせるような悪質な嫌がらせは、流石の俺でもしねーよバカヤロー!!」
叫びすぎてハァハァと肩で息をする銀時。その様子を横目で見ながらフーと鏡華が煙を吐いた。
「まァぶっちゃけあんたの事は2%ぐらいしか疑ってないし、犯人探しは今すぐは難しそうだからボチボチやるとして、それより再就職先を相談したくてやってきましたお登勢さん。」
「オイィィィ!!2%も疑ってんの!?俺やってねーっつーの!てか、ハナから相談が目的なら俺は殴られ損じゃねーかァァァ!!」
キリッとした顔でお登勢に話しかける鏡華と、額にピキッと青筋を浮かべながら絶叫する銀時。その二人を見ながらお登勢が煙草をくゆらせた。
「再就職先っつってもねェ……。アタシは医者じゃないし、こんな場末のスナックで聞いたところでたかが知れてるんじゃないのかね?」
「いやいや、まさ子さんからお登勢さんはかぶき町四天王の一人だから、色んなところに顔が利くって聞きましたよ。」
「まさ子って居酒屋やってるアイツかい?ったく、余計なこと言いやがって。」
お登勢が舌打ちをして再度煙草を咥えた。
「おネエさん、次の仕事も医者やるアルか?」
何杯目か分からない卵かけご飯を食べながら神楽が鏡華に尋ねた。んー、と鏡華は耳を触りながら言葉を発した。
「医者はずっと続けたいねェ。……ぶっちゃけ、十年ぐらい総合病院で働いてから開業するつもりだんだったんだ。経験積むのと開業資金貯めるためにね。」
鏡華が神楽の方を見ながら話す。銀時は静かに耳を傾けていた。
「でも五年で辞めちゃったから開業するだけの金はないし、江戸近辺の病院じゃあの紙のせいで噂が広まっちゃって雇って貰えなくなっちゃったし。だからとりあえず今は開業資金貯めるために、なんでもいいから職を探してるって感じかなぁ。」
そう言って電子タバコを口に咥え、煙を吐き出す鏡華。ふわりふわりと煙が浮かび、空中に広がっていった。
「……そしたらよ」
鏡華の話に耳を傾けていた銀時が口を開いた。ん?と、鏡華が聞き返した。
「そしたらよ、ウチで働くか?」
「えっ、銀時……?」
頭をボリボリとかきながら銀時が話を続ける。
「開業資金が貯まるまでウチで働いたらいンじゃねーの?あの紙は俺がやったわけじゃねーけど、俺はオメーの過去知っててなんの問題もねーし、金は貯まるし、まあまあいい事だらけじゃね?」
毎度毎度この小説の設定を忘れそうになる作者であるが、この作品の銀時は鏡華のことが好きなのである。ほんっと、この二人は作者もビックリするぐらい、キュンキュンするポイントが全く無いせいで「あれ?この二人くっつけたいんだよね?あれ?」と作者は頻繁に混乱している。本当に申し訳ない。
とまぁ、鏡華のことが好きな銀時である。犯行声明文のような紙を書いたのは、もちろん銀時ではないが『ウチに来ないか?(意訳)』は実は下心丸出しである。少しでも鏡華の近くに居たい銀時が、酒を飲んだ勢いで出した提案であった。
だが銀時のこの目論見も、眉を顰め、苦虫を噛み潰したような顔をした鏡華によって打ち砕かれる。
「あんたんとこ給料出ないんでしょ?出ても酢昆布なんでしょ?絶対嫌。」
鏡華がそう言うやいなや、新八と神楽が「泉さん勧誘するならまず僕らに給料払え!!」と、鏡華の返事で髪だけでなく全身真っ白になった銀時をフルボッコにしていた。
「ほんっっっっとうに、甲斐性がない男だねェ……」
とお登勢が煙草の煙を吐き出しながら、呆れた口調で吐き捨てたのであった。
