#16 恋バナと軍法会議は似ている
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まるで誰かの心を映しているのか……依然小雨が降り続いている。もし誰かの涙だとしたら、何を思って泣いているのだろう……
そんなポエミーな出だしはさておき、小雨が降る中銀時たちが暴れまくっていた。「うがァァァァ!!」と柳生流門下の男たちの叫び声と、倒された時の泥の跳ねる音が辺りを響かせていた。
「なんだァァァ、コイツらァァ!!」
「まるで歯が立たぬぞ!!一体どこの門下だ!?」
男たちの驚きと困惑が入り混じる叫び声が銀時たちに浴びせられる。その声を躱していくかのように彼らは次々に男たちを吹っ飛ばしていく。
「新八ぃ、てめェは減給だぜバカタレェ!!なんでこんなマネする前に俺に一言言わなかった!一人で煮詰まりやがって!」
「そうアル!一人でこんな面白そうな事シコシコ計画して!一言声かけろヨ!お前はもう今日からシコッ八な!」
勢いよく男たちを倒していく銀時と神楽が新八に声をかける。
同じく剣を振って男たちを倒している近藤が銀時たちに向かって叫んだ。
「貴様らァ!新八君の気も知らんで勝手抜かすなァ!!新八君は貴様らを巻き込みたくなかったというのが分からんかァ!!」
「うるせーゴリラ!じゃあなんでお前は巻き込まれてんだよ!さてはてめーが新八たぶらかしたな!」
近藤の言葉に同じぐらいの勢いで銀時が言い返す。近藤は剣を振るいながら話し始めた。
「こいつは俺達のエゴだからよ!!お妙さんは自ら望んでここへ嫁ごうとしている!理由は知らん!だが俺達はそれが気に食わん!あんな顔でさよならなんて、出来るわけもねェ!!」
実はこの前あった近藤とゴリッ……王女の見合いの時、同じ料亭で万事屋3人組は屋根修理の依頼を受け、さらにはお妙と九兵衛もまた同じ場所で逢い引きをしていたのだ。
その時に、お妙と九兵衛が幼なじみであり許嫁でもあるということを万事屋3人組と近藤は知ったのである。だがその事を新八がお妙に問い詰めても、ただ苦しそうに泣いて『さようなら』と言うだけで、結婚の理由も何も告げず九兵衛と一緒に出ていってしまった。
あの時のお妙の泣き顔を4人が思い出す。近藤が男たちに対峙しながら話を続ける。
「こんなマネしても誰も喜ぶ奴なんていないのかもしれん!お妙さんはこんなこと望んでないのかもしれん!それでも自分の我を通したい奴だけここに来た!お妙さんにもう一度会いてェ奴だけここに来た!」
退け、退けェ!とやられた男たちが銀時たちから急いで離れるように逃げ出す。男たちの中から「東城さんを呼んでこい!」と言う声が聞こえた。
「大義もクソもない戦いに余計な奴巻き込むワケにはいかんだろ!……なのになんでお前らまで来るかなァァもォォォ!!」
近藤が土方たち3人の方を振り向く。既に男たちは逃げるか倒されて気絶してるかで、向かってくるものは居なくなっていた。
一息ついた土方が煙草の煙を吐いた。
「近藤さん、心配いらねーよ。俺も我ァ通しに来ただけだ。柳生には借りがある。そいつを返しに来ただけさ。ちなみに今日は仕事休みだし、そこんとこも心配いらねェ」
続いて沖田も草を煙草に見立てて、土方の真似をしてフーと息を吐く。
「近藤さん、俺も我ァ通しに来ただけでさァ。このままいけばゴリラを姐さんと呼ばなきゃいけなくなる。ちなみに今日はバリバリ仕事でしたがサボってきました」
さらに鏡華も電子タバコの煙を吐いて続く。
「近藤さん、私も我を通しに来ただけです。なんか面白そうだったんで。ちなみに右に同じく仕事サボってきました。みんな怪我しないで欲しいです頼むしないでくれ」
「オメーらはホントに我だな!!」
沖田と鏡華に近藤のツッコミが入る。不満そうな顔をした沖田と鏡華が近藤に「近藤さんだってサボりのくせに」と文句を言うと、すかさず近藤が「俺はちゃんと有給取ってきました!!」と答えていた。
「銀さん……」
一方、万事屋サイドでは新八が銀時と神楽にここ数日考えていたであろうことを話し始めていた。
「僕ねェ……もうシスコンと呼ばれてもいいです。僕は姉上が大好きですよ。離れるのはイヤだ。出来ることならずっと一緒にいたいです。でもねェ……」
幼い頃の思い出が新八の脳裏に浮かぶ。姉が繋いでくれた手の温もりは今でも覚えている。この温もりを手離したくない、だけど……
「姉上が心底惚れて連れてきた男なら、たとえそれが万年金欠のうさん臭い男でも、ゴリラのストーカーでも、マヨラーでもドSでも、マダオでも痔でも……姉上が幸せになれるなら誰だって構やしないんです。送り出す覚悟はもう出来てるんだ」
