#5 同窓会するなら幹事はやめとけ結構しんどいぞ
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新八に声をかけるのを忘れてたな、と鏡華は高杉の拠点へと向かう道中で思い出した。
だが正直、新八は鏡華以上にこの件に関わるべきではない。古い友人がしでかしたことは、古い友人が尻拭いすべきだと鏡華は考えていたからだ。
傘をさし、腰に刀を携えて歩く鏡華。雨でぬかるんでる地面のせいで、スニーカーは既に泥だらけである。
ーーーかつての仲間が江戸を火の海にしようとしている。それを止めるためなら、泥でも血でもなんでも、いくらでも汚れに塗れよう。
ーーーなーんて、私の柄じゃないな。出来れば長いものに巻かれていたいし、こんなこと、できるならしたくないのにな。
鏡華は脳内の自分自身のやり取りに、何を考えてるんだか、と自身を嘲笑う。
ーーーでも、やるしかないか。ダチだもんな。
そう思い直し、ぬかるむ地面を踏みしめ、拠点へと進んで行った。
鏡華が高杉の拠点に向かっている頃、目を覚ました銀時がいる万事屋には鉄子が訪れていた。
鉄子を応接間へ通し、向かいのソファに座る銀時とお妙。鉄子は鏡華に話した、紅桜の正体と高杉の計画を銀時にも話に来たのである。
「……なるほどね、高杉が……。事情は知らんが、オメーの兄ちゃんとんでもねー事に関わってるらしいな。……で?俺はさしずめその兄ちゃんにダシに使われちまったわけだ。
妖刀を探せってのも、要はその妖刀に俺の血を吸わせるためだったんだろ。それとも俺に恨みを持つ似蔵に頼まれたのか……いや、その両方か。にしても、ひでー話じゃねえか。お前全部知ってたんだろ?」
ツラツラと話をする銀時。鉄子は下を向き、黙って銀時の話を聞いている。
「兄ちゃんの目的を知った上で、黙ってたんだろ。それで今さら兄ちゃんを何とかしてくれって?お前のツラの皮は、月刊少年ジャンプ?」
「……スマン、返す言葉もない。アンタの言う通り全部知ってた……。だが……事が露見すれば、兄者はただでは済むまいと……今まで誰にも言えんかった。」
銀時の独特な皮肉をスルーして謝る鉄子。その謝罪を聞くも、大層兄思いの妹だね、とさらに詰める銀時。
「兄貴が人殺しに加担してるってのに見て見ぬフリかい?」
「銀サン!」
銀時の横に座るお妙が、ズケズケと物を言う銀時を窘 める。図星を突かれた鉄子はなかなか返す言葉が見つからない。
鉄子は少し考え、ようやく口を開いた。
「……『刀なんぞは所詮人斬り包丁だ。どんなに精魂込めて打とうが、使う相手は選べん。』……死んだ父がよく言っていた。私たちの体に染み付いている言葉だ。」
鉄子は昔を思い出したのか、少し微笑みながら話を続ける。
「兄者は、刀を作ることしか頭にないバカだ。父をこえようと、いつも必死に鉄を打っていた。やがて、より大きな力を求めて機械 まで研究しだした。……妙な連中と付き合いだしたのはその頃だ。」
銀時とお妙は、静かに鉄子の話に耳を傾ける。鉄子の声がだんだんと、震えていく。
「連中がよからぬ輩だということは、薄々勘づいていたが私は止めなかった。私たちは何も考えずに刀を打っていればいい、それが私たちの仕事なんだって……。
分かってんだ、人斬り包丁だって。あんなものはただの人殺しの道具だって……分かってるんだ。」
鉄子は涙を浮かべ、声を震わせながら言葉を続ける。
「……なのに、悔しくて仕方ない。兄者が必死につくったあの刀を……あんなことに使われるのは、悔しくて仕方ない……。」
鉄子の話をじっと黙って聞く銀時。鉄子は、悔しさで拳を握る手により力が入る。
「……でももう、ことは私一人じゃ止められないところまで来てしまった……。あの女の人に、アンタには言うなって言われたけど……。でも、どうしていいか分からないんだ……。私はどうすれば……。」
「あの女……?誰だソイツ。」
