#15.5 〜幕間〜夢主たるもの花言葉に堪能であれ
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◇◇
お店の扉を開け、銀時を担いだまま階段を上がる。ガララと玄関の扉を開けて銀時を玄関に座らせた。
「オラ銀時、靴脱いで。もうそのまま寝るんでしょ?」
「んー……」
全ッ然反応がない。どんだけ深酒したんだコイツは。しょうがないから寝る準備をしてやろう。コイツの靴を脱がすのは後回しだ。まずコンビニで買ったやつらはとりあえず冷蔵庫に。花束は……花瓶は特に無さそうだからとりあえず流し台に置いておく……あ、酒瓶あるじゃん。これに生けちゃえ。……よし、いい感じ。そしたら次に和室に布団を敷こう。押し入れから布団を出して、はい、出来上がり。あとは玄関で寝転がってる毛玉を布団に連れていくだけだ。
「銀時ィ、布団敷いたからさ。ちゃんと布団で寝ようや」
「ん……」
呼びかけるが起きる気配のない銀時の靴を脱がし、なんとか起こして布団に連れていく。寝ていて力が抜けきってる奴を持ち上げる時が一番力が要るよね、なんて思いながら銀時をドサッと布団の上に置いた。置いた瞬間こそ「イテッ」と声を出したが、布団だと分かったのかすぐに寝息を立てて寝始めた。思わずフーとため息が出た。
プレゼントを渡せるようにとお登勢さんが気を使ってくれたのに、当の本人がこれではどうしようも無い。諦めて帰るかと和室を出た。
「あ、メモだけ置いてっとこう」
そう思い紙とペンを探す。ちょうど電話が置いてあるところにメモ用紙とペンがあったのでそれにメッセージを書こう。
「えっと……『誕生日おめでとう。プレゼント(笑)はコンビニで買ってきたやつと花束です。お納めください。泉鏡華』……っと」
我ながら照れ隠しにも程がある。なんだ『(笑)』って。ちゃんと言えばいいものを。恥ずかしがっちゃってまァ阿呆らしい。
「……想いを言えたら、こんな照れ隠しもしなくなるかな」
ボソッと口から脳を通らず言葉が出た。幼なじみから恋仲へ。確かに私は進みたいと思っている。長谷川さんとお登勢さんは、銀時が私のことを『好き』だと言っていた。でも自分ではやっぱりアイツが私のことを好きなはずなんてない、と思っている。あんだけ振り回してきたんだもの。好きになってもらう資格もない。
だから……私のことを好きになって欲しいと欲をかいている。なんて自分勝手な我儘だろう。それに家族同然のような付き合いをしていて今更だ。でも……これからも一緒にいる相手として私を選んで欲しいと、そう願っている。
「……やっぱり『誕生日おめでとう』ぐらいはちゃんと顔見て言わなきゃな」
こんな欲望を持っている奴がメモでお祝いだなんてありえないだろう。相手が寝ていても、せめて口に出してちゃんと顔を見ながら言祝ぎしなければ。そう思って和室の襖を開けた。
シンと静まり返る部屋に私の心臓の音がやたらうるさく聞こえる。銀時の寝息なんて微塵も聞こえない。頼む心臓よ、もう少し、ボリュームを下げて?お願い。口から内臓的なのが出ちゃいそう。
――って、『誕生日おめでとう』って言うだけだろーが!何でこんなに緊張してんの?バカみたいだな?
と突然悪魔な私が出てくる。悪魔と言うより鬼である。
――そんなこと言うのはやめてあげて!やっと恋心を認識したのよ!もう少し優しくしてあげてもいいんじゃない?こんなに頑張ってるんだもの!
と次に天使な私が出てくる。めちゃくちゃ甘やかしてくれる。その優しさが逆に辛い。だって私もうアラサーだもの。
――バカ!『コイツと恋仲になりたい』なんて欲望マシマシなやつを甘やかしてどうすんだ!一気に行かせろよ!
――それもそうね?オラ!さっさと『誕生日おめでとう』ぐらいサクッと言ってこい!
なんてこった、鬼が2人になった。オイ天使の方!もう少し甘やかしてくれよ!辛すぎるだろ!なんてことを脳内で考えながら寝ている銀時の横に膝を着いた。スースーと穏やかな寝息を立てる銀時の顔を覗き込む。アレ?このシチュエーションBLEACHで見た事あるな?私は織姫ちゃんかな?と考えながら寝ている銀時をマジマジと見つめる。
……ふわふわとした髪の毛、どちらかと言えば色白な肌、程よくついた筋肉が服の隙間から見え思わずドキドキとしてしまう。アレ?私思ってたより俗物的だな?
