#2 大抵の事は飲めば解決する
空欄の場合「鏡華」になります。
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◇◇
街の灯りが煌々と輝く中を抜け、鏡華が銀時を担いで道を歩くこと数分、無事万事屋まで帰りついた。余程飲んだのか、驚くことに銀時は1回も起きずに担がれたまま帰宅した。流石の鏡華も、ふぅと疲れの声が出る。
帰り着くとちょうどお登勢が暖簾を仕舞いに出てきたところだった。お登勢は担がれた銀時を見て、呆れた様子で声をかけてきた。
「全く、女に担がれてご帰還たァ、野郎の風上にも置けない奴だねェ。ほら、銀時、起きな」
お登勢は鏡華たちに近づくと、担がれている銀時の顔をペチペチと2、3回叩いた。叩かれた銀時はようやく「うーん」と声を出して目を覚ました。
「……アレ?ここどこ?外?」
「バカタレが。アンタのツレが連れてきてくれたんだよ、早く起きな」
「ん?おかしいな、老婆の妖怪が見えてんな?」
「ぶっ殺されてーのか、この天パ野郎!」
鏡華に担がれたままお登勢と言い合う銀時。担いでるのが流石にきつくなった鏡華は銀時を地面に下ろした。下ろされた銀時は「うっ」と呻き、そしてよろけながらも立ち上がった。
「あー…………悪ィな。ここまで送ってくれてよ。重かったろ?」
「まあ重かったけど……持てない重さでは無かったわ」
「マジかよ、ゴリラだな」
銀時の余計な一言に鏡華の拳が飛ぶ。銀時の顔面に飛んできた拳は、見事クリーンヒットして鼻から血が出ることになった。
「今のはオメーが悪いねェ」
「あ?ババアまだ居たのかよ。早く寝ろよ。夜更かしは美容の大敵らしいぞ。まあオメーにはもう関係ねェかもしれねェが」
「はっ倒すぞテメー。夜の蝶はまだまだ健在だわ。ふん、言われなくてもさっさと寝るよ。オメーもいつまでも店の前に居るんじゃないよ。近所迷惑だからね」
そう言ってお登勢は店の中に戻って行った。やれやれとため息をつく銀時に鏡華が話しかけた。
「そしたら私は帰るからね。今日は退院おめでとう。めちゃくちゃ楽しかったわ」
「おー、こっちこそ楽しかったわ」
頭をかきながら、アンニュイな感じで銀時が答える。お互いに次の言葉がなかなか出てこない。口火を切ったのは鏡華だった。
「あと……ヅラの勧誘代わりに蹴ってくれありがとう。かなり助かった」
「あぁ、アレか……そりゃ当たり前だろ。お前は立派にお医者様やってんだ。今更俺らみたいなドンパチやらなくていいんだよ」
頭をかきながら銀時が言う。
―――『俺ら』って。あんたもやりたくないって言ってたのに、自分は巻き込まれにいくんだな……
と鏡華は銀時に優しさを感じた。
「まあ……ドンパチやって医者が必要になったらいつでも言って。適度に治してあげるし……救けてやんよ」
銀時が巻き込まれていくなら、私も巻き込まれに行こう。銀時だけ大変な目にはもう遭わせたくない。そう思いながら鏡華は微笑んで言った。
「……おう。その時は頼むわ」
お前にドンパチは似合わねェのにな、と思いながらも鏡華の思いを尊重して口を噤む。そして照れくさそうに銀時も笑った。またもや無言になる二人。
「じゃあ……私帰るわ。またね」
「……おー、気をつけて帰れや。チャリとはいえ、女一人だしな。さっさと帰れ」
あ、そうだ自転車、と言って鏡華は自転車を取りに店の脇の通路に入っていった。残された銀時は、言いたいことが違うなと頭をクシャクシャにかきまくる。
……ドンパチが無ければ会えないということか?そしたら今日で会うのが最後になるのは避けたい。せっかく再会できたんだ、これからも鏡華に会いたい。そう強く思っている銀時である。
自転車を取りに行った鏡華が戻ってきた。鏡華は自転車に跨り、銀時の顔をじっと見つめた。
「じゃ、私帰るからね。今日はほんとにありがとう。あ、ヅラと辰馬にもよろしく」
そう言って漕ぎ出そうとした時だった。
「ッ、待て、」
銀時に自転車を止められた。その表情は酔いで紅潮しているのと、もう会えないかもしれないという不安と焦りで少し泣きそうになっている。
「……今日これっきりじゃないよな……?」
銀時らしからぬ問いに思わず面食らう鏡華。自転車を降り、そして優しく笑って言葉を続ける。
「もちろん。また飲みに行こう?お互い江戸に住んでるって分かったんだしさ。それに銀時の店も知ったし、休みの日には遊びに行ってもいい?」
鏡華の言葉に銀時は嬉しさで顔が緩むのをグッと堪え、ポーカーフェイスを気取って微笑んだ。
「……あぁ、そうだよな。同じ町に住んでるんだし、いつでも会えるよな。遊びにも来い」
「そうそう。電話番号も分かってるしね」
「そう言えばそうだな。また電話するわ」
「うん。分かった。暇だらけだろうけど、まあ暇ができたら電話して。できる限り休み作るわ」
「オイ、最後の一言は余計じゃね?誰が暇だらけだって?」
銀時がツッコむと、鏡華は少し笑い、そしたらほんとに帰るね、と言って自転車に乗りペダルを漕ぎ出した。銀時はその背中が消えるまで見送ってから、万事屋の中へ入っていった。そして鏡華は、耳を赤くしながら自転車を漕いでゆくのであった。
3話へ続く(おまけもあるよ!)