新八の声が震え始める。彼はたった一人の家族である姉の幸せを心の底から願っているのだ。
「泣きながら赤飯炊く覚悟はもう出来てるんだ……僕は仕方ないでしょ泣いても……そりゃ泣きますよ、でも……」
突然の結婚宣言。その時見た姉の顔はいつもの温かい笑顔ではなく、悲しげで寂しげな泣き顔だった。
その顔を思い出した新八の頬に大粒の涙が伝う。涙どころか鼻水まで垂れてきた。
「泣いてる姉上を見送るなんてマネはまっぴら御免こうむります。僕は姉上にはいつも笑っていて欲しいんです。それが姉弟でしょ……」
滝のように涙と鼻水を流し、詰まりながら話す新八。彼の溢れる思いを、小雨に打たれながら銀時と神楽が静かに聞いていた。新八が鼻をズズっと啜っていると、ザッと2人揃って新八の前に歩み出た。
「銀ちゃん、アネゴがホントにあのチビ助に惚れてたらどうなるネ。私たち完全に悪役アル」
「悪役にゃ慣れてるだろ。人の邪魔するのもな」
新八が2人の背中を交互に見た。銀時が背中越しに「新八覚えとけよ」と彼に語りかける。
「俺達ゃ正義の味方でもてめーのネーちゃんの味方でもねェよ……てめーの味方だ」
そう言うと2人は前へと進んで行った。2人はお妙に会いたいから来たのではない、自分のの心を守るために来たのだと新八が気づくのに時間はかからなかった。小雨に打たれ、冷めていた心がじんわりと温かくなったのを新八は感じた。
「言っておくが俺は味方じゃねェぞ。たまたま喧嘩相手が一緒なだけだ」
銀時の後に続いて煙草を咥えながら土方が新八に話しかけ、そして通り過ぎて行った。その後ろをさらに沖田がついていく。
「ベタじゃない?ベジータ気取りでさァ。あのままさり気なく仲間になるつもりだぜ気をつけな」
さらにその沖田のあとを鏡華がついて歩いていく。
「新八くん、私は味方だからね〜。あ、風邪ひくからあとでちゃんと頭拭くんだよ〜」
そう言って通り過ぎて行った鏡華の後に近藤が新八の肩に手を乗せた。
「……仲間とは程遠いが、この7人なら天下の柳生にも勝てるやもしれん」
2人が前を歩く5人の背中を見つめる。近藤が「いくか、義弟よ」と口角を上げて新八の顔を覗いた。新八はぐすっと目を擦ると近藤の方を見た。
「誰が義弟?」
その顔はビックリするぐらいの真顔で感情が籠ってない顔だったと、後に近藤は語った。小雨は変わらず降り続いていたのだった。
そんなポエミーな出だしはさておき、小雨が降る中銀時たちが暴れまくっていた。「うがァァァァ!!」と柳生流門下の男たちの叫び声と、倒された時の泥の跳ねる音が辺りを響かせていた。
「なんだァァァ、コイツらァァ!!」
「まるで歯が立たぬぞ!!一体どこの門下だ!?」
男たちの驚きと困惑が入り混じる叫び声が銀時たちに浴びせられる。その声を躱していくかのように彼らは次々に男たちを吹っ飛ばしていく。
「新八ぃ、てめェは減給だぜバカタレェ!!なんでこんなマネする前に俺に一言言わなかった!一人で煮詰まりやがって!」
「そうアル!一人でこんな面白そうな事シコシコ計画して!一言声かけろヨ!お前はもう今日からシコッ八な!」
勢いよく男たちを倒していく銀時と神楽が新八に声をかける。
同じく剣を振って男たちを倒している近藤が銀時たちに向かって叫んだ。
「貴様らァ!新八君の気も知らんで勝手抜かすなァ!!新八君は貴様らを巻き込みたくなかったというのが分からんかァ!!」
「うるせーゴリラ!じゃあなんでお前は巻き込まれてんだよ!さてはてめーが新八たぶらかしたな!」
近藤の言葉に同じぐらいの勢いで銀時が言い返す。近藤は剣を振るいながら話し始めた。
「こいつは俺達のエゴだからよ!!お妙さんは自ら望んでここへ嫁ごうとしている!理由は知らん!だが俺達はそれが気に食わん!あんな顔でさよならなんて、出来るわけもねェ!!」
実はこの前あった近藤とゴリッ……王女の見合いの時、同じ料亭で万事屋3人組は屋根修理の依頼を受け、さらにはお妙と九兵衛もまた同じ場所で逢い引きをしていたのだ。
その時に、お妙と九兵衛が幼なじみであり許嫁でもあるということを万事屋3人組と近藤は知ったのである。だがその事を新八がお妙に問い詰めても、ただ苦しそうに泣いて『さようなら』と言うだけで、結婚の理由も何も告げず九兵衛と一緒に出ていってしまった。
あの時のお妙の泣き顔を4人が思い出す。近藤が男たちに対峙しながら話を続ける。
「こんなマネしても誰も喜ぶ奴なんていないのかもしれん!お妙さんはこんなこと望んでないのかもしれん!それでも自分の我を通したい奴だけここに来た!お妙さんにもう一度会いてェ奴だけここに来た!」
