#6 お前の魂は何色か
空欄の場合「鏡華」になります。
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岡田との戦いを終えた銀時は、力尽きたのかその場に座り込んだ。銀時の元に鏡華たちが駆け寄る。
「バカヤロー……ホントに無茶しやがって。やっぱあんたは、頭くるくるなアホの天パだな。」
「死力を尽くして頑張った人に、その言い方はひどいんじゃないの?ねェ?」
バカ、と言いながら手持ちの道具で、銀時の応急手当てをする鏡華。銀時は頭から足の先まで血まみれである。
「てか、なんでオメーがココにいるワケ。なんも関係ないだろ、鏡華はよ。」
手当てを受けながら銀時が尋ねる。「この説明色んな人に何回もしてるんだけど、」と説明し疲れた鏡華が答える。
「ヅラもあんたも岡田にやられたって聞いたから、お礼参りに行ってやろうと思って来たんだよ。特にあんたの分な。折角縫い合わせた傷口を開きやがって、コノヤロー。」
「お礼参りって……ヤンキーかオメーは。あ、元ヤンだったっけか。」
「誰が元ヤンだ、コラ。」
お互いに悪態を吐きながら手当てを続ける鏡華。少しして、手当てをする手がふと止まった。
「……あんたを護るつもりで来たのに、結局護られちゃったな……。こんな酷い怪我までさせて……。ごめん……。」
銀時の背中を見つめながら俯く鏡華。背中越しに分かる鏡華の元気の無さに、銀時はフーと息を吐いて振り返った。
「バァカ。元はと言えば、こっちのことに巻き込んだのが悪ィよ。こっちこそ悪かったな。」
「巻き込まれたなんて思ってねェわ。ダチがやられたって聞いたらやり返す、ダチが間違った道行こうとしてたら叩きのめす、それがダチってやつでしょ?」
「いや、間違った道行こうとしてるのを、叩きのめすってのは聞いたことねェよ!ヤンキー通り越して、もはやヤクザじゃねーか!」
二人でそんなバカなやりとりをして笑い合う。外では相変わらず砲撃で船が揺れ、男たちが叫び合う乱戦の音が聞こえてくる。未だ戦いは続いているが、ほんの少しだけ日常が戻った気がした。
会話を続けていると銀時が、「それによ、」と話題を切り替える。
「やっぱさ、男が女に護られてちゃ男が廃ると思うのよ、俺はさ。オメーは俺を護りたかったかもしんねェけど、俺だってオメーを護りてェワケ。分かってくれる?この男心。」
少しだけ顔を赤らめ、流し目で鏡華を見ながらそう話す銀時。
その銀時の表情に、思わずドキッとする鏡華。だが、スグに真面目な顔をして答えた。
「……分かりたくねーな、そんな男心。私だってあんたらとあの戦争を生き抜いてきたんだ。私のことだって信頼して欲しいワケよ、私は。この女心、分かる?」
真面目な顔をするが、耳が赤くなるのを隠せずに銀時の言うことに反論する鏡華。反論された銀時は、頭をガシガシと掻きながら、ハァー、と大きなため息をした。
「ったく、ああ言えばこう言うな、オメーはよ。分かんねェわ、その女心は。」
「じゃあ、お互い様じゃん。それに、ドンパチやる時は適度に救けるって言ったでしょ?」
「そういえばそうだったな。適度に救けてくれてありがとよ。」
どういたしまして、と言って鏡華は笑う。釣られて銀時も笑った。
「……あのー、イチャついてるとこ申し訳ないんですけど、僕らのこと忘れてません?」
二人の空気に割り込めなかった新八と神楽が、ジト目で二人を見ていた。新八が話しかけてようやく二人のことに気づいた銀時と鏡華は、慌てて距離をとる。
「し、しししし新八くん!!!!!いや!!忘れてないよ!うん!!!全然!!!」