街の灯りが煌々と輝く中を抜け、鏡華が銀時を担いで道を歩くこと数分、無事万事屋まで帰りついた。余程飲んだのか、驚くことに銀時は1回も起きずに担がれたまま帰宅した。流石の鏡華も、ふぅと疲れの声が出る。
帰り着くとちょうどお登勢が暖簾を仕舞いに出てきたところだった。お登勢は担がれた銀時を見て、呆れた様子で声をかけてきた。
「全く、女に担がれてご帰還たァ、野郎の風上にも置けない奴だねェ。ほら、銀時、起きな」
お登勢は鏡華たちに近づくと、担がれている銀時の顔をペチペチと2、3回叩いた。叩かれた銀時はようやく「うーん」と声を出して目を覚ました。
「……アレ?ここどこ?外?」
「バカタレが。アンタのツレが連れてきてくれたんだよ、早く起きな」
「ん?おかしいな、老婆の妖怪が見えてんな?」
「ぶっ殺されてーのか、この天パ野郎!」
鏡華に担がれたままお登勢と言い合う銀時。担いでるのが流石にきつくなった鏡華は銀時を地面に下ろした。下ろされた銀時は「うっ」と呻き、そしてよろけながらも立ち上がった。
「あー…………悪ィな。ここまで送ってくれてよ。重かったろ?」
「まあ重かったけど……持てない重さでは無かったわ」
「マジかよ、ゴリラだな」
銀時の余計な一言に鏡華の拳が飛ぶ。銀時の顔面に飛んできた拳は、見事クリーンヒットして鼻から血が出ることになった。
「今のはオメーが悪いねェ」
「あ?ババアまだ居たのかよ。早く寝ろよ。夜更かしは美容の大敵らしいぞ。まあオメーにはもう関係ねェかもしれねェが」
「はっ倒すぞテメー。夜の蝶はまだまだ健在だわ。ふん、言われなくてもさっさと寝るよ。オメーもいつまでも店の前に居るんじゃないよ。近所迷惑だからね」
そう言ってお登勢は店の中に戻って行った。やれやれとため息をつく銀時に鏡華が話しかけた。
「そしたら私は帰るからね。今日は退院おめでとう。めちゃくちゃ楽しかったわ」
「おー、こっちこそ楽しかったわ」
頭をかきながら、アンニュイな感じで銀時が答える。お互いに次の言葉がなかなか出てこない。口火を切ったのは鏡華だった。
「あと……ヅラの勧誘代わりに蹴ってくれありがとう。かなり助かった」
「あぁ、アレか……そりゃ当たり前だろ。お前は立派にお医者様やってんだ。今更俺らみたいなドンパチやらなくていいんだよ」
頭をかきながら銀時が言う。
―――『俺ら』って。あんたもやりたくないって言ってたのに、自分は巻き込まれにいくんだな……
と鏡華は銀時に優しさを感じた。
「まあ……ドンパチやって医者が必要になったらいつでも言って。適度に治してあげるし……救けてやんよ」
銀時が巻き込まれていくなら、私も巻き込まれに行こう。銀時だけ大変な目にはもう遭わせたくない。そう思いながら鏡華は微笑んで言った。
「……おう。その時は頼むわ」
お前にドンパチは似合わねェのにな、と思いながらも鏡華の思いを尊重して口を噤む。そして照れくさそうに銀時も笑った。またもや無言になる二人。
「じゃあ……私帰るわ。またね」
「……おー、気をつけて帰れや。チャリとはいえ、女一人だしな。さっさと帰れ」
あ、そうだ自転車、と言って鏡華は自転車を取りに店の脇の通路に入っていった。残された銀時は、言いたいことが違うなと頭をクシャクシャにかきまくる。
……ドンパチが無ければ会えないということか?そしたら今日で会うのが最後になるのは避けたい。せっかく再会できたんだ、これからも鏡華に会いたい。そう強く思っている銀時である。
自転車を取りに行った鏡華が戻ってきた。鏡華は自転車に跨り、銀時の顔をじっと見つめた。
「じゃ、私帰るからね。今日はほんとにありがとう。あ、ヅラと辰馬にもよろしく」
そう言って漕ぎ出そうとした時だった。
「ッ、待て、」
銀時に自転車を止められた。その表情は酔いで紅潮しているのと、もう会えないかもしれないという不安と焦りで少し泣きそうになっている。
「……今日これっきりじゃないよな……?」
銀時らしからぬ問いに思わず面食らう鏡華。自転車を降り、そして優しく笑って言葉を続ける。
「もちろん。また飲みに行こう?お互い江戸に住んでるって分かったんだしさ。それに銀時の店も知ったし、休みの日には遊びに行ってもいい?」
鏡華の言葉に銀時は嬉しさで顔が緩むのをグッと堪え、ポーカーフェイスを気取って微笑んだ。
「……あぁ、そうだよな。同じ町に住んでるんだし、いつでも会えるよな。遊びにも来い」
「そうそう。電話番号も分かってるしね」
「そう言えばそうだな。また電話するわ」
「うん。分かった。暇だらけだろうけど、まあ暇ができたら電話して。できる限り休み作るわ」
「オイ、最後の一言は余計じゃね?誰が暇だらけだって?」
銀時がツッコむと、鏡華は少し笑い、そしたらほんとに帰るね、と言って自転車に乗りペダルを漕ぎ出した。銀時はその背中が消えるまで見送ってから、万事屋の中へ入っていった。そして鏡華は、耳を赤くしながら自転車を漕いでゆくのであった。
3話へ続く(おまけもあるよ!)