鏡華が持ってきた紙には、新聞やチラシなどから切り抜きされた文字が貼られ、まるで犯行声明文のように文章が書かれていた。
持ってきた本人はカウンターに突っ伏して鼻をすすりながら泣き、新八たちは紙をしげしげと見つめ、そして容疑者の銀時は床で正座させられていた。
「これが病院に……?」
新八が苦い顔をしながら鏡華に話しかける。鏡華は鼻をズビッと言わせながら顔を上げた。
「そう……。これ一枚だけじゃなくて、何枚もあったらしくてさ……。私がヤンチャしてたってこと知ってんのは、昔馴染みのコイツらぐらいしかいねーのよ。だからこれやったのは……テメーだろーが銀時ィィィ!!」
そう言って銀時に殴り掛かる鏡華。銀時がア゙ー!と叫び声をあげながら鏡華の拳を受け止めた。
「だあァァァ!!俺がそんなクソめんどいことするかっつーの!!」
「あぁ!?こんなん、暇人のテメーぐらいしかやる奴いねェだろがァァァ!」
「んだとテメー!誰が暇人だ!!必死に汗水垂らして働いてますゥゥゥ!!」
「嘘つけェェェ!!ちゃんと働いてたらなァ、大家さんに晩御飯世話にならねェんだよボケがァァァ!!」
「ちょ、ちょっと、二人とも一旦落ち着いてください。ほらカウンター座って。」
取っ組み合いをする二人に新八が仲裁に入る。二人はお互い舌打ちをしながらカウンターに座った。
「結果を言うとなァ、この紙のせいで私職場クビになったんだよ。正式に言うと自主退職させられたんだわ。」
鏡華は電子タバコを取り出し、煙をふかしながらさらりと言った。さっきまで取っ組み合いをしていた銀時と、その仲裁をした新八から驚きの声が出る。
「えっ!?否定しなかったんですか?」
「そりゃもちろん否定したよ。でもクソハゲ院長がね、『そういう疑惑がある人を医療従事者として雇えない』とか抜かしやがるもんでね。呆気なく退職届書かされたわ。」
「そんな……」
淡々と話す鏡華に新八が落胆の表情を見せる。銀時も複雑そうな顔をして酒を呷った。ほんの数秒沈黙が流れたあと、カウンター越しのお登勢が「ちょっと待っておくれ」と声をかけた。
「アタシらは話についていけてないんだけど、そもそも何だい?アンタは昔銀時たちと戦争に行ってたってことかい?」
「私もおネエさんの昔の話聞いた事無くて、今までのやりとり、ちんぷんかんぷんだったネ。」
鏡華と新八の話についていけてなかったお登勢と神楽が口を揃えて言う。そうそう、と鏡華が話を続ける。
「実はまぁ、そうなんですよ。昔銀時たちとちょっとヤンチャしまして。」
「へー、女なのにやるねェアンタ。で、そのナンチャラ仁王ってのは何だい?」
「コイツの二つ名みてーなもんだよ。周りが勝手にそう呼んでただけだ。」
銀時が酒を呷りながら口を挟んだ。
「銀さんの『白夜叉』みたいですね。」
と新八も言う。ホウホウと神楽が相槌をうった。
「それでおネエさんがヤンチャしてたのを知ってるのが銀ちゃんしかいないってなって、あの紙を書いたのが銀ちゃんだと思ったのネ?」
「その通り神楽ちゃん。」
ビシッと神楽に指を指す鏡華。不満そうな顔で銀時が鏡華を見た。
「だからなんで俺なんだよ。オメーが昔ヤンチャして病院に勤めてるって知ってるの、ほら、ヅラとかもいるだろーが。」
「ヅラはここら辺に居ないことも多いし、それにあの天然真面目っ子が、仮に私を辞めさせようとしたとして、こんな回りくどいことするかね?辰馬も考えたけどアイツ宇宙にいるし。……そしたら消去法であんたに」
「なってたまるかァァァ!!大体俺がわざわざこんなことして何のメリットがあるんだよ!?謎すぎんだろ!!」