退け、退けェ!とやられた男たちが銀時たちから急いで離れるように逃げ出す。男たちの中から「東城さんを呼んでこい!」と言う声が聞こえた。
「大義もクソもない戦いに余計な奴巻き込むワケにはいかんだろ!……なのになんでお前らまで来るかなァァもォォォ!!」
近藤が土方たち3人の方を振り向く。既に男たちは逃げるか倒されて気絶してるかで、向かってくるものは居なくなっていた。
一息ついた土方が煙草の煙を吐いた。
「近藤さん、心配いらねーよ。俺も我ァ通しに来ただけだ。柳生には借りがある。そいつを返しに来ただけさ。ちなみに今日は仕事休みだし、そこんとこも心配いらねェ」
続いて沖田も草を煙草に見立てて、土方の真似をしてフーと息を吐く。
「近藤さん、俺も我ァ通しに来ただけでさァ。このままいけばゴリラを姐さんと呼ばなきゃいけなくなる。ちなみに今日はバリバリ仕事でしたがサボってきました」
さらに鏡華も電子タバコの煙を吐いて続く。
「近藤さん、私も我を通しに来ただけです。なんか面白そうだったんで。ちなみに右に同じく仕事サボってきました。みんな怪我しないで欲しいです頼むしないでくれ」
「オメーらはホントに我だな!!」
沖田と鏡華に近藤のツッコミが入る。不満そうな顔をした沖田と鏡華が近藤に「近藤さんだってサボりのくせに」と文句を言うと、すかさず近藤が「俺はちゃんと有給取ってきました!!」と答えていた。
「銀さん……」
一方、万事屋サイドでは新八が銀時と神楽にここ数日考えていたであろうことを話し始めていた。
「僕ねェ……もうシスコンと呼ばれてもいいです。僕は姉上が大好きですよ。離れるのはイヤだ。出来ることならずっと一緒にいたいです。でもねェ……」
幼い頃の思い出が新八の脳裏に浮かぶ。姉が繋いでくれた手の温もりは今でも覚えている。この温もりを手離したくない、だけど……
「姉上が心底惚れて連れてきた男なら、たとえそれが万年金欠のうさん臭い男でも、ゴリラのストーカーでも、マヨラーでもドSでも、マダオでも痔でも……姉上が幸せになれるなら誰だって構やしないんです。送り出す覚悟はもう出来てるんだ」
新八の声が震え始める。彼はたった一人の家族である姉の幸せを心の底から願っているのだ。
「泣きながら赤飯炊く覚悟はもう出来てるんだ……僕は仕方ないでしょ泣いても……そりゃ泣きますよ、でも……」
突然の結婚宣言。その時見た姉の顔はいつもの温かい笑顔ではなく、悲しげで寂しげな泣き顔だった。
その顔を思い出した新八の頬に大粒の涙が伝う。涙どころか鼻水まで垂れてきた。
「泣いてる姉上を見送るなんてマネはまっぴら御免こうむります。僕は姉上にはいつも笑っていて欲しいんです。それが姉弟でしょ……」
滝のように涙と鼻水を流し、詰まりながら話す新八。彼の溢れる思いを、小雨に打たれながら銀時と神楽が静かに聞いていた。新八が鼻をズズっと啜っていると、ザッと2人揃って新八の前に歩み出た。
「銀ちゃん、アネゴがホントにあのチビ助に惚れてたらどうなるネ。私たち完全に悪役アル」
「悪役にゃ慣れてるだろ。人の邪魔するのもな」
新八が2人の背中を交互に見た。銀時が背中越しに「新八覚えとけよ」と彼に語りかける。
「俺達ゃ正義の味方でもてめーのネーちゃんの味方でもねェよ……てめーの味方だ」
そう言うと2人は前へと進んで行った。2人はお妙に会いたいから来たのではない、自分のの心を守るために来たのだと新八が気づくのに時間はかからなかった。小雨に打たれ、冷めていた心がじんわりと温かくなったのを新八は感じた。
「言っておくが俺は味方じゃねェぞ。たまたま喧嘩相手が一緒なだけだ」
銀時の後に続いて煙草を咥えながら土方が新八に話しかけ、そして通り過ぎて行った。その後ろをさらに沖田がついていく。
「ベタじゃない?ベジータ気取りでさァ。あのままさり気なく仲間になるつもりだぜ気をつけな」
さらにその沖田のあとを鏡華がついて歩いていく。
「新八くん、私は味方だからね〜。あ、風邪ひくからあとでちゃんと頭拭くんだよ〜」
そう言って通り過ぎて行った鏡華の後に近藤が新八の肩に手を乗せた。
「……仲間とは程遠いが、この7人なら天下の柳生にも勝てるやもしれん」
2人が前を歩く5人の背中を見つめる。近藤が「いくか、義弟よ」と口角を上げて新八の顔を覗いた。新八はぐすっと目を擦ると近藤の方を見た。
「誰が義弟?」
その顔はビックリするぐらいの真顔で感情が籠ってない顔だったと、後に近藤は語った。小雨は変わらず降り続いていたのだった。