慌てすぎて不自然に動揺する鏡華。銀時も明後日の方に視線を移している。
「銀ちゃん。目線があっちゃこっちゃ行ってて、めちゃくちゃキモいネ。」
ジト目で銀時に話しかける神楽の辛辣な言葉が、銀時にグサっと刺さる。いい歳して挙動がおかしいアラサー達に若者二人は、ハァと肩を落とした。
「銀さんの手当てが終わったなら、早くここを出ましょう。いろんなところで煙が上がってるみたいですし、そろそろヤバそうです。」
周りを見渡しながら新八が話す。倒れている鬼兵隊の三人はそのまま倒れたままで、鉄子はまだ村田のそばに座っている。
鉄子の背中からは、喪失感が溢れている。その様子を見た鏡華は、「はい!応急処置終わり!」と言って銀時の背中を叩くと立ち上がり、鉄子の元に歩み寄った。後ろで「いってーな」と銀時の文句を垂れる声が聞こえた。
「妹さん。そろそろ行こうか。ここも危ない。」
鏡華が穏やかな声色で話しかける。だが、鉄子は村田の亡骸をボーッと見つめるだけで返事が無い。
「妹さん、」
「……兄者がこんなことをしでかす前に、もっと私にできることがあったんじゃないか、って……」
鉄子が村田の亡骸を見つめながら言う。顔は見えないがまだ鼻声なあたり、涙は止まっていないようだ。その様子を見て、鏡華は複雑な表情をうかべる。
―――あぁ、分かるよ。その気持ち。分かるけどさ。
「……そんなこと無いよ、あなたは悪くない。……って言えば満足か?」
「……ッ!!」
腰に差した刀に手を置きながら鏡華が厳しく言い放つ。突然のまるで自分を突き放すような鏡華の言葉に驚き、泣き腫らした顔で鏡華に振り返る鉄子。
鏡華は眉間に皺を寄せ、少しトーンを落として話し続ける。
「甘ったれるんじゃないよ。あんたの兄ちゃんが作った刀で、危うく江戸が火の海になるところだったんだ。
結果ならなかったが、それでも大勢の犠牲者が出た。もしあんたが前々から兄ちゃんのことを止められてたなら、そもそもこんなことにはなってなかったかもな。」
「………………」
鏡華の言葉に何も言い返すことが出来ず、俯く鉄子。鏡華は頭を掻きながら、ため息をついた。
「……でもな、あんたら兄妹もいい大人だ。いい大人がやることなんてな、いくら兄妹でも簡単に口出し出来ることじゃない。それはお互いを尊重しているからなんだよ。
あんたが兄ちゃんのことを尊重していたから、まずい事だって知っていても何も言わなかったんだろう?それを終わってから『私が止めていれば』なんて言うのは、兄ちゃんの尊厳を傷つけることになるんだよ。」
俯いていた鉄子が顔を上げた。
「あんたらは職人だ。私はあんたらが作ったものを使う側だがね、作り手の意志ってのはなんとなく感じるもんだ。あんたの兄ちゃんが作り上げた、全てを破壊するための紅桜 は、あんたが作り上げた、全てを護るための刀 がちゃんと止めたじゃないか。
……なんとなくだけどね、兄ちゃんはあんたに止めてもらえて良かったと思ってるんじゃないかな。」
「……アンタ…」
鉄子が鏡華を見て口を開く。鏡華は、軽く微笑みながら話す。
「だからさ、終わってしまった過去をグチグチ言うのはやめようや。もちろん、気持ちが落ち着くまでは時間がかかる。
……兄ちゃんが死んだのは本当に残念だが、自分が作ったモンで妹を殺さずに済んだんだ。もしあんたの方が死んでたら、それこそ兄ちゃんは生きてられねェよ。」
鏡華が鉄子の顔をしっかりと見て、言葉を伝える。翡翠の瞳が鉄子の顔を映した。
「あんたは確かに銀時を、江戸を守ったんだ。そして、兄ちゃんの尊厳も守ったんだ。これ以上泣いてると、兄ちゃん成仏できねェよ?……時間かかってもいい、笑うんだ。」
