月島
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「────ちゃん────」
「────ハジメちゃん───」
後ろからふと自分を呼ぶような声がする。
この世に生まれ直しても未だ出会えずにいる記憶の片隅にいつもいるあの子の声。
「─ハジメさん」
そんなはずは無いと、しかし期待を僅かに込めて振り返るとそこには細かく縮れた懐かしい髪が。
「ハジメさん! ──良かった、声掛けてもなかなか気付いてくれないからどうしようかと思った」
そこにいたのは期待した『あの子』ではなく、細かいパーマをあてた茶色の髪の見知らぬ女性だった。
訝しく思って彼女を見ていると
「これ、『Hajime T』って書いてあったから……あなたハジメさんでしょ? さっき落としていったの」
差し出された手のひらを見ると、名前の彫られたキーホルダーが乗せられていた。
いつだったか、友人が土産だと言って寄越したものだった。何かの拍子にポケットに入れていたらしい。
現実と願望の落差に束の間身体が動かなかったが、やっと
「あぁ、どうも、」
とそれだけ言ってキーホルダーを受け取ると、彼女は『じゃあ』と去って行ってしまった。
『あの子』の面影を彼女にいくら無理矢理重ねようとも、現実は残酷にもそれを許さずただ後ろ姿を見送るしかなかったのだ。
「────ハジメちゃん───」
後ろからふと自分を呼ぶような声がする。
この世に生まれ直しても未だ出会えずにいる記憶の片隅にいつもいるあの子の声。
「─ハジメさん」
そんなはずは無いと、しかし期待を僅かに込めて振り返るとそこには細かく縮れた懐かしい髪が。
「ハジメさん! ──良かった、声掛けてもなかなか気付いてくれないからどうしようかと思った」
そこにいたのは期待した『あの子』ではなく、細かいパーマをあてた茶色の髪の見知らぬ女性だった。
訝しく思って彼女を見ていると
「これ、『Hajime T』って書いてあったから……あなたハジメさんでしょ? さっき落としていったの」
差し出された手のひらを見ると、名前の彫られたキーホルダーが乗せられていた。
いつだったか、友人が土産だと言って寄越したものだった。何かの拍子にポケットに入れていたらしい。
現実と願望の落差に束の間身体が動かなかったが、やっと
「あぁ、どうも、」
とそれだけ言ってキーホルダーを受け取ると、彼女は『じゃあ』と去って行ってしまった。
『あの子』の面影を彼女にいくら無理矢理重ねようとも、現実は残酷にもそれを許さずただ後ろ姿を見送るしかなかったのだ。
1/2ページ