#3 コロッケパンより焼きそばパン
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◇◇
銀時たちと飲んだ日から数日経った。「また会おう」などと言ったにもかかわらず、鏡華は相変わらず、職場と家を往復するだけの社畜な日々を過ごしていた。時々万事屋からの着信があるが、激務すぎて電話を取ることも出来ない。折り返しししようと思ったら大抵既に日が落ちている時間帯だ。奴のことだ、飲みに行ってるか寝てるかだろうと思うと折り返しできなかった。
そしてこの日は担当したオペが長引き、帰るのがすっかり遅くなった。定時を何時間も超えて、辺りはすでに真っ暗なうえに街灯がない道を走っているが、満月のおかげで自転車が走らせやすい。疲れたし、帰りにコンビニに寄って晩御飯を買おうかと考えていたところだった。
……目の端に地面に転がる物体が見えた。大きさ的に大人一人ぐらいありそうな感じである。
―――あー、疲れてるのになんで見つけてしまったんだ私のバカ、見なかったことにしようかな?いやでも医療従事者としてそれはどうよ?見捨てちゃいけんよなァ……。でも疲れてるんだよなァ……
鏡華は数秒葛藤し、意を決してその物体の元へ引き返した。近くまで来てみると、やはりそれは人間だった。その人物は編笠を被っていたが、うつ伏せで倒れていたのもあり、肩から背中までバッサリと斬られた跡がしっかりと見て分かった。出血量も多そうだ。
―――最近流行っているという辻斬りかな?だとしたらもう……
鏡華は自転車から降り、その人物のすぐ横まで近づいたところで、背中が上下しているのを確認した。良かった、まだ生きている。
「オイあんた、大丈夫?ちょっと痛いだろうけど、我慢してね……ッと」
そう声をかけて倒れている人物を仰向けにする鏡華。そして予想してなかった顔に目を見開いた。
「……!?ヅラ……!?ヅラじゃないの!?オイ!目ェ覚ませ!オイ!」
大声で呼びかけるが、桂は全く目を覚まさない。顔は青白くなりつつあり、そして深い傷だ。一刻を争う。鏡華は何がベストかフル回転で考えはじめた。
―――救急は…ダメだ、攘夷志士を連れてったらさすがにマズイ。コイツが捕まる。さすがにダチは売れな……いや、別にそれでもいいか……?いやいやダメでしょ。そしてコイツの様子を見るに周りに仲間もいない……。クソ。
「……しょうがない……家連れてくか…!死ぬんじゃねェよ、ヅラ……!!」
唇をかみ締めながら、鏡華は着ていた着物と帯で止血し、桂をどうにか固定して背負い自転車に乗った。
―――今日が満月で本当によかった。コイツを見つけることが出来た。
背中でかすかに感じる熱が冷めていかないように、鏡華はペダルをより強く漕いだのだった。
銀時たちと飲んだ日から数日経った。「また会おう」などと言ったにもかかわらず、鏡華は相変わらず、職場と家を往復するだけの社畜な日々を過ごしていた。時々万事屋からの着信があるが、激務すぎて電話を取ることも出来ない。折り返しししようと思ったら大抵既に日が落ちている時間帯だ。奴のことだ、飲みに行ってるか寝てるかだろうと思うと折り返しできなかった。
そしてこの日は担当したオペが長引き、帰るのがすっかり遅くなった。定時を何時間も超えて、辺りはすでに真っ暗なうえに街灯がない道を走っているが、満月のおかげで自転車が走らせやすい。疲れたし、帰りにコンビニに寄って晩御飯を買おうかと考えていたところだった。
……目の端に地面に転がる物体が見えた。大きさ的に大人一人ぐらいありそうな感じである。
―――あー、疲れてるのになんで見つけてしまったんだ私のバカ、見なかったことにしようかな?いやでも医療従事者としてそれはどうよ?見捨てちゃいけんよなァ……。でも疲れてるんだよなァ……
鏡華は数秒葛藤し、意を決してその物体の元へ引き返した。近くまで来てみると、やはりそれは人間だった。その人物は編笠を被っていたが、うつ伏せで倒れていたのもあり、肩から背中までバッサリと斬られた跡がしっかりと見て分かった。出血量も多そうだ。
―――最近流行っているという辻斬りかな?だとしたらもう……
鏡華は自転車から降り、その人物のすぐ横まで近づいたところで、背中が上下しているのを確認した。良かった、まだ生きている。
「オイあんた、大丈夫?ちょっと痛いだろうけど、我慢してね……ッと」
そう声をかけて倒れている人物を仰向けにする鏡華。そして予想してなかった顔に目を見開いた。
「……!?ヅラ……!?ヅラじゃないの!?オイ!目ェ覚ませ!オイ!」
大声で呼びかけるが、桂は全く目を覚まさない。顔は青白くなりつつあり、そして深い傷だ。一刻を争う。鏡華は何がベストかフル回転で考えはじめた。
―――救急は…ダメだ、攘夷志士を連れてったらさすがにマズイ。コイツが捕まる。さすがにダチは売れな……いや、別にそれでもいいか……?いやいやダメでしょ。そしてコイツの様子を見るに周りに仲間もいない……。クソ。
「……しょうがない……家連れてくか…!死ぬんじゃねェよ、ヅラ……!!」
唇をかみ締めながら、鏡華は着ていた着物と帯で止血し、桂をどうにか固定して背負い自転車に乗った。
―――今日が満月で本当によかった。コイツを見つけることが出来た。
背中でかすかに感じる熱が冷めていかないように、鏡華はペダルをより強く漕いだのだった。