そんじゃ早く行こう、と鏡華は言うと鉄子を立たせた。そして村田に合掌し、鉄子と共にその場を離れた。
鉄子は一度兄の方を振り向き、そして銀時たちの方へと向かったのだった。
「バカヤロー……ホントに無茶しやがって。やっぱあんたは、頭くるくるなアホの天パだな。」
「死力を尽くして頑張った人に、その言い方はひどいんじゃないの?ねェ?」
バカ、と言いながら手持ちの道具で、銀時の応急手当てをする鏡華。銀時は頭から足の先まで血まみれである。
「てか、なんでオメーがココにいるワケ。なんも関係ないだろ、鏡華はよ。」
手当てを受けながら銀時が尋ねる。「この説明色んな人に何回もしてるんだけど、」と説明し疲れた鏡華が答える。
「ヅラもあんたも岡田にやられたって聞いたから、お礼参りに行ってやろうと思って来たんだよ。特にあんたの分な。折角縫い合わせた傷口を開きやがって、コノヤロー。」
「お礼参りって……ヤンキーかオメーは。あ、元ヤンだったっけか。」
「誰が元ヤンだ、コラ。」
お互いに悪態を吐きながら手当てを続ける鏡華。少しして、手当てをする手がふと止まった。
「……あんたを護るつもりで来たのに、結局護られちゃったな……。こんな酷い怪我までさせて……。ごめん……。」
銀時の背中を見つめながら俯く鏡華。背中越しに分かる鏡華の元気の無さに、銀時はフーと息を吐いて振り返った。
「バァカ。元はと言えば、こっちのことに巻き込んだのが悪ィよ。こっちこそ悪かったな。」
「巻き込まれたなんて思ってねェわ。ダチがやられたって聞いたらやり返す、ダチが間違った道行こうとしてたら叩きのめす、それがダチってやつでしょ?」
「いや、間違った道行こうとしてるのを、叩きのめすってのは聞いたことねェよ!ヤンキー通り越して、もはやヤクザじゃねーか!」
二人でそんなバカなやりとりをして笑い合う。外では相変わらず砲撃で船が揺れ、男たちが叫び合う乱戦の音が聞こえてくる。未だ戦いは続いているが、ほんの少しだけ日常が戻った気がした。
会話を続けていると銀時が、「それによ、」と話題を切り替える。
「やっぱさ、男が女に護られてちゃ男が廃ると思うのよ、俺はさ。オメーは俺を護りたかったかもしんねェけど、俺だってオメーを護りてェワケ。分かってくれる?この男心。」
少しだけ顔を赤らめ、流し目で鏡華を見ながらそう話す銀時。
その銀時の表情に、思わずドキッとする鏡華。だが、スグに真面目な顔をして答えた。
「……分かりたくねーな、そんな男心。私だってあんたらとあの戦争を生き抜いてきたんだ。私のことだって信頼して欲しいワケよ、私は。この女心、分かる?」
真面目な顔をするが、耳が赤くなるのを隠せずに銀時の言うことに反論する鏡華。反論された銀時は、頭をガシガシと掻きながら、ハァー、と大きなため息をした。
「ったく、ああ言えばこう言うな、オメーはよ。分かんねェわ、その女心は。」
「じゃあ、お互い様じゃん。それに、ドンパチやる時は適度に救けるって言ったでしょ?」
「そういえばそうだったな。適度に救けてくれてありがとよ。」
どういたしまして、と言って鏡華は笑う。釣られて銀時も笑った。
「……あのー、イチャついてるとこ申し訳ないんですけど、僕らのこと忘れてません?」
二人の空気に割り込めなかった新八と神楽が、ジト目で二人を見ていた。新八が話しかけてようやく二人のことに気づいた銀時と鏡華は、慌てて距離をとる。
「し、しししし新八くん!!!!!いや!!忘れてないよ!うん!!!全然!!!」
慌てすぎて不自然に動揺する鏡華。銀時も明後日の方に視線を移している。
「銀ちゃん。目線があっちゃこっちゃ行ってて、めちゃくちゃキモいネ。」
