#15.5 〜幕間〜夢主たるもの花言葉に堪能であれ
空欄の場合「鏡華」になります。
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◇◇
グイッと強い力で引き寄せられた。それが銀時に抱き締められたのだと気づくのに、勘が悪い私は少し時間がかかってしまった。
「へ、あ……?」
「おめー、言い逃げする気か?」
「え、ぎん、と、き…?起きて……?」
「……夢じゃねーよな?」
私を抱きしめる腕が強くなる。目の前にある胸板からバクバクと心臓の大きな鼓動が聞こえてくる。釣られて私の心臓も早鐘を打ち始めた。呼吸が浅くなる。
「……聞こえてたの?」
「聞こえてたからこうして言い逃げ出来ねーようにしてんじゃねーか。なァ?織姫さんよォ?」
「ちょっと待って、織姫のくだり声にでてた?それが一番恥ずかしいんだけど、ねェ」
なんてこった。キスより恥ずかしい事がバレていた。恥ずかしさで顔から火が出るどころか焼き芋ができそうだ。頭上からククッと笑う声が聞こえた。
「ねェ、笑わないで欲しいんだけど?人が頑張ったんだけど?」
「頑張ったのは分かるけどよ、織姫って柄じゃねーだろおめーは」
「だからやめろって言ってんだろーがァァ!もうそれ以上言わないで!お願い!300円あげるからァ!」
想い人に抱きしめられながら何を言っているんだ私は。恥ずかしい。ほんとに恥ずかしい。銀時が震えながら笑っているのが分かる。鳩尾に一発入れてやろうかと見上げて睨みつけた。
……その顔は予想外、奴の目は紅い瞳を潤ませながらこちらをじっと見ていた。あまりにも色っぽく真剣な眼で見つめてくるもんだから、一気に心拍数が上がる。
「……あの、さ」
恐る恐る、震える声で呼びかけてくる。バクバクと心臓がずっとうるさく鳴り続けている。でもこの音は私だけのじゃない。目の前の男からもずっとうるさい鼓動が聞こえている。2人分の心臓の音が響いているんだ。そりゃうるさいはずだ。
「……な、に?」
うるさい心臓に負けないように返事をする。目の前の男がゴクリと生唾を飲んだ。
「『大好き』って、ホント…?」
「……ッ」
私を抱きしめる力がまた少し強くなる。まるでそうであってくれと希うような、そんな抱擁。思わず息が詰まる。
――本当だよ。
その一言が言えない。恥ずかしくて。面と向かって、コイツの顔を見ながらそんなこと言えるワケない。だが、力強く抱きしめられるせいで顔を俯かせることも出来ない。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。お願い、その顔で、その眼で……熱が籠ったその眼で私を見ないで。
「……顔真っ赤。茹でダコみてーだな」
「……ッ、見ない、で、よ…ッ」
「……かわいい」
ドクンッと心臓が跳ね上がる。『かわいい』?コイツ今『かわいい』って言った?え、マジ?『かわいい』?『キャワイイ』ってこと?コイツが?私のことを?『かわいい』って?え、こんな事言えるのコイツ?え?……え?ダメだ、恥ずかしさで本格的に口から内臓的なものが出そうだ。
プツンと、何かが自分の中で切れる音がした。抱きしめられて動かせなかった腕をなんとか銀時の背中に回す。奴の身体がピクっと動いた。
「……鏡華?」
この腕の真意を確認するかのように名前を呼ばれる。……頼む、察してくれ。
「……俺も、お前のことが…」
銀時が何か言っているが、モヤがかかったようにぼんやりとしか聞こえない。そして背中にまわした腕をそのまま首まで持っていく。腕と一緒に私の体は銀時の腕から抜け出した。
「ッ、鏡華……!俺ァ…!」
奴が言葉を言い切る前にギュッと首を抱きしめる。
「もう……恥ずかしいんだよコノヤロー!!」
私はそのまま奴の首を絞めあげた。何が起きたのか分からない銀時が困惑した顔でこちらを見てくるが、そんなの……全部無視だァ!