それと同時に……銀時と出会った頃から今までの思い出を思い出す。そうだ、この天パはなんだかんだ言って私と一緒に同じ道を時には歩き、時には走って一緒に生きてきてくれた。離れてた時はいつもいてくれたコイツが居なくて心細く感じていた。そうだった。
だから、好きだと気づいた今、これからも一緒に居たいと感じているんだ。顔を見ているうちに自然と……笑みと涙が零れた。
「……誕生日おめでとう銀時。生まれてきてくれてありがとう。……大好きだよ」
私は織姫私は織姫、いや織姫は未遂だったけども、でも、と自分に言い聞かせながら、銀時の前髪を上げ……額にキス落とした。触れるだけの、羽より軽い口付け。心臓の五月蝿さは消えていた。
自分のやったことに後悔はしていない。が、やはり小っ恥ずかしい。涙を拭き、顔を離して立ち上がろうとした時だった。
お店の扉を開け、銀時を担いだまま階段を上がる。ガララと玄関の扉を開けて銀時を玄関に座らせた。
「オラ銀時、靴脱いで。もうそのまま寝るんでしょ?」
「んー……」
全ッ然反応がない。どんだけ深酒したんだコイツは。しょうがないから寝る準備をしてやろう。コイツの靴を脱がすのは後回しだ。まずコンビニで買ったやつらはとりあえず冷蔵庫に。花束は……花瓶は特に無さそうだからとりあえず流し台に置いておく……あ、酒瓶あるじゃん。これに生けちゃえ。……よし、いい感じ。そしたら次に和室に布団を敷こう。押し入れから布団を出して、はい、出来上がり。あとは玄関で寝転がってる毛玉を布団に連れていくだけだ。
「銀時ィ、布団敷いたからさ。ちゃんと布団で寝ようや」
「ん……」
呼びかけるが起きる気配のない銀時の靴を脱がし、なんとか起こして布団に連れていく。寝ていて力が抜けきってる奴を持ち上げる時が一番力が要るよね、なんて思いながら銀時をドサッと布団の上に置いた。置いた瞬間こそ「イテッ」と声を出したが、布団だと分かったのかすぐに寝息を立てて寝始めた。思わずフーとため息が出た。
プレゼントを渡せるようにとお登勢さんが気を使ってくれたのに、当の本人がこれではどうしようも無い。諦めて帰るかと和室を出た。
「あ、メモだけ置いてっとこう」
そう思い紙とペンを探す。ちょうど電話が置いてあるところにメモ用紙とペンがあったのでそれにメッセージを書こう。
「えっと……『誕生日おめでとう。プレゼント(笑)はコンビニで買ってきたやつと花束です。お納めください。泉鏡華』……っと」
我ながら照れ隠しにも程がある。なんだ『(笑)』って。ちゃんと言えばいいものを。恥ずかしがっちゃってまァ阿呆らしい。
「……想いを言えたら、こんな照れ隠しもしなくなるかな」
ボソッと口から脳を通らず言葉が出た。幼なじみから恋仲へ。確かに私は進みたいと思っている。長谷川さんとお登勢さんは、銀時が私のことを『好き』だと言っていた。でも自分ではやっぱりアイツが私のことを好きなはずなんてない、と思っている。あんだけ振り回してきたんだもの。好きになってもらう資格もない。
だから……私のことを好きになって欲しいと欲をかいている。なんて自分勝手な我儘だろう。それに家族同然のような付き合いをしていて今更だ。でも……これからも一緒にいる相手として私を選んで欲しいと、そう願っている。
「……やっぱり『誕生日おめでとう』ぐらいはちゃんと顔見て言わなきゃな」
こんな欲望を持っている奴がメモでお祝いだなんてありえないだろう。相手が寝ていても、せめて口に出してちゃんと顔を見ながら言祝ぎしなければ。そう思って和室の襖を開けた。
シンと静まり返る部屋に私の心臓の音がやたらうるさく聞こえる。銀時の寝息なんて微塵も聞こえない。頼む心臓よ、もう少し、ボリュームを下げて?お願い。口から内臓的なのが出ちゃいそう。
――って、『誕生日おめでとう』って言うだけだろーが!何でこんなに緊張してんの?バカみたいだな?
と突然悪魔な私が出てくる。悪魔と言うより鬼である。
――そんなこと言うのはやめてあげて!やっと恋心を認識したのよ!もう少し優しくしてあげてもいいんじゃない?こんなに頑張ってるんだもの!
と次に天使な私が出てくる。めちゃくちゃ甘やかしてくれる。その優しさが逆に辛い。だって私もうアラサーだもの。
――バカ!『コイツと恋仲になりたい』なんて欲望マシマシなやつを甘やかしてどうすんだ!一気に行かせろよ!
――それもそうね?オラ!さっさと『誕生日おめでとう』ぐらいサクッと言ってこい!
なんてこった、鬼が2人になった。オイ天使の方!もう少し甘やかしてくれよ!辛すぎるだろ!なんてことを脳内で考えながら寝ている銀時の横に膝を着いた。スースーと穏やかな寝息を立てる銀時の顔を覗き込む。アレ?このシチュエーションBLEACHで見た事あるな?私は織姫ちゃんかな?と考えながら寝ている銀時をマジマジと見つめる。
……ふわふわとした髪の毛、どちらかと言えば色白な肌、程よくついた筋肉が服の隙間から見え思わずドキドキとしてしまう。アレ?私思ってたより俗物的だな?
それと同時に……銀時と出会った頃から今までの思い出を思い出す。そうだ、この天パはなんだかんだ言って私と一緒に同じ道を時には歩き、時には走って一緒に生きてきてくれた。離れてた時はいつもいてくれたコイツが居なくて心細く感じていた。そうだった。
だから、好きだと気づいた今、これからも一緒に居たいと感じているんだ。顔を見ているうちに自然と……笑みと涙が零れた。
「……誕生日おめでとう銀時。生まれてきてくれてありがとう。……大好きだよ」
私は織姫私は織姫、いや織姫は未遂だったけども、でも、と自分に言い聞かせながら、銀時の前髪を上げ……額にキス落とした。触れるだけの、羽より軽い口付け。心臓の五月蝿さは消えていた。
自分のやったことに後悔はしていない。が、やはり小っ恥ずかしい。涙を拭き、顔を離して立ち上がろうとした時だった。