ジト目で銀時に話しかける神楽の辛辣な言葉が、銀時にグサっと刺さる。いい歳して挙動がおかしいアラサー達に若者二人は、ハァと肩を落とした。
「銀さんの手当てが終わったなら、早くここを出ましょう。いろんなところで煙が上がってるみたいですし、そろそろヤバそうです。」
周りを見渡しながら新八が話す。倒れている鬼兵隊の三人はそのまま倒れたままで、鉄子はまだ村田のそばに座っている。
鉄子の背中からは、喪失感が溢れている。その様子を見た鏡華は、「はい!応急処置終わり!」と言って銀時の背中を叩くと立ち上がり、鉄子の元に歩み寄った。後ろで「いってーな」と銀時の文句を垂れる声が聞こえた。
「妹さん。そろそろ行こうか。ここも危ない。」
鏡華が穏やかな声色で話しかける。だが、鉄子は村田の亡骸をボーッと見つめるだけで返事が無い。
「妹さん、」
「……兄者がこんなことをしでかす前に、もっと私にできることがあったんじゃないか、って……」
鉄子が村田の亡骸を見つめながら言う。顔は見えないがまだ鼻声なあたり、涙は止まっていないようだ。その様子を見て、鏡華は複雑な表情をうかべる。
―――あぁ、分かるよ。その気持ち。分かるけどさ。
「……そんなこと無いよ、あなたは悪くない。……って言えば満足か?」
「……ッ!!」
腰に差した刀に手を置きながら鏡華が厳しく言い放つ。突然のまるで自分を突き放すような鏡華の言葉に驚き、泣き腫らした顔で鏡華に振り返る鉄子。
鏡華は眉間に皺を寄せ、少しトーンを落として話し続ける。
「甘ったれるんじゃないよ。あんたの兄ちゃんが作った刀で、危うく江戸が火の海になるところだったんだ。
結果ならなかったが、それでも大勢の犠牲者が出た。もしあんたが前々から兄ちゃんのことを止められてたなら、そもそもこんなことにはなってなかったかもな。」
「………………」
鏡華の言葉に何も言い返すことが出来ず、俯く鉄子。鏡華は頭を掻きながら、ため息をついた。
「……でもな、あんたら兄妹もいい大人だ。いい大人がやることなんてな、いくら兄妹でも簡単に口出し出来ることじゃない。それはお互いを尊重しているからなんだよ。
あんたが兄ちゃんのことを尊重していたから、まずい事だって知っていても何も言わなかったんだろう?それを終わってから『私が止めていれば』なんて言うのは、兄ちゃんの尊厳を傷つけることになるんだよ。」
俯いていた鉄子が顔を上げた。
「あんたらは職人だ。私はあんたらが作ったものを使う側だがね、作り手の意志ってのはなんとなく感じるもんだ。あんたの兄ちゃんが作り上げた、全てを破壊するための
……なんとなくだけどね、兄ちゃんはあんたに止めてもらえて良かったと思ってるんじゃないかな。」
「……アンタ…」
鉄子が鏡華を見て口を開く。鏡華は、軽く微笑みながら話す。
「だからさ、終わってしまった過去をグチグチ言うのはやめようや。もちろん、気持ちが落ち着くまでは時間がかかる。
……兄ちゃんが死んだのは本当に残念だが、自分が作ったモンで妹を殺さずに済んだんだ。もしあんたの方が死んでたら、それこそ兄ちゃんは生きてられねェよ。」
鏡華が鉄子の顔をしっかりと見て、言葉を伝える。翡翠の瞳が鉄子の顔を映した。
「あんたは確かに銀時を、江戸を守ったんだ。そして、兄ちゃんの尊厳も守ったんだ。これ以上泣いてると、兄ちゃん成仏できねェよ?……時間かかってもいい、笑うんだ。」
そんじゃ早く行こう、と鏡華は言うと鉄子を立たせた。そして村田に合掌し、鉄子と共にその場を離れた。
鉄子は一度兄の方を振り向き、そして銀時たちの方へと向かったのだった。