「……え?あの、鏡華、さん?あの?抱擁?コレ抱擁?ねェ、あの、嬉しいんだけど……アレ?首、締まって、るんだ、が?ねェ?」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!消え去れ記憶ゥゥゥ!!私が言ったこと全て忘れろォォォ!!」
ギリギリと夢中で奴の首を締め上げる。
「あ、ああ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!締まってる!!締まっ……て……!!」
バンバンと銀時が私の腕を叩くが、恥ずかしさで消えたい私は銀時の記憶を消すために奴の首を締め上げ続ける。そのまま私も奴も遠く暗い世界へと旅立って行った。
グイッと強い力で引き寄せられた。それが銀時に抱き締められたのだと気づくのに、勘が悪い私は少し時間がかかってしまった。
「へ、あ……?」
「おめー、言い逃げする気か?」
「え、ぎん、と、き…?起きて……?」
「……夢じゃねーよな?」
私を抱きしめる腕が強くなる。目の前にある胸板からバクバクと心臓の大きな鼓動が聞こえてくる。釣られて私の心臓も早鐘を打ち始めた。呼吸が浅くなる。
「……聞こえてたの?」
「聞こえてたからこうして言い逃げ出来ねーようにしてんじゃねーか。なァ?織姫さんよォ?」
「ちょっと待って、織姫のくだり声にでてた?それが一番恥ずかしいんだけど、ねェ」
なんてこった。キスより恥ずかしい事がバレていた。恥ずかしさで顔から火が出るどころか焼き芋ができそうだ。頭上からククッと笑う声が聞こえた。
「ねェ、笑わないで欲しいんだけど?人が頑張ったんだけど?」
「頑張ったのは分かるけどよ、織姫って柄じゃねーだろおめーは」
「だからやめろって言ってんだろーがァァ!もうそれ以上言わないで!お願い!300円あげるからァ!」
想い人に抱きしめられながら何を言っているんだ私は。恥ずかしい。ほんとに恥ずかしい。銀時が震えながら笑っているのが分かる。鳩尾に一発入れてやろうかと見上げて睨みつけた。
……その顔は予想外、奴の目は紅い瞳を潤ませながらこちらをじっと見ていた。あまりにも色っぽく真剣な眼で見つめてくるもんだから、一気に心拍数が上がる。
「……あの、さ」
恐る恐る、震える声で呼びかけてくる。バクバクと心臓がずっとうるさく鳴り続けている。でもこの音は私だけのじゃない。目の前の男からもずっとうるさい鼓動が聞こえている。2人分の心臓の音が響いているんだ。そりゃうるさいはずだ。
「……な、に?」
うるさい心臓に負けないように返事をする。目の前の男がゴクリと生唾を飲んだ。
「『大好き』って、ホント…?」
「……ッ」
私を抱きしめる力がまた少し強くなる。まるでそうであってくれと希うような、そんな抱擁。思わず息が詰まる。
――本当だよ。
その一言が言えない。恥ずかしくて。面と向かって、コイツの顔を見ながらそんなこと言えるワケない。だが、力強く抱きしめられるせいで顔を俯かせることも出来ない。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。お願い、その顔で、その眼で……熱が籠ったその眼で私を見ないで。
「……顔真っ赤。茹でダコみてーだな」
「……ッ、見ない、で、よ…ッ」
「……かわいい」
ドクンッと心臓が跳ね上がる。『かわいい』?コイツ今『かわいい』って言った?え、マジ?『かわいい』?『キャワイイ』ってこと?コイツが?私のことを?『かわいい』って?え、こんな事言えるのコイツ?え?……え?ダメだ、恥ずかしさで本格的に口から内臓的なものが出そうだ。
プツンと、何かが自分の中で切れる音がした。抱きしめられて動かせなかった腕をなんとか銀時の背中に回す。奴の身体がピクっと動いた。
「……鏡華?」
この腕の真意を確認するかのように名前を呼ばれる。……頼む、察してくれ。
「……俺も、お前のことが…」
銀時が何か言っているが、モヤがかかったようにぼんやりとしか聞こえない。そして背中にまわした腕をそのまま首まで持っていく。腕と一緒に私の体は銀時の腕から抜け出した。
「ッ、鏡華……!俺ァ…!」
奴が言葉を言い切る前にギュッと首を抱きしめる。
「もう……恥ずかしいんだよコノヤロー!!」
私はそのまま奴の首を絞めあげた。何が起きたのか分からない銀時が困惑した顔でこちらを見てくるが、そんなの……全部無視だァ!
「……え?あの、鏡華、さん?あの?抱擁?コレ抱擁?ねェ、あの、嬉しいんだけど……アレ?首、締まって、るんだ、が?ねェ?」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!消え去れ記憶ゥゥゥ!!私が言ったこと全て忘れろォォォ!!」
ギリギリと夢中で奴の首を締め上げる。
「あ、ああ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!締まってる!!締まっ……て……!!」
バンバンと銀時が私の腕を叩くが、恥ずかしさで消えたい私は銀時の記憶を消すために奴の首を締め上げ続ける。そのまま私も奴も遠く暗い世界へと旅立って行った。