急に出てきた女性の存在が気になり、聞き返す銀時。横でお妙が、ちょっと銀さん、と少し慌てる。
「……万事屋の助っ人って言っていた。アンタはヤバいから、代わりに私がやるって……。でも、一人で、ましてや女の人なのに無茶だと思って、アンタにも全部話そうと思って来たんだ……。私じゃ止められなかった……。」
鉄子の話に、もしかして……と一人の人物を思い浮かべる銀時。治療したあとがある自分の怪我、そして自分の代わりに高杉の所に行く女。
なんでここでアイツが出てくるんだ、と銀時は少し混乱した。そして少しして、ハァ、とため息ついて立ち上がった。
「どうしていいか分からんのは俺の方だよ。こっちはこんなケガするわ、ツレがやられるわで頭の中グチャグチャなんだよ。」
そして鉄子が持ってきた封筒を、オラッ、と言って無造作に机に投げた。
「こんな慰謝料もいらねーからよ。さっさと帰ってくれや。もうメンドくせーのは御免なんだよ。」
そう言って銀時はそのまま和室へと戻ってしまった。残された鉄子はお妙に、ごめんなさいね、と謝られながら万事屋をあとにしたのだった。
「安心しました。」
「あ?」
布団で寝転がる銀時に話しかけるお妙。銀時は寝転がったまま、ぶっきらぼうに聞き返した。
「行くんじゃないかと思ったから。そんな体でも。」
言い得て妙なお妙の言葉に、フンと鼻を鳴らす銀時。
「てかオメー、鏡華が来てたこと隠してやがったな?アイツをこんなことに巻き込みやがって。」
「隠してたわけじゃ……。ただ、泉さんも銀さんが心配なのよ。あの人が、代わりに行ってくれるならいいじゃない。……銀さんがそんな体で行っても、死んじゃいますもんね。」
……そうだな、と生返事をする銀時。銀時を見つめながらお妙は話しかけ続ける。
「あの女の子には申し訳ないけど、仕方ないですよね。」
銀時は寝返りを打ちながら、そうだな、とまた生返事をした。
少し間を置いてお妙が、銀サン、と話しかける。
「あ?」
「あんまり、無茶するのはもうやめてくださいね。銀さんがいなくなったら、新ちゃんも神楽ちゃんも困りますから。」
お妙に背を向けながら、そうだな、とまたもや生返事をする銀時。そしてお妙はさらに続ける。
「昔は銀さんも色々ヤンチャやってたようだけれども、もうそんなことする年じゃないですもんね。」
「しつけーんだよコノヤロー!もうどこにも行かねーからちょっとジャンプ買ってこい!お前さっき買ってきたの赤マルだぞ!お母さんみてーな間違いしてんじゃねーよ!」
お妙の話が自身を外に出さないためのものだと分かり、思わず起き上がってツッコむ銀時。はいはい、分かりましたよ、と言って、お妙は外に出た。
ガララ、ピシャ、とお妙が外に出た音を聞いて、銀時は、すまねーな、と呟き布団から起き上がった。
その頃、落ち込みながら道を歩いていた鉄子は通行人とぶつかり、銀時から突き返された封筒を落としていた。
その封筒の中から、お金とは違う紙切れが入ってることに鉄子は気づいた。
『鍛冶屋で待ってろ 万事屋』
それは自分を突き放したはずの、銀髪の男の文字だった。
「……俺だっていい年こいてヤンチャなんかやりたかねーけどよ。」
ブツブツとボヤきながら玄関へと向かう銀時。正直体は傷だらけ、大怪我した次の日で体はとてもじゃないが万全では無い。だが――
ーーー惚れた女に護られてちゃ、男が廃 るだろーがよ。
そう思いながら玄関に向かうと、そこにはきちんと畳まれた、銀時のいつもの着物とシャツ、そして置き手紙と傘が置かれていた。
『私のお気に入りの傘、あとでちゃんと返しに来てくださいね。』
走り書きでもない、しっかりとした筆跡。この手紙を書いた人物には、銀時がここを出て行こうとするのはお見通しだったようだ。
手紙を読んだ銀時は、チッ、と悪態を吐きながら、頭をボリボリとかいた。
「かわいくねー女。」