「嫌がらせじゃねーの?」
「昔馴染みの人生終わらせるような悪質な嫌がらせは、流石の俺でもしねーよバカヤロー!!」
叫びすぎてハァハァと肩で息をする銀時。その様子を横目で見ながらフーと鏡華が煙を吐いた。
「まァぶっちゃけあんたの事は2%ぐらいしか疑ってないし、犯人探しは今すぐは難しそうだからボチボチやるとして、それより再就職先を相談したくてやってきましたお登勢さん。」
「オイィィィ!!2%も疑ってんの!?俺やってねーっつーの!てか、ハナから相談が目的なら俺は殴られ損じゃねーかァァァ!!」
キリッとした顔でお登勢に話しかける鏡華と、額にピキッと青筋を浮かべながら絶叫する銀時。その二人を見ながらお登勢が煙草をくゆらせた。
「再就職先っつってもねェ……。アタシは医者じゃないし、こんな場末のスナックで聞いたところでたかが知れてるんじゃないのかね?」
「いやいや、まさ子さんからお登勢さんはかぶき町四天王の一人だから、色んなところに顔が利くって聞きましたよ。」
「まさ子って居酒屋やってるアイツかい?ったく、余計なこと言いやがって。」
お登勢が舌打ちをして再度煙草を咥えた。
「おネエさん、次の仕事も医者やるアルか?」
何杯目か分からない卵かけご飯を食べながら神楽が鏡華に尋ねた。んー、と鏡華は耳を触りながら言葉を発した。
「医者はずっと続けたいねェ。……ぶっちゃけ、十年ぐらい総合病院で働いてから開業するつもりだんだったんだ。経験積むのと開業資金貯めるためにね。」
鏡華が神楽の方を見ながら話す。銀時は静かに耳を傾けていた。
「でも五年で辞めちゃったから開業するだけの金はないし、江戸近辺の病院じゃあの紙のせいで噂が広まっちゃって雇って貰えなくなっちゃったし。だからとりあえず今は開業資金貯めるために、なんでもいいから職を探してるって感じかなぁ。」
そう言って電子タバコを口に咥え、煙を吐き出す鏡華。ふわりふわりと煙が浮かび、空中に広がっていった。
「……そしたらよ」
鏡華の話に耳を傾けていた銀時が口を開いた。ん?と、鏡華が聞き返した。
「そしたらよ、ウチで働くか?」
「えっ、銀時……?」
頭をボリボリとかきながら銀時が話を続ける。
「開業資金が貯まるまでウチで働いたらいンじゃねーの?あの紙は俺がやったわけじゃねーけど、俺はオメーの過去知っててなんの問題もねーし、金は貯まるし、まあまあいい事だらけじゃね?」
毎度毎度この小説の設定を忘れそうになる作者であるが、この作品の銀時は鏡華のことが好きなのである。ほんっと、この二人は作者もビックリするぐらい、キュンキュンするポイントが全く無いせいで「あれ?この二人くっつけたいんだよね?あれ?」と作者は頻繁に混乱している。本当に申し訳ない。
とまぁ、鏡華のことが好きな銀時である。犯行声明文のような紙を書いたのは、もちろん銀時ではないが『ウチに来ないか?(意訳)』は実は下心丸出しである。少しでも鏡華の近くに居たい銀時が、酒を飲んだ勢いで出した提案であった。
だが銀時のこの目論見も、眉を顰め、苦虫を噛み潰したような顔をした鏡華によって打ち砕かれる。
「あんたんとこ給料出ないんでしょ?出ても酢昆布なんでしょ?絶対嫌。」
鏡華がそう言うやいなや、新八と神楽が「泉さん勧誘するならまず僕らに給料払え!!」と、鏡華の返事で髪だけでなく全身真っ白になった銀時をフルボッコにしていた。
「ほんっっっっとうに、甲斐性がない男だねェ……」
とお登勢が煙草の煙を吐き出しながら、呆れた口調で吐き捨てたのであった。