シトシトと雨が降り続くかぶき町を、万事屋のベランダから眺めるお妙。彼女の目は、うさぎ柄の傘を持った銀髪の男をじっと見つめていた。
「……バカな男 。」
お妙の呟きは、本人に聞こえることもなく、雨と一緒に流れて行った。
だが正直、新八は鏡華以上にこの件に関わるべきではない。古い友人がしでかしたことは、古い友人が尻拭いすべきだと鏡華は考えていたからだ。
傘をさし、腰に刀を携えて歩く鏡華。雨でぬかるんでる地面のせいで、スニーカーは既に泥だらけである。
ーーーかつての仲間が江戸を火の海にしようとしている。それを止めるためなら、泥でも血でもなんでも、いくらでも汚れに塗れよう。
ーーーなーんて、私の柄じゃないな。出来れば長いものに巻かれていたいし、こんなこと、できるならしたくないのにな。
鏡華は脳内の自分自身のやり取りに、何を考えてるんだか、と自身を嘲笑う。
ーーーでも、やるしかないか。ダチだもんな。
そう思い直し、ぬかるむ地面を踏みしめ、拠点へと進んで行った。
鏡華が高杉の拠点に向かっている頃、目を覚ました銀時がいる万事屋には鉄子が訪れていた。
鉄子を応接間へ通し、向かいのソファに座る銀時とお妙。鉄子は鏡華に話した、紅桜の正体と高杉の計画を銀時にも話に来たのである。
「……なるほどね、高杉が……。事情は知らんが、オメーの兄ちゃんとんでもねー事に関わってるらしいな。……で?俺はさしずめその兄ちゃんにダシに使われちまったわけだ。
妖刀を探せってのも、要はその妖刀に俺の血を吸わせるためだったんだろ。それとも俺に恨みを持つ似蔵に頼まれたのか……いや、その両方か。にしても、ひでー話じゃねえか。お前全部知ってたんだろ?」
ツラツラと話をする銀時。鉄子は下を向き、黙って銀時の話を聞いている。
「兄ちゃんの目的を知った上で、黙ってたんだろ。それで今さら兄ちゃんを何とかしてくれって?お前のツラの皮は、月刊少年ジャンプ?」
「……スマン、返す言葉もない。アンタの言う通り全部知ってた……。だが……事が露見すれば、兄者はただでは済むまいと……今まで誰にも言えんかった。」
銀時の独特な皮肉をスルーして謝る鉄子。その謝罪を聞くも、大層兄思いの妹だね、とさらに詰める銀時。
「兄貴が人殺しに加担してるってのに見て見ぬフリかい?」
「銀サン!」
銀時の横に座るお妙が、ズケズケと物を言う銀時を
鉄子は少し考え、ようやく口を開いた。
「……『刀なんぞは所詮人斬り包丁だ。どんなに精魂込めて打とうが、使う相手は選べん。』……死んだ父がよく言っていた。私たちの体に染み付いている言葉だ。」
鉄子は昔を思い出したのか、少し微笑みながら話を続ける。
「兄者は、刀を作ることしか頭にないバカだ。父をこえようと、いつも必死に鉄を打っていた。やがて、より大きな力を求めて
銀時とお妙は、静かに鉄子の話に耳を傾ける。鉄子の声がだんだんと、震えていく。
「連中がよからぬ輩だということは、薄々勘づいていたが私は止めなかった。私たちは何も考えずに刀を打っていればいい、それが私たちの仕事なんだって……。
分かってんだ、人斬り包丁だって。あんなものはただの人殺しの道具だって……分かってるんだ。」
鉄子は涙を浮かべ、声を震わせながら言葉を続ける。
「……なのに、悔しくて仕方ない。兄者が必死につくったあの刀を……あんなことに使われるのは、悔しくて仕方ない……。」
鉄子の話をじっと黙って聞く銀時。鉄子は、悔しさで拳を握る手により力が入る。
「……でももう、ことは私一人じゃ止められないところまで来てしまった……。あの女の人に、アンタには言うなって言われたけど……。でも、どうしていいか分からないんだ……。私はどうすれば……。」
「あの女……?誰だソイツ。」
急に出てきた女性の存在が気になり、聞き返す銀時。横でお妙が、ちょっと銀さん、と少し慌てる。
「……万事屋の助っ人って言っていた。アンタはヤバいから、代わりに私がやるって……。でも、一人で、ましてや女の人なのに無茶だと思って、アンタにも全部話そうと思って来たんだ……。私じゃ止められなかった……。」
鉄子の話に、もしかして……と一人の人物を思い浮かべる銀時。治療したあとがある自分の怪我、そして自分の代わりに高杉の所に行く女。
なんでここでアイツが出てくるんだ、と銀時は少し混乱した。そして少しして、ハァ、とため息ついて立ち上がった。
「どうしていいか分からんのは俺の方だよ。こっちはこんなケガするわ、ツレがやられるわで頭の中グチャグチャなんだよ。」
そして鉄子が持ってきた封筒を、オラッ、と言って無造作に机に投げた。
「こんな慰謝料もいらねーからよ。さっさと帰ってくれや。もうメンドくせーのは御免なんだよ。」
そう言って銀時はそのまま和室へと戻ってしまった。残された鉄子はお妙に、ごめんなさいね、と謝られながら万事屋をあとにしたのだった。
「安心しました。」
「あ?」
布団で寝転がる銀時に話しかけるお妙。銀時は寝転がったまま、ぶっきらぼうに聞き返した。
「行くんじゃないかと思ったから。そんな体でも。」
言い得て妙なお妙の言葉に、フンと鼻を鳴らす銀時。
「てかオメー、鏡華が来てたこと隠してやがったな?アイツをこんなことに巻き込みやがって。」
「隠してたわけじゃ……。ただ、泉さんも銀さんが心配なのよ。あの人が、代わりに行ってくれるならいいじゃない。……銀さんがそんな体で行っても、死んじゃいますもんね。」
……そうだな、と生返事をする銀時。銀時を見つめながらお妙は話しかけ続ける。
「あの女の子には申し訳ないけど、仕方ないですよね。」
銀時は寝返りを打ちながら、そうだな、とまた生返事をした。
少し間を置いてお妙が、銀サン、と話しかける。
「あ?」
「あんまり、無茶するのはもうやめてくださいね。銀さんがいなくなったら、新ちゃんも神楽ちゃんも困りますから。」
お妙に背を向けながら、そうだな、とまたもや生返事をする銀時。そしてお妙はさらに続ける。
「昔は銀さんも色々ヤンチャやってたようだけれども、もうそんなことする年じゃないですもんね。」
「しつけーんだよコノヤロー!もうどこにも行かねーからちょっとジャンプ買ってこい!お前さっき買ってきたの赤マルだぞ!お母さんみてーな間違いしてんじゃねーよ!」
お妙の話が自身を外に出さないためのものだと分かり、思わず起き上がってツッコむ銀時。はいはい、分かりましたよ、と言って、お妙は外に出た。
ガララ、ピシャ、とお妙が外に出た音を聞いて、銀時は、すまねーな、と呟き布団から起き上がった。
その頃、落ち込みながら道を歩いていた鉄子は通行人とぶつかり、銀時から突き返された封筒を落としていた。
その封筒の中から、お金とは違う紙切れが入ってることに鉄子は気づいた。
『鍛冶屋で待ってろ 万事屋』
それは自分を突き放したはずの、銀髪の男の文字だった。
「……俺だっていい年こいてヤンチャなんかやりたかねーけどよ。」
ブツブツとボヤきながら玄関へと向かう銀時。正直体は傷だらけ、大怪我した次の日で体はとてもじゃないが万全では無い。だが――
ーーー惚れた女に護られてちゃ、男が
そう思いながら玄関に向かうと、そこにはきちんと畳まれた、銀時のいつもの着物とシャツ、そして置き手紙と傘が置かれていた。
『私のお気に入りの傘、あとでちゃんと返しに来てくださいね。』
走り書きでもない、しっかりとした筆跡。この手紙を書いた人物には、銀時がここを出て行こうとするのはお見通しだったようだ。
手紙を読んだ銀時は、チッ、と悪態を吐きながら、頭をボリボリとかいた。
「かわいくねー女。」
シトシトと雨が降り続くかぶき町を、万事屋のベランダから眺めるお妙。彼女の目は、うさぎ柄の傘を持った銀髪の男をじっと見つめていた。
「……バカな
お妙の呟きは、本人に聞こえることもなく、雨と一緒に流れて行った。
